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NO.47 |
タイトル:みんなでPékaを評価しよう
担当者:田中幸子
テーマ:構成、評価
キーワード:活動評価、提案
タイトル:BELC研修報告
担当者:山崎俊明
テーマ:研修
キーワード:BELC
Péka Pédagogieを考える会
NEWSLETTER 47
le 03 décembre 1997
〒102東京都千代田区紀尾井町7-1
上智大学外国話学部
田中幸子研究室 tél.03 3238 3742
郵便振替口座00120-1-764679 PEKA
■例会報告1
みんなでPékaを評価しよう (田中幸子さん)
朝晩冷え込みが厳しくなってきました。皆さんお元気でしょうか?風邪に苦しんでいる方も多いのでは?今回の例会はそうなる前の健康診断、前回先送りとなった「Pékaの評価」に多くの時間が割かれました。まず、持ち寄ったアンケートをもとに4グループに分かれて意見を集約し、それをもとに全体で話し合いましたが、意見は尽きず、後半に予定されていたBELC夏季研修報告が一部次回に延期になるほど。Pékaは今どうなっているのか、これからどうすべきなのか問題点を以下にまとめてみました。
1) 新入会員に対して:
最近は新しいメンバーがあまり増えていません。それはなぜなのか、その理由を考えることがまず出発点となりました。例会ではaccueilの役割を果たすもの(受付や名札)がない、場所がわかりにくい、初めて来た人は入りにくい、sympaな雰囲気はいいが、仲良しクラブ的になっていないかなど、現状の問題点が次々に指摘されました、対策としては、会場の入口がよくわかるようにする、新しく参加した人の紹介、メンバーの自己紹介は毎回する、各自の職場で同僚や知り合いにも積極的に声をかけようといった意見が出ました。
2) Pékaの紹介・宣伝活動について:
会員数の頭打ちの理由のひとつに宣伝不足が指摘され、学会誌や『ふらんす』に年間日程と会場の通知を出してはどうかという案、Pékaの紹介カードを作ってJournée pédagogiqueで配る、あるいはEDFJに挟むという案、ホームページを作るという案が出され;紹介カードほすでに実行に移されています。
3) NewsLetterについて:
例会と並んで会員とのコミュニケーションの場であるNewsLetterについては、編集担当と送付担当に分割して発行手続きの負担を軽減するべきだとの意見が出ました。また、財政難の折から、読まれていないところに送る無駄をいかに減らすかという課題もあり、年間送料を頂いてはどうかという案も出されました。ただし、その場合は紙面の充実も必要で、投稿記事、コラムといった形で、例会に参加できない会員のための交流の場を設けるという点に開心が集まり、他にも授業で使った教科書の感想、言語教育一般に関する新刊紹介、海外留学・研修中の会員からの近況報告など可能性が大きく広がりました。また、会員以外の多くの人の眼に触れるには日仏に寄付して閲覧室に置いてもらってはどうか、やはりホームページがよいのではないかという意見も出され、検討課題となりました。
4) ホームページについて:
上記のような理由からホームページ作りはにわかに具体性を帯びてきました。もっとも、会員のなかでメールアドレスを公表している人は20名弱で果たしてHPの実効性があるのか危ぶむ声もありましたが、HPを作ることで逆に会員のネット参加が高まる可能性もあるとして、まずはプロジェクトチームを作り、すでにHPを持っている団体を参考にして検討することになりました。
5) その他のプロジェクトについて:
Pékaは例会が活動の中心ですが、今後はさらに広く例会外に情報交換の場を広げていけないかという問いかけに対して、各自が持っている或いは所在のわかる資料・書籍・授業クリップの紹介、リストアップをする資料センターのようなものを作る、共同研究や翻訳はどうかといった案が出され、先のNewsLetterのメールリスト、ホームページと並べて複数のプロジェクトチームを立ちあげようという点で意見が一致しました。
6) Observation de classeについて:
教育法セミナーで行われている授業見学を会員の間に拡大してはどうかという意見に対して、授業見学は個人的にはすでに行われているが、それ以上に個人の情報公開は本当に必要なのかという異議が出され、何かの目標を定めて互いに観察し、結果を持ち寄るのは有効だという点で一致しました。
7) 例会について:
例会に関しても、実践報告に重点を置く現状から一歩踏み出して、リサーチや理論学習の強化を図ろうという意見に対して、決められた本を予め読んできて意見を持ち寄る勉強会を開いてはどうかという案が出されました。また、例会の構成も通年のテーマを決めて2部構成(前半は通年テーマ、後半は自由、各自持ち寄り)にすることで意見が一致しました。テーマとしては、発音に関して考えていること・困っていること、教育工学に関する本の報告・読書会、授業見学などがあがりましたが、具体的には年内最後の例会で翌年の年間の日程とテーマを決める話し合いを行うということになりました。
8) Pékaの在りようについて:
例会に留まらずさまざまなプロジェクトを立ちあげようとしているPékaは活動の場を変えようとしています。その意味でも組織面の再考は是非必要になってきました。
まず、新入会員の項でも見たようにPékaは現在、性格がぼやけているという指摘に対して、そもそも学会など堅い組織に入りきらない曖味な部分をフォローするのがPékaの役割だ、現在はカンパによるボランティアが活動の基盤であり、会費制など明確に組織化しない限り、今後人が来なくなったら解体するしかない危うい状態にあるが、自由意志で出入り自由にしておくのがこの会の長所でもあるのではないかという意見が出されました。
また、初期の目的は達成して次の段階に入ったのかという問いかけに対しては、この会をなぜ始めたのか、あるいはなぜ会に参加したのか、メンバー各自にとっての会の位置づけがなされました。創設時からのメンバーはPékaを語学教育改革のための自由な発信・発言の場と考えているのに対し、後から参加したメンバーはそのような情報の発信源であるPékaを学びの場と捉えており、会に対する姿勢の微妙な違いが明らかになりました。学ぶ側と教える側に別れる教育の発想を変えようというのがPékaの出発点であり、その意味でメンバーの誰もが学ぶ者であると同時に教える者でもあること、受信者であると同時に発信者であることを再確認しました。
以上が話し合いの概要です。具体的に決定された事項は多くありませんが、Pékaがこれからどのように進んでいったらよいのか方向を決めていく出発点にはなったと思われます。今後、ここで出されたさまざまな提案を如何に具体化していくか、メンバーの皆さんのお知恵をお貸しください。誰もが自由に発信できる場がPékaなのですから。
(R.T.)
