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NO.211

 

 

日時:2025年4月26日(土)14:30〜17:30
オンライン (ZOOM) で開催します。

テーマ:<第二言語教育におけるディスレクシア理解と支援を考えるワークショップ>

「第二言語教育における発達性ディスレクシアについて理解を深め、具体的な支援方法を考えるワークショップを行います。ディスカッションや疑似体験を通して読み書き困難についての理解を深め、共に学びましょう。日本語L1児童や、英語L1日本語学習者の例をお話しします。フランス語については私は何も知らないため、参加者の皆様に教えて頂きながら私自身も知識を広げ、新たな発見につなげたいと考えております。参加者全員にとっての「共修」の機会になれば幸いです。」(橋本洋輔・国際教養大学)

◆ 参加をご希望の方は、4月24日(木)までに以下のフォームからお申し込み下さい。
https://forms.gle/ByCsPmXsq7qB1qAP8


07/04/2025

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     PEKA (ペダゴジーを考える会) News Letter no.211
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*PEKA活動資金カンパ口座
三菱東京UFJ銀行 板橋支店
普通3591136
名義:ペカタントウ ウザワケイコ

郵便振替口座
00120-1-764679
加入者名:PEKA

 

■□■ 次回例会のご案内 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■

日時:2025年4月26日(土)14:30〜17:30
オンライン (ZOOM) で開催します。

テーマ:<第二言語教育におけるディスレクシア理解と支援を考えるワークショップ>

「第二言語教育における発達性ディスレクシアについて理解を深め、具体的な支援方法を考えるワークショップを行います。ディスカッションや疑似体験を通して読み書き困難についての理解を深め、共に学びましょう。日本語L1児童や、英語L1日本語学習者の例をお話しします。フランス語については私は何も知らないため、参加者の皆様に教えて頂きながら私自身も知識を広げ、新たな発見につなげたいと考えております。参加者全員にとっての「共修」の機会になれば幸いです。」(橋本洋輔・国際教養大学)

◆ 2025年度の例会日程は、以下の予定です(いずれも土曜日 14:30から17:30まで。変更になる場合もありますので、毎回の案内をご確認ください)。
4月26日(ディスレクシアの理解と支援:上記参照)
6月21日(大学2年生向けの授業で用いる教材)
9月20日(テストの作問と評価)
10月18日(Totem 1を用いた授業設計)
12月20日(AIをどのように使うか)

ぜひご予定ください。

 

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■■■例会報告 (2025/2/22) //////////////////////////////////////////////

ここ2年は4月に年間テーマと例会毎のテーマを決めていたが、EDFJの編集上、2月に決めることが望ましいということになり、本例会で2025年度のテーマについて話し合った。
話し合いの結果、2025年度は次のようなテーマを扱うことになった。
- 発達障害・学習障害と教室
- 大学2年生向けの授業で用いる教材
- テストの作問と評価
- Totemを用いた授業設計
- AIをどのように使うか
例会日程は2025年4月26日、6月21日、9月20日、10月18日、12月20日、2026年2月21日を予定している。

以下に、上のテーマを決めた経緯を説明する。
1. 大学2年生向けの授業で用いる教材
2年目の授業のアイディアが欲しいという要望があった。
とはいえ1年目に行われる学習も一様ではない。文法シラバス、コミュニケーションシラバスのどちらに沿って行われたか。伝統的ないわゆる文法一周を目指して接続法までを扱う約束なのか、複合過去辺りまでを取り扱うのかという違いが一般的だろう。ただし、「取り扱った」ということの結果も様々であったり、文法・コミュニケーションシラバスには還元し辛い、教師個々人の授業目標もあったりする。
文法シラバスにつき、旧制一校時代の半年で接続法まで行いその後講読という流れが、現在の東京大学のように1年間で接続法まで行い2年目は講読という流れに変化してきた。さらに、教科書の著者と出版社の近年の傾向では、1年目に複合過去辺りで1冊目を終える教科書が増えている。
では、その場合2年目には何が行われているのか。複合過去以降の文法シラバスを継続しながら講読を行うような2冊目の教科書を導入するのか、カリキュラムデザインによって1冊目の教科書を継続的に共通教科書として使用するのか。
いずれにせよ、かつてより文法シラバスの進度を緩めるということは、教科書を使わない時間の確保につながる。あるいは、教員がやるべき文法項目・やらなくて良い文法項目を取捨選択して時間を作ることもできる。そうした間に別の練習問題をさせたり、アクティビテを行ったり、プロジェクト学習を行ったりと、様々な実践が可能だろう。
とすれば、なぜ教科書が必要なのか。ある大学では、長年教科書を用いていなかったが、近年では学生たちが参照する共有基盤としての教科書が1冊あった方が良いという議論があり、授業では用いないまでも復習課題などに用いる意図で1冊購入させる方針への変更を考えているそうだ。他の大学でも、できるだけ3年目に入る頃まで1冊の教科書の使用を引き延ばしつつ、教科書を用いない教案を充実させることを企図していると言う。
そのような形で文法・コミュニケーションシラバスの融和をデザインしているのだろう。このように、2年目の学習は1年目以上に自由であり、どの大学のカリキュラムにも適合する、誰にとっても理想的な2年目の教科書など存在し得ない。
例会では、コミュニケーションシラバスで1年間学んだ後の第二外国語の学生を対象とする授業案のアイディアを交換したい。(6月予定)

