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NO.22 |
タイトル:夏期stages報告
担当者:左合桜子・Domimique PESCHARD・鈴木文恵・荻野雅子
テーマ:研修
キーワード:ストラスブール、BELC、creativite
ヴィシー、CAVILAM、ゲーム
Pédagogieを考える会 NEWSLETTER 22
le 15 octobre 1993
■例会報告
夏期stages報告(1)
さて、趣向を変えて(?)暁星学園高校で行われた"ペカ秋の例会"第一回目は、ご存じ夏期stagesの報告。
最初に,左合桜子さんとDomimique PESCHARDさんのお二人が、ストラスブールで行われたBELC(Bureau pour l'enseigmement de la Langue et dela Civilisation françaises à l'étranger)のスタージュ(以下、BSと略)を、つづいて、鈴木文恵さんと荻野雅子さんのお二人がヴィシーCAVILAMで行われたスタージュ(以下、VSと略)を、それぞれご報告くださいました。
1)「とにかく、きつかった」と、あの左合さんがおっしゃられるだけあって、報告を聞くだけで、自分がスタージュした気分になれる内容たっぷりのBS。
プログラムでは一日4モデュールまでとれることになっているが(1モデュール=2時間)、オプション、映画等をこれに加えると何と一日10時間以上のactivités になるという、まさにFLE師養成所(とらのあな)!
今回、"多様すぎてどれを取ったらいいのか分からなかった。消化する時間がまったくなかったほど"とあの左合さんに言わしめた盛り沢山のBSプログラムの中から、特に学習者のcréativitésを重視したモデュールに出てきたテクニックをご紹介いただきました!
?口語フランス語のためのthéâtralisation
一小説等を授業に組み込む為の様々なテクニック(テキストを意味の通るように所々塗りつぶして"分かりやすい"ものにしていくcaviardage...)
一学習者に書き言葉を自由に創造させる為の"RECETTE DE CUISINE''("CADAVRE EXQUIS''のヴァリエーション)一一これは料理の作り方に出てくる動詞を取り出してマトリスを作り、それを使って料理以外の分野のrecette(?)を創作させるもの。例えば"recette d'un film d'horreur: Prenez trois cadavres bien frais, battez et par la suite, fouettez jusqu'à ce que le sang devient bien lisse et onctueux...."といった具合(うう、書いていて気持ちが悪くなりました)。
行き詰まりを感じる教師(私だけ?!)の視野を一気に広げ、購読の授業もコミュニカティヴでありえるのだと再認識させられるrapportでした。
BELCスタージュ・データ
参加者 289名(内フランス人103名)
47ヶ国(ルーマニア、CEI等からの参加者多し)
年齢層 平均すると40代前半と思われる
期間 約1ヵ月
講師陣 BELC, CIEP, ストラスブール大学の先生及ぴFORMATEURS
授業時間 一日平均10時間
費用 登録料 6400F
滞在費 3250F (食費&寮費)
その他 220F Excursions
計 9870F (渡航費は合まず)
2)「(左合さんたちには申し訳ないけど)とにかく楽しかった」と、鈴木さんと荻野さん。VSのストラクチャーについては、昨年、善本孝さんがアウトラインを紹介済みという事もあって、お二人の報告は延べ10時間にわたって行われた''JEUX ET TECHNIQUES DE LA CRÉATIVITÉ"の授業に絞り込んだものでした。
この''JEUX ET TECHNIQUES DE LA CRÉATIVITÉ"の授業は、単なる理論の紹介に留まらず、スタジエールを学習者の立場に置き、実際に体験してもらうというものです。
例えば、担当講師とスタジエールの紹介もjeuの形で行われます。講師は''4 INDICATIONS MYSTÉRIEUSES'''(自分に関連のある4つの言葉を黒板に書き、その言葉に関するスタジエール達の質問に答えることで、自己紹介をしていくもの。講師も教師であることを意識させずにゲームに参加する)を、そしてスタジエール達は,各自紙に名前と性格的・肉体的特徴を書き、それを全部一緒にしてどれが誰のだか分からないようにしてから読み上げます。そして、読み上げられた人物を当てるというゲーム形式の紹介を体験します。こういったゲーム感覚の導入は、ともすれば退屈になりがちな"自己紹介"に活気を与えるばかりか、日常では使わないであろう言葉や、意味をなさない文や質問をふんだんに使うという不思議な状況を作り出してくれるのでした。
これでまず、"日常・常識・敷居・居心地の悪さ"を取り払い、創造性の発展及びコミュニケーションを取るための道具としてのゲームを体験させます。
この"紹介ゲーム"の他に鈴木さんと荻野さんが体験なさられたjeux の主だったものを挙げてみると:
?MARABOUT:MARABOUT - BOUT DE FICELLE - SELLE DE CHEVAL...と最後の音節を尻取りのように繋げていくもの。最初の言葉はMARABOUT.