■例会報告2
BELC研修報告 (山崎俊明さん)
Pékaの評価が長引いた関係で、時間が不足し後半は予定されていた研修報告のうち、片山貢さんのExerciceの類型論は次回に延期、Texteと読書に関する山崎俊明さんの報告だけが行われました。
山崎さんは参加したBELC研修の中からMarie Laure POLETTIの講座について紹介してくれました。この講座はすでに1993年度のBELC研修報告でDominique PESCHARDさんが伝えていますが(EDFJ 3, 1994, p.52-57)、今回は特にtexteと絵の関係に注目しています。
講座はlectureの授業の教材に関するもので、ここではフランスの中学校(Classe 6e)で実際に使われているでLittérature de jeunesseが取り上げられました。その理由には、texteがDocuments authentiquesであること、原典を平易に書き換えたもの(français facile)でないこと、物語が短いので本全体を使えること、文学への橋渡しとなること、その視覚的要素はactivitéに活用するのに優れていることなどがあげられました。
そこでactivitéの1例として次のようなTPを実施。
まず、ペア分けのための作業として、一人一人にこれらの本の表紙の絵或いは内容を示す2?3行の短いテキストが渡され、絵を持っている人とテキストを持っている人がお互いに対応する相手を見つける作業をします。絵に描かれたものとどのテキストが一致するのか、相手を探し、読み合わせるだけでも挙生にとっては勉強になりそう。
次に、こうしてできたペアをまとめて2つのグループに分け、集まった3?4枚の表紙の絵に掲げられた本の題名を織り込んで物語を作るという
作業。これも脈絡のない言葉から物語を作る楽しみとそれを発表する喜びというécrit, oral両面で刺激になることでしょう。渡された絵はカタログからカラーコピー、しかもパウチされてカード化されており(山崎さんのアイデア)教材作りの工夫にメンバーから感嘆の声が上がりました。
ただし、Littérature de jeunesseを教材として使う場合の注意点は次の通り。1)イラストはリアルすぎない方がいい。特に日本人の美的感覚として抵抗感のあるものは避ける。2)話の内容は簡単な方がいい、3)童話のもじりなどintertextua1itéのあるものの方が授業の展開がしやすい。4)授業外でも興味があればいつでも本を貸し出せるようにしておくこと。
また、Littérature de jeunesse以外にも現代美術の絵画作品を見せ、色だけに注目してコメントさせたり、アポリネールのカリグラムのように文字で絵を描かせる(ex。Le Colporteur des images)といった方法が紹介されました。
以上、報告はlectureの授業を活性化するのに大変示唆に富んだもので、TPも大いに盛り上がりました。興味深いactivitéをもっと紹介して欲しかったのですが、時間がなかったのがなんとも残念でした。
(R.T.)
■Péka Info
忘年会について
今年も早くも忘年会の季節になりました。今回は先のミーティングで設立された片山貢さんをはじめとした「Péka忘年会設定委員会」(ホンマかいな^_^…)の血の滲むような調査活動の結果、下記のように決まりましたので、お知らせします。
四谷の駅から外堀通りを上ったあたりのブラジル料理店だそうで、委員会の公式声明によりますと、「プラジルのコロッケとかステーキとかが出ますので、女性の方にもよろしいかと思います」ということです。
忘年会だけ参加の方(大歓迎です)も迷わず行けるようにと、片山さんがもったいないくらい綺麗な地図を描いてくださいました。これはもう参加しないわけにはいかないのではないでしょうか、
なお、予約の都合上人数を知らせなくてはなりませんので、ご出席の方は12月9日までに片山さん(下記の連絡先参照)までご連絡ください。
日時:1997年12月13日(土) 例会終了後(19時頃から)
会場:Saci pererê
新宿区本塩町9
光丘四ツ谷ビルBl
tél.03 3353 7521
会費:5,OOO円(ドリンク2杯つき。それ以上のドリンクは個人負担)
参加者連絡先:片山貢さん
連絡締切日:12月9日(火)
(H.N.)
次回のお知らせ
●日時:1997年12月13日(土)14h30?17h30
●会場:上智大学四谷キャンパス6号館3階311教室
●テーマ:みんなでPékaを評価しよう2(田中幸子さん)
BELC:夏期研修報告2
Exerciceの類型論(片山貢さん)
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