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NO.208

 

 

日時:10月26日(土)14:30〜17:30

テーマ:発音 × 教師としての引き出しの中身を整理し、引き出しを増やす
場所:慶應義塾大学SFC 東京サテライト 三田東宝ビル4階(港区三田3-1-7)

例会はハイフレックス形式で行われます(どの参加形式でも無料)。
会場に行かれる方は申込みの必要はありません。


13/10/2024

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     PEKA (ペダゴジーを考える会) News Letter no.208
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■□■ 次回例会のご案内 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■

日時:10月26日(土)14:30〜17:30

テーマ:発音 × 教師としての引き出しの中身を整理し、引き出しを増やす
場所:慶應義塾大学SFC 東京サテライト 三田東宝ビル4階(港区三田3-1-7)

例会はハイフレックス形式で行われます(どの参加形式でも無料)。
会場に行かれる方は申込みの必要はありません。

◆ 今後の例会日程は、News Letter no.206でお知らせしたものと異なり、以下の通りとなります。
10月26日、12月21日、2025年2月15日。
ぜひご予定ください。

 

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■■■例会報告 (2024/9/21) //////////////////////////////////////////////
「教師の引き出しを整理する・増やす」をテーマとした2回目の例会は、文法について考えた。

<導入と説明のしかた>
日本ではフランス語を学ぶ人はすでに英語を学んでいる場合が多い。そのため2つの言語を照らし合わせることで理解が進むことがある。しかし、思いがけない違いにつまづくこともある。
英語と異なり学習者がとくに混乱しやすいフランス語の文法項目には、たとえば所有形容詞(とくにson, sa, ses, leur, leurs)、CODとCOIの区別、複合過去と半過去の区別がある。

今回の参加者に共通していた文法を教える際の進め方は、おおよそ以下の通り。まず、1) 学習者が複雑さに壁を感じてしまう前に、その文法項目の例文のうち日常的に頻繁に使う表現を導入・練習する。次に、2) 徐々に他の例文を導入し、3) 後で規則をまとめる。4) 定着の練習をするなかで、必要に応じて、より詳しい説明を加えることもある。
3)の例としては、CODが付く動詞、COIが付く動詞、両方付く動詞を表にまとめる方法が示された。また、4)の例では、複合過去と半過去の違いを、「点と線」として説明するのではなく、「複合過去は(変化の)焦点化、半過去はその背景描写」と説明する方法が紹介された。場合によっては、2)と3)の順序を逆にし、全体像を先に示すこともある。

英語話者向けのフランス語教科書が参考になる場合もあるが、初学者に対しては、英語とフランス語の違いにあまりこだわりすぎない方がよいという意見もあった。学習者の中には英語の知識を役立てる人もいれば、そうでない人もいることも忘れないようにしたい。(複言語能力概念の紹介)以前は、英語が苦手だからこそフランス語を学ぶ人もいて、そのためフランス語を英語と関連付けずに教えた方がよいという意見もよく聞かれた。

<正解がひとつではない問題>
参加者のひとりは、学習者として受講した授業で、訳文の正しさよりその翻訳に至るプロセスを重視するように言っていた先生が好きだったと話した。その先生は翻訳家でもあったが、自分の訳を学生に配ることはなかった。学生が正解を丸暗記して試験に臨むことを避けるためだった。

間違えることを怖がる学生は多い。正解が複数あることに気づくと戸惑う学生と教師もいる。上述のような実践練習から文法の発見に進む学習方法を嫌う学生もいる。
この話題の発展として、学習観・教育観を共有していない人たちに囲まれて教えることの困難を話した参加者もいた。

<伝統的文法シラバス>
約10年前に始まった大学入試への民間検定試験活用に関する議論の中で、英語の資格検定試験のスコアとCEFRの6レベルの対照表が作られた。仏検とCEFRとの「およその対応関係」も、3級=A1, 準2級=A2, 2級=B1, 準1級=B2, 1級=C1/C2と公表されている。
この対照表の一般化により、CEFR(2001)が提案した能力記述文を考慮することなく(読んだことさえなくても)、A1, A2, ...という記号だけが組織内の言語科目間、教師間で共通化されている場合があるという。伝統的文法シラバスに根ざす検定試験が対照表に位置付けられたことで、言語行為シラバスを取り入れたように見せながら伝統的文法シラバスを守ることができるそうだ。

参加者からは、2年目に読ませたいものがあれば1年目の伝統的文法シラバスは効率的であるという声もあった。他には、2年間でDELF A2合格を共通化する方が第2外国語教育の有効性を広く知ってもらうにはよいのではないか、DELFは技能別に合格できる制度があれがよい、という意見もあがった。
(M. H.)


 

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