一PTT, SNCPなど、ちゃんとした意味のある略字に、ちゃんとしてない意味をもたせる。例えばPetit Travail Tranquille ; Sur Neuf Cents Fainéantsとか。
一BINÔME IMAGINATIF :単語を二つあげて、文を作る。例えば、une poule とun fusil を使ってles poules se sont armées de fusils(何となくかあいい!).
一QUE PEUT FAIRE UN PROFESSEUR AVEC UN CROCODILE?:この質問に答える。(私なら石神井公園の池に放流しますが)。
一MOTS DÉCLENCHÉS:連想ゲームです。
JEU TÉLÉGRAMME:一つの言葉から、電報を作る。例えばPARISから、Papa Arrive Retard Imprevu Salut.
「何度も言うようですが、とにかく(授業が)楽しかったです。しかし、私たちが授業で使うには、レベルやJEUX の時間の割合が問題になると思います。夏休み、学園祭と言った時期に使うのが望ましいかもしれないと思いました」と,お二人は報告を纏めてくださいました。
この後、白井さんのご尽力で、すごい茶話会(のみくいかい)が聖堂地下の食堂で催されました。デタイユを語ると非参加者の方々から簀巻きにされる恐れがありますので、ほんのさわりだけご紹介致しますと:〈純白のレースのテーブルクロスの上には、クリスタルのワイングラスと,クリストフルの食器がきらめきを放っていた。Superstitieux
ではない我らpékains(pékaîtes? pékinois?)13名は、歓声を上げながらグラスを手にし、白井さんが一刀のもとにsabré
した年代物のchampagne(しかもmagnum!)で、満たした。Champagne
がグラスを一杯にしたとき、''本当に会費は3千円だったのだろうか"と、不安に満たされたのは私だけだったのだろーか。
タユヴァンを筆頭とするヨーロッパ各地のワイン。食べ切れないほどに並べられた料理の数々。そして三種類のシェフの特別料理をめぐるBEAUX
GARÇONS のメンツを賭けた戦い。
そして一同「次回のペカは白百合でやろう!!」という叫びを夜のしじまに轟かせながら、暁星のお山を下りていったのでした〉。
(A.N.)
■Péka Info
▼カンパありがとう▼
より自由な集まりでありたいということから、Pékaでは会費の徴収はしていません。しかし、フランス政府の援助金の範囲内でしか活動できないのも困るという話し合いから、カンパをお願いしています。例会会場で、また郵便振替口座へ(さっそく!)カンパしてくださった方々ありがとうございました。引き続き多くの方々の御厚意(額の多少にかかわらず)をお待ちしています。
口座番号:東京2-764679
口座名義(加入者名):PEKA
(全部大文字でお害き<ださい.)
(会計係鵜澤)
次回のお知らせ
●日時:10月23日(土)14h30
●会場:上智大学中央図書館9階L-911
●テーマ:夏期Stageの報告、他
●発表者:磯村典子さん(Clab)、他
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