2. テストの作問と評価
日本で出版された教科書から作ったテストとフランスで出版された教科書から作ったテストで、受験者の取得する得点分布に隔たりを感じるという意見があった。フランスの教科書は語彙や音声理解を扱った問題、推測力や総合力を問う問題が各課に配置されており、これに従うと単純なペーパーテストを作ったとしても得点分布が集中しやすい。例えば、100点満点のテストであるにも関わらず受験者全員が45点から75点の中に納まるようなケースだ。
0点から100点を取得する受験者がいるテストと、大勢に100点を取らせようという目的で70点以下はいないテストなど、教師は日頃様々な得点分布を想定してテストを作っていると思われる。
得点の再評価も、例えば中等教育においては必ず行われている。評点・評定を算出する際に各評定点を取得できる人数が決まっている環境だからだ。100点満点のテストを行っていても、最高点が75点の場合は、大学で最終的にグレード別評価(GPA形式など)に換算しなければならない場合、相対的に再評価せざるを得ない。
この時、テストが想定する得点分布はどのようなものでも正しいと言えるのだろうか。
例えば授業内で、ペーパーテストと、オーラルテストとプロジェクトをルーブリックで評価する形の実践を行ったとして、得点分布の異なるテストを最終的に統合することに問題はないのか。文法・語彙の記憶を問うような幅広い得点分布が生じやすいテストの点数と、得点分布の広がりが生じにくいルーブリック評価やオーラルテストで測った点数とを単純に加算してしまっては、後者のテストで測った能力を軽視することになりはしないだろうか。
例えば、GPAが企業の人事採用における足切り評価のみにしか用いられないというなら、できるだけ多くの100点を出した方が、不満が生じにくい無難な評価になるだろう。しかし、GPAは奨学金受給など別の判断の際にも用いられているのだから、差を生まない評価方法はむしろ不公平になる。
また、GPAのみが特に重視される環境も改善される方向に向かっているかもしれない。近年、ディプロマポリシーの中でどの授業の評価がどの能力の軸に関わるかという基準で集計し、蜘蛛の巣グラフを作成するような、様々な可視化の試みもあるようだ。
そうして総括的評価の形が複数あったとしても、誰がどの評価を重視するべきかという議論も、まだまだ発展する必要があるだろう。我々はこうした中、総括的評価の要請にどのように応えれば良いか。総括的評価を誰が何に用いているかという点や、自身のどの授業は大学のポリシーとの関連でどう定義されどう数値かされるのかという点は日々変化しているのだから、研究していかなければならない。
さらに、配点に関して、ある大学の入試で外国語の科目の配点が国語の配点よりも高いにも関わらず、「母語話者」が「外国語」と名のついた科目で高得点を取るというような問題が起きたようだ。傾斜配点も容易ではない。この件は配点の問題だけではなく、また、「外国語」という名称とテストの不一致の問題でもあるだろう。
ともあれ、25年度は具体的な例を持って議論しようということなので、総括的評価との関わりについては保留し、学生のレベルと教材を指定して、各人が作問のタイプなどについて考え、それが何を評価したいがため、何を測定しているのかというような議論をおこなう。(9月予定)

3. 教室の多様性
例会では学生数4万人の内、8千人が留学生である大学の話が紹介されていた。その話の流れで、中国人学生が多いクラスや、モチベーションの高い学生がモチベーションの低い学生に影響力を持たないクラス、モチベーションの低い学生が強い影響力を持ってしまったクラス、bとdの違いが分からないなどの学習障害や、その他の障害を持つ学生がいたクラスなどが紹介され、教室の多様性に関する意見を交換した。
その中でも、なかなか教員個人の実践で解決し辛い部分があるとして、学習障害に関する専門家を招いて話を聞く回を設けたいという意見があった。(その後に調整の結果、4月26日に開催決定)

4. Totemを用いた授業設計
ある参加者はTotem
1を5年間使っているが近年マンネリ化しているとのことだった。半期で12課取り扱うなどペースは速めだが、学生の理解度は悪くない。しかし、教科書の使い方が分からない中で試行錯誤しながら使っていた1年目が、学生たちが一番楽しんでいたかもしれないと思うようになった。
他の者のアイディアを聞いてみたいという要望があり、例会ではTotem 1の範囲を指定して事前配布し、その頁を取り扱った教案を考えたい(10月予定)。

5. AIをどのように使うか
テーマに沿ってAIに3つの文章を作成させて配布し、学生それぞれが1番良いものを選び、他の2つの悪い点を指摘させる教案を日本語の文章で行った参加者がおり、これをフランス語の文章でもやろうと思っているとのことだった。AIを使った教案を考えて持ち寄る例会をおこないたい
(12月予定)。

(T.S.)

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