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NO.62 |
タイトル:試験問題と成績評価を考える
担当者:原山重信
テーマ:構成、クラス運営
キーワード:アンケート、授業の環境
01/06/00
no.62
四月の例会は明治大学のリバティ・タワーで行われました。このリバティー・タワーは数年前に竣工されたばかりで、校舎というよりもホテルという雰囲気です。この日の例会に使われた9階の教室にはハイビジョン・テレビが備えられていました。今回は井上美穂さんの司会で以下の順で行われました。尚、出席者は12名。新メンバーの方の出席ももっと増えるといいという印象を受けました。
■例会報告
試験問題と成績評価を考える
原山重信さん
まず、各自持ち寄った試験問題について、出題者に使用教科書、クラス状況、問題形式、成績評価結果などを説明してもらいました。
問題形式としては、以下の種類がありました。
●文法と語法の問題?多肢選択問題、語形変化、動詞の活用など。
●聞き取りテスト?数字、綴り字の一部など。
●口頭試験?テープに吹き込む、フランス人教師と対話など。
●読解力テスト?内容に一致するものを選ぶ。
●書く技能テスト?自己紹介、求められた状況に合わせた会話文、手紙など。
次に4グループに分かれて、問題を分析し、出題者の目的を類推してから、出題者本人に問題についての質問をしたり、目的を聞きました。
目的として、以下の事柄が挙げられました。
●語彙力など総合的な知識を身につける。
●筆記テストでは、文法事項の定着を求める。
●資料を使いこなす(実用的な知識)。
●授業で習ったことを使いこなす応用力をつける→将来につなげる。
●自己紹介ができる。
●いろいろな問題の形式に慣れさせる(受験対策)。
さらに原山さんから、試験問題の作成と評価についての参考書が紹介されました。
□中村啓佑、長谷川富子、『フランス語をどのように教えるか』(第3章)(駿河台出版社)
□ Yves Loiseau, Régine Mérieux, Exercices de Grammaire française, cahier débutant et cahier intermédiaire, collection dirigée par A. Monnerie-Goarin, Didier/Hatier.
そして、試験問題、成績評価について、各自の取り組み、意見が発表されました。
●後期試験の答案を返却し、学生に復習を促している。
●なぜ、学校側は、試験期間中に試験をしてほしいと言うのかという問いに対して、授業時間を確保(特に月曜)するために試験は平常授業時間にするのではなく、試験期間内にしてほしい、という答もありました。
●慶応大学湘南藤沢キャンパスでは、担当の教員たちが問題を持ち寄り、採点も担当者がするので、点数の不公平がない。また、試験後に解答を配るので、フィードバックできる。
●授業に緊張感がでて、単位を取りやすいので、平常点や小テストも成績に含んだ方がいい。
●限られた試験時間では、話す能力のテストができないという悩みには、
授業時間内に会話のパターンを示して、試験をする
予習ができるし、時間を節約できるので、
前もって、状況とキーセンテンスを示し、
教室外に机といすを出して、試験をする。
などの解決策が提案されました。
●人数が少ない場合には、試験をしなくても、平常点で評価できる。
テストをしないかわりに、宿題(書き換えなど)を、毎回提出させ、学生同士で採点させる。出席を重視する。授業中、必ず一回は指名し、名前を覚える。
最後に、試験問題を作成する上で、気を付けていることとして、以下のことが挙げられました。
●まんべんなく、教えた文法事項にふれ、やまをかけさせない。
●目的、授業内容、学生のレベルにあった問題をつくる。
●教師の意図に合う答えを導くために、指示を細かくする。
今回、いろいろな試験問題を見せていただいたので、みなさんの斬新なアイディアを学ぶことができました。今後試験問題を作成する際に、活用したいと思いました。(Y.I.)
■ LIVRES CHOISIS
1. 高木善之『オーケストラ指揮法』(総合法令)
→オーケストラ指揮者の立場から、どうしたら人間を動かすことができるか、いい人間関係を作れるか、参考になる本です。(原山重信)
1. 国分康孝『教師の自学自習?カウンセリングを生かした「人間関係」』、瀝々社、1984年
→教師の仕事に生かせるカウンセリング技術を学ぶことができます。(田中幸子)
2. 竹内敏晴『ことばが劈かれるとき』、思想の科学社、1975年
→著者自身の体験を通してことばを発する大切さが語られています。(鵜澤恵子)
3. F.Grosjean, A.Deschamps, “Analyse des variables temporelles du français spontané I et II”, ( I, Phonetoca 26, pp.129-156, 1972, II, Phonetoca 28, pp.191-226, 1973に収録)
→音声学における無音のポーズ(間)の研究で、発音教育の出発点。(井上美穂)
4. Ça m’intéresse.
→フランスの文化・社会を何でも扱う総合雑誌、Document authentique として便利。(飯田良子)
5.三田誠広、香取草之助、安岡高志、滝本喬、生駒俊明『授業を変えれば大学は変わる』、プレジデント社、1999年、
中村啓佑、長谷川富子『フランス語をどのように教えるか』、駿河台出版社、1995年、
藤田裕二『フランス語教授法の現在』、玉川学園学術教育研究所所報No31、
→日本における現状を知る意味で、教育に携わる者の出発点としての必読書。(原山重信)
6. 竹内敏晴『からだ・演劇・教育』、岩波新書、1989年
→表現行動としてのからだとこころの関わりを知るうえで興味深いもの。(根岸純)
7.鈴木孝夫『日本語と外国語』、岩波新書、1990年
→文化による世界観の違いを知り、言葉を学ぶ姿勢を養う点で学生に薦める本。(佐合桜子)
8. Claude LEBLANC Le Japoscope 2000, Editions Ilyfunet, 2000
→フランス人の日本観からフランス人の思考回路を学ぶDocument authentique。(土屋良二)
●ジャンルは問いません。掘り出し物、必読書何でも結構です。教師としての活動を実りあるものにする文献目録のために今後もご協力下さい。(R.T.)
●今回ここで紹介した本について、すでにお読みになっている方からのまた別の評や、いつも例会にいらっしゃることのできない方も推薦書をお知らせください。ニューズレターで紹介いたします。
タイトル
著者
出版社、出版年
内容紹介(2行程度)
紹介の理由(2行程度)
■Péka Info
次回のお知らせ
次回のPéka は...
6月10日(土)14:30
(会場は19:00まで利用可能)
明治大学
リバティタワー 8階
1082教室
(お茶の水駅下車、お茶の水橋口を出ると
すぐに左手に見える周辺でいちばん高い建物です。)
(1) 「試験問題と成績評価を考える」
原山重信さん
(2) おすすめの本や記事紹介
ご自慢の(!?)の試験問題を
ぜひお持ちください。
皆さまのご参加をお待ちしています!!
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