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NO.31 |
タイトル:基礎表現復習クラスでやっていること 楽しく学んでごめんなさいね!
担当者:飯田良子
テーマ:実践、練習
キーワード:復習、コミュニカティヴ、ゲーム、créativité
Péka Pédagogieを考える会
NEWSLETTER 31
le 05 avril 1995
〒102東京都千代田区紀尾井町7-1
上智大学外国語学部
田中幸子研究室 tél.03
3238 3742
郵便振替口座00120-1-764679 PEKA
■例会報告
基礎表現復習クラスでやっていること?楽しく学んでごめんなさいね!
データ:学習対象者は、日仏学院の成人学習者17名(主婦が大多数)。NOUVEAU SANS FRONTIÈRE の2冊めを終え、およそ学習時間は400時間、学習目的は''趣味"という人が主で、あとは仕事のための人が若干名。授業中の使用言語はフランス語。
「NSFの2巻めまでやったけど、ぜんぜん消化しきれていない」、「何も覚えていない」、「上のniveau
には行く自信がない」、「NSFの3巻は字がぎっしりだから行きたくない」...「だから、NSFの1と2の復習クラスを作って!」
というわがまま(?)な声に答えて、優しい飯田さんが作ったのが学習者の望む通りの「NSF実践クラス」classe
d'app1ication (以下、CAと略)。「今まで習ったことを使ってみよう」、「覚えたことはこんな所にも使える」を目的としたこのクラスは、当初、1学期だけの予定でしたが、学習者の熱烈な要望に押されてもう一学期続行となりました。
さて、CAの授業内容ですが、学習時間は(100分X週2回)Xl1週間。この間に、学習者たちに、NSFで今まで習って来た日常会話、新聞などで使われる様々な表現や文法事項、単語の"実践"と"応用"を体験してもらいます。そもそも、復習を目的としているクラスですから、敢えて、新しい教材を使用せず、共通事項としてあるNSFの枠内での単語や表現を最大限に利用していきます。したがって、教材は飯田さん作成のプリントと学習者の創造(想像)力となります。
限られた時間で効率よく復習するため、飯田さんは、NSFの目次をチェックリストにして学習者の弱点を取りだし、まとめます。これで、学期内の学習テーマを決めるわけですが、学習者があるテーマに強い関心を示した場合は、そのテーマをもう少し続けることもあるという、非常に柔軟なプログラムになっています。1学期間、取り上げられたテーマおよびそれに付随する学習目的は次の通りでした。
1.Présenter/se présenter
一人物描写・好みをいう・(人物)批判する
一間接話法・疑問形・疑問文
一Je pense que.../je trouve que....
一新聞記事を使ってのanaphore/cataphoneの発見
2.Décrire une démarche
?どういう風にやっていくか
一指示代名詞
一D'abord, ensuite, enfinなどの単語の復習
一原因と結果の因果関係
3.Décrire un objet
一外観、色、素材、用途、他のものとの比較
一C'est une sorte de.../c'est
comme...; Ça ressemble à...
4.Comparer
一比較する(文化的なもめも取り入れることができます)
このクラスの授業は''ゲーム形式"で進行します。これによって、学習者全員が積極的に授業に参加せざる得なくなる上、自然にコミュニカテイブなグラスの雰囲気を作り出してゆきます。授業の最初に、その日のテーマに関連する単語や表現の復習プリントをその都度配るので,語彙不足による"だんまり"はありません。
ペカの例会では、出席者全員がグループに分かれ、飯田さんのガイドのもと、各グループ1テーマを選び、テーマに沿ったゲーム作りに挑戦しました。各グループが発表した後、飯由さんが実際にクラスで使ったゲームを紹介しました.字数の関係で飯田さんのゲームのアウトラインだけをご紹介します(番号はテーマを指します)。
1. 一参加者全員がエキュソン(家紋でもよい)の専門家になり、自分のエキュソンを作る。そして、他 の人のものを分析して性格をいってもらう。最後に、本人に解説してもらう。これはなぞなぞっぽい所が受ける。
一17名全員が互いに質問を作り、相手に渡す。もらった方はその中から3つ選んで答える。
一文3つで自己紹介をする。その中に1つだけ本当でないことを入れておく。他の学習者は質問をしてそれを暴く。これは辻棲を合わせるのがたいへんそう!
一グループに分かれて話し合い、お互いの共通点をみつける。その後、他のグループにon/nous
2. ゲーム『ブリッジ』:渡されたリストに基づき、ブリッジのテーブルについている4人に関する情報を整理し組み立て、表(fig.1)に記入する。どういう順序理由で埋めていったかを説明できなければならない。
3. 日本古来の物で、しかも固有名詞が入っているものを紹介してもらう(例:五ヱ門風呂)。人物説明も入れ、辞書のdéfinitionに近いものを目指す。曖味な説明では駄目。この時、rédaction
のプロセスを教えてもよい。
4. スタイルの比較。9脚の椅子の絵(fig.2)を見せて、古いと思う順に並べさせ、その理由も言わせる。
その後、教師は各時代の椅子のスタイルの特徴を読み上げ、学習者に白己訂正させる。最後に正解を発表し、どうして間違えたのかなどを話し合う。この際、ドレスの裾の形と椅子のデザインの関連性等、文化的なものを導入することもできる。
「え?どうすればこういうゲームが思い付くのか、ですって?これはfrançais
spécifiqueがヒントになっているんです。とにかく、ゲーム性の高いもののほうが、学習者の乗りがいい。今日紹介したゲームだって、日本語でもやりたくなるでしょ。やりたくなるようなものを入れるとうまく行くのね」と、飯田さん。事実、私も発表そっちのけでゲームしてましたっけ。ところで飯田さん、『ブリッジ』にでてくるジャックの欠点は"おっちょこちょい"で正解でしょうか???
(A.N)
fig.1
fig.2
■Péka Info
御寄附報告
中川努氏御遣族、中川朋様より1995年3月22目付で50万円の御寄附を頂きました。
この御厚意に答えるためにも、Péka及び会員それぞれの活動の尚一層の充実が望まれます。がんばりましょう。
(鵜澤)
■Péka Info
会計報告
1994年度の会計報告は次のとおりです。なお、1994年度はセミナーが行われませんでした。
御存知のように、自由な活動姿勢を保持するためPékaでは独立採算を目指しています。1995年度も会員の皆さんのカンパをよろしくお願い致します。
(会計係 鵜澤)
■Péka Info
次回のPékaについて
次回は白井さんの報告の後、今後のPékaのあり方についてみんなでアイディアを出し合う時間を特別に設けようということになりました。奮ってご参加ください。
(H.N)
次回のお知らせ
●日時:1995年4月15日(土) 14h30?17h30
●会場:上智大学四谷キャンパス7号館11階第2会議室
●テーマ:Rencontre参加報告(白井春人さん)
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