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NO.53 |
タイトル:発音を習ったことがありますか
担当者:鵜沢恵子
テーマ:実践、発音
キーワード:発音指導法、発音矯正、Cafe Creme、会話練習
タイトル:志賀高原スタージュ参加者制作ビデオの上映
担当者:井形和正
テーマ:研修
キーワード:志賀高原スタージュ、ビデオ
タイトル: シンガポール夏期大学報告
担当者:西山教行
テーマ:研修
キーワード:UPAS、言語政策
Péka Pédagogieを考える会
NEWSLETTER 53
le 02 décembre 1998
〒l02-8554 東京都千代田区紀尾井町7-1
上智大学外国語学部
田中幸子研究室 tél.03 3238
3742
郵便振替口座00120-1-764679 PEKA
■例会報告1
発音を習ったことがありますか (鵜沢恵子さん)
3?4人のグループに分かれてから、2人の学生(大学1年)の会話練習のテープを聞き、どこが間違っているか話し合った。
[Café Crème 1](p.57)
<Chez le médecin>
Le médecin : Bonjour, mademoiselle.[テキストではmonsieur]
Le malade : Bonjour, docteur.
Le médecin : Asseyez-vous. Alors...
Le malade : Je ne me sens pas
bien. J'ai mal à la gorge, j'ai mal à la tête
et j'ai de la fièvre.
Le médecin : Ouvrez la bouche.(...)
Bien. Ce n'est pas grave. C'est la grippe...Euh...Restez chez
vous...Voilà.
Prenez deux comprimés avant le repas.
Le malade : Combien de
comprimés, docteur?
Le médecin : Vous en prenez deux
à midi et deux le soir...
Le malade : Merci, docteur.
間違っている点として、 [3],
[■], [u], [■], [R], イントネーションが挙げられた。…次に、指導法として、次のような例が挙がった。
●間違った例をまねてから、お手本を示す
●テープを分析して、同じように言わせる
●教師のまねをするように言う(←教帥が側にいないと正しい音を発音できなくなる。)
きらに、それぞれの問題点をどのように直すのか、グループごとに話し合ってから発表して、参加者全員で検討し、以下のような意見がでた。
●[3] Bonjour/je
英語の[d3]と比較する、音を伸ばしてみる、舌先を上あごにも下の歯の裏にもつけない、やわらかく発音させる(弱い音)
●[■] mademoiselle/mal à la tête
テープでは、英語風の発音になっている、舌が上がったり、硬くなるため、その後の音を出しにくくなる
●[u] Ouvrez la bouche/vous
力の入る位置に[u]もっていく、
命令文(文頭)や疑問又(文末)[例:Et vous?/Tu vas où?]だと日本人は力を入れやすい、口の形や舌の位置を教える、口を突き出す、口角を緊張させる、舌をFの歯の裏より下につける。弓を引くポーズをとる、前の音によって発音しやすい音から練習させる、鈍い感じで低くて暗い音だと説明する
●[■] Je ne me sens pas bien/Bien
[■]を言わせてから、口を動かさずに[■]に導く。舌が上についてしまっていたり、舌の後ろに力が入っている場合は、舌の前に、押すように力を入れるように指導する
●[R] grave/repas/soir
舌の先を上げずに、力を入れるように(下あごのどこかに付けばいい)と指導する。息を吸う人がいるので、
息を出すようにと指導する、語頭は息が出やすい。語末は[u]がつきやすい、語末の方が、力を抜く直前なので発音しやすい、@言頭、A母音+r+母音、B語頭の順序で練習させる
●イントネーション
一本調子になりやすい、間違いを指摘しないでテープを、聞かせる、本人に自分が吹き込んだテープを聞かせて、気づかせる、リズム・グループの後ろが強いと教える、前置詞や冠詞など、それ自体に強い意味がない単語では、下がる、<e>を強く発音するため、こまぎれに聞こえる(例:Je ne me sens pas bien)ので、<e>を、アクサン付きかen以外は文中でも読まないと指導する
以上のように、どのように発音を直すかについて、参加者一人一人の独自(秘伝?)の指導法が発表され、とても参考になりました。また、プリント(雑誌«REFLET»
No26より)を配付され、会話練習をさせる際の指導法が紹介されました。
●ディアローグを読ませる前に、注意点を前もって言う。
●2人組になって、それぞれ(テキストを持っている黒子付きで、会話させる。すると黒子役が、きちんと話そうとするし、聞き役も、きちんと聞こうとする。
●演出家と役者二人という設定で、演出家の指示どおりに演じさせることで、学生に考えさせる。
●ディアローグを1文ずつばらして、各自に渡し(reconstruction)、相手に自分の文章を言って、つながり具合を確かめていくので、正しく言おうとする。
●全文を、けんかロ調/悲しそうに(ジェスチャーから始める)言わせる。
●設定を決めて、読ませる。
●繰り返し、音を出させながら、指摘していく。まず、音を探す(鼻母音、アンシェヌマンなど)。
●指で輪を作ったり、足踏みをしたり、手を叩いたりして、体を動かす。
以上のことは、「自分で作った文は、自分で読める」→〉「自分の理解できる文章は、自分で読める」ことを目指している。
(Y.I.)
■例会報告2
志賀高原スタージュ参加者制作ビデオの上映 (井形和正さん)
今年の志賀高原スタージュの「映像とFLE」の授業で、制作されたビデオが上映されました。
前回の例会で、井形さんが報告してくれたように、まず、5つのグループがグループごとにストーリーをつくって撮影し、次にそれらを21つのストーリー、1本のビデオに編集したそうです。内容は、ラブサスペンスとサンドリヨンのパロディで、井形さんや左合さん、武田さんたちの名演技とJacquetさんの見事な編集によって、とても面白く仕上がっていました。脚本を共同作業でつくり、感情を込めて演技しているので、学生たちにグループワークさせる時の良いお手本になると思いました。
(Y.I.)
■例会報告3
シンガポール夏期大学報告 (西山教行さん)
シンガポールで行われたUniversité d'été francophone des pays d'Asie du Sud-Est (略してUPAS)の報告でした。
フランスで行われるセミナーと比べると、このセミナーには次のような特徴があります。まず第一に、参加者がアジアに限られている点で、日本ほかアジアの9カ国から22名が参加しました。第二に参加者の職業ですが、そのほとんどが大学教師です。第三に講師陣(15人)の構成ですが、半数がfrancophoneではないという特徴があります。
そして、もっとも際だった特徴はこのセミナーの内容で、フランス語教育に直接関わるものではないという点です。今回のプログラムは、Politiques
de l'identité culturelle、 L'interculturel : langue et
littérature、 Problématiques de l'identitéの3項目で、一言で言えば、「アジアの国のidentitéについて、アジア人が、フランス語を共通言語として語るセミナー」ということになります。この点に関して、「英語を共通言語として同じような問題が話し合われる通常の場合と比較して、相違点が出てくるかどうかが興味深い」という意見が会場から出されました。
(M.I.)
■Péka Info
忘年会のお知らせ
今年も早くも忘年会シーズンです。白井さんがお忙しい中を設定してくださいました。紙面の関係で詳しく紹介できないのが残念です。出席の方(忘年会だけも歓迎)は急いで下記のお2人のどちらかにご連絡下さい。
●日時:1998年12月12日(土)18時30分
●会場:「辣辛房(ラシンファン)」
千代田区麹町6-6
東急ビル地下1階tél.03
3239 1316
●会費:6,000円(料理3,800円+ドリンク)
●参加者連絡先:
・E-mail:田中幸子さん
・電話・ファックス:白井春人さん
●連絡締切日:12月8日(火)
(H.N.)
次回のお知らせ
●日時:1998年12月12日(土)14h30?17h30
●会場:上智大学四谷キャンパス6号館311教室
●テーマ:文法の授業を考える(根岸純さん)
1年目のフランス語一一高校フランス語コースの実践報告一一(井形和正さん)
なお、井形さんの発表は、Café crème 1が手許にあるとより理解が深まるとのことです。
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