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NO.9

 

タイトル:教師間の coordination について(その2)

担当者:増茂

テーマ:構成、クラス運営

キーワード:授業の分担、教師間の関係

 


Pékaニューズレター9

世界陸上選手権、すごかったですね。全米オープン(ゴルフではありません。テニスですよ!)も終わってしまいました。夏休みもおしまいです。ああ、ワープロに触れたのは何週間ぶりでしょう…。この間、みなさんは蟻でしたか、キリギリスでしたか。わたしは後者です。Mme Cresson に迎合したわけではありませんが。(彼女には"蝉"と言わないと通じませんし…。) Hélas! 季節柄そろそろ蟻への移行、つまり職場復帰を考えなくてはなりません。スポーツ後にはクールダウン、夏休み後にはリハビリ。その一環としてPEKAのニューズレターを書きましょうか…。

◆教師間の coordination について(その2)(増茂)

 増茂さんは、"ティーム・ティーチングを考える"というテーマで、その背景や現状をまとめ、その後、都立竹台高校で Hervé Derieppe 氏と共に行った授業を紹介してくれました。この授業は、ひとつの授業をL1とL2の教師一名ずつが担当するという興味