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NO.48 |
タイトル:みんなでPékaを評価しよう(続き)
担当者:善本孝
テーマ:構成、評価
キーワード:活動評価、提案
タイトル:97年BELC夏期研修報告第二弾 『Exerciceの類型論』
担当者:片山貢
テーマ:研修
キーワード:BELC、練習問題、難易度
Péka Pédagogieを考える会
NEWSLETTER 48
le 08 février 1998
〒102東京都千代田区紀尾井町7-1
上智大学外国語学部
田中幸子研究室 tél.03 3238 3742
郵便振替口座00120-1-764679 PEKA
■例会報告1
みんなでPékaを評価しよう(続き) (善本孝さん)
東京は暖冬の予想に反して雪が降り、France2のニュースでも取り上げられるほどの騒ぎになりましたが、皆様はいかがお過ごしでしょうか。昨年末、忘年会に先立つ(?)例会では前々回に課題として残された例会の年間計画についての調整と片山貢さんのBELC研修報告が行われました。
前回の例会で宿題になったPékaの年間の日程と活動テーマを決めました。
98年度の日程は
98年 4月18日
6月20日
9月26日
10月24日または31日(決まり次第お伝えします)
12月12日
99年 2月20日
の6回となりました。
前回のニューズレターでお知らせしたとおり、例会の構成は通年テーマに関するものと各自持ちよりの自由な題材の2部からなることになりましたが、その通年テーマについては、英語圏の教授法、sociolinguistique、 psycholinguistiqueといった新しい視点を探求しようとするものと、発音、評価、approche commmicativeのなかでの文法、年間計画や進度のコースデザイン、LLの活用法、observation de classe、グループワークの可能性などの具体的なものが挙げられました。それぞれに興味深いものばかりで意見集約は容易ではありませんでしたが、結局、「発音」を今年度の出発点として、例会で考えていこうということになりました。お互いの内なる経験を共有すると同時に、内に閉じこもらずフランス語教育以外の世界からも新たな知識や技術を吸収していこう、と言うと何やら大げさですが、Pékaの一層の飛躍に向けて思いを新たにした次第です。
(R.T.)
■例会報告2
97年BELC夏期研修報告第二弾
『Exerciceの類型論』 (片山貢さん)
片山氏が、この夏BELCの研修にて参加した<<module(簡単に言えぱ「授業」)>>の3/4がexerciceと関わるものであり、そこで得た経験・知識などから、氏は、教科害選びの目安としてexercice分析を提案した。この分析によって、教科書の方針、進め方の形態が見えてくるからである。実例として、氏は「自身が今年の授業で用いている、フランスで作られた教科書」を分析した。配布プリントを用いて具体的に示された手法を、順を追って簡単に紹介しよう。
1) まず、件の教科書の裏表紙に書かれた内容紹介文にある、<<A la croisée des approches>>という表現から、編集方針が、様々な教育法の折衷案であることを指摘。<<apprentissage par tâhes>>から、多くの練習問題をこなしていくタイプの教科書として推定。さらに、<<une progression [...] où les acquis sont constamment repris et élargis>>とはprogression [en] spiraleであることが了解される(このとき、氏が黒板に描いた螺旋図に関して異議が出され;「螺旋形態の進み方」の定義・実例に関して討論があった)。
2) <<Premiers contacts>>の課の「大見出し」に着目し、課の構成を把握。compréhension oraleとexpressionsが重視されていると言う。
3) 同課の「中見出し」からは、「訓練entraînement」の項が適度の間隔を置いて頻出。
4)「文法」や「発音」などの分野別の指摘まで含めた「見出し」に目を向けると、それぞれの分野の練習問題がバランス良く配置されていることが分かる。ここまでだと、この教科書に欠点は見られない。
5) しかし、「具体的な設問」まで考慮すると、「練習問題が、回を重ねるにつれて、難易度が上がってい」ないことが判明(練習問題の難易度について、片山氏はMagraner, Taglianteの分類を提示)。発音の練習問題は、「単音聴解」でマルバツ式のものが繰り返される。一方、expressionの練習問題は、いきなり<<présentez-vous selon le modèle>>が出てきてしまい、文法知識も要求され、上記の発音の練習問題とあまりに違う。この二種類の練習問題が続けて出てきてしまうことに片山氏は戸惑いを覚えたという。
そこで氏は、「悪口を言っても仕方ない。万能・理想的な教科書などありはしないのだから、改善策を考えるべきだ」とし、我々に具体的な解決案を示さずに、我々自身が実際に「他の教科書を練習問題から検討して、その特徴、欠点と改善策を論議するグループ・ワーク」に入るよう指示。日本で作られた教科書1点とフランスで作られたもの4点が、それぞれ第3課の練習間題から検討された。
様々な指摘・改善案が提出された。Magranerの分類に適っている教科書。片山氏が分析したものと同じ特徴を持つが、練習間題の順序を変えることで、どうにかなりそうなもの(この点に関しては、「難易度の低いものから高いものへ移っていくことが必ずしも良いとは限らない」という意見もあった)。練習問題が多様でバランスのとれているもの。いわゆるtexteが無く、テーマ、練習問題のみで、教師主導方、なおかつ残ritの比重が少ないもの。Doc.A(言語学習用に作られたものではない資料)が教科書に出ていても、使い方が示されてなかったり、「螺旋形態の進み方」でもないもの。
このように片山氏は、我々一人一人がそれぞれの教科書に体峠した際に取る態度・改善案の出し方を実習させた上で、練習問題同士の難易度が極端に違う場合、一解決策として、教師自身が練習問題を作ってしまうことを指摘し、参考書としてFabriquer des exercices de français, Evaluation (surtout, 3)を挙げた。
以上、「練習問題という視点で教科書を眺め、教科書作りの奥深さをかいま見ることによって、ただ教科書の悪口を言うのではなく、在るものをできる限り有効に利用すること」に気付かせてくれた片山氏に、そして共にグループ・ワークをすることによって様々な視点を提供してくれた参加者の皆さんに深く感謝いたします。当り前のことですが、教師の教科書理解の深まりが、より良き授業の糧となることを願って筆を置きます。
(T.Y.)
■Péka Info
年間スケジュール
例会報告にもありましたように、来年度のスケジュールが決まりました。あらためて報告させていただきます(け、決してスペースを稼ぐためではありません)。ただし、第4回(10月24日)に関しましては、学会と重なることが判明しましたので、変更になります。1週間後ろ(10月31日)にずれる可能性が高いのですが、次回の例会に諮った上、改めてお知らせいたします。会場は早速田中さんが第5回まで確保してくださいました。
日程(いずれも14h30開始です):
第1回:1998年 4月18日(土)
第2回: 6月20日(土)
第3回: 9月26日(土)
第4回: 10月24日(土)
(10月31日に変更の可能性濃厚)
第5回: 12月12日(土)
第6回:1999年 2月20日(土)
会場:
上智大学四谷キャンパス6号館311教室
(第6回に関しては未定)
(H.N.)
■Péka Info
住所録データについて
今年も例年のように次号のNewsLetterと一緒に住所録をお届けしたいと考えています。なるべく最新の正確なデータをお知らせしたいと思いますので、恐縮ですが、昨年以降変更・追加があり、まだお届けいただいていない方(とりわけこの時期は勤務先が変更になる方がいらっしゃると思います)は、お手数ですが下記宛てご連絡下さいますよう、お願い申し上げます。新郵便番号に関しましてはこちらで対応いたしますので結構です。なお、最近はどこでもプライベートデータを含む名簿や住所録の取り扱いには慎重になっていると思います。みなさんもくれぐれも取り扱いにはご注意下さい。なお、何らかの理由でどうしても住所録に記載を望まない方がいらっしゃいましたら、その旨お申し出下されば考慮いたしたいと思います。
住所録追加・変更連絡先
野池宏美
(H.N.)
次回のお知らせ
日時:1998年2月21日(土) 14h30?17h30
会場:上智大学四谷キャンパス6号館3階311教室
テーマ:最初の授業をどうするか (大塚志乃さん・北見秀司さん)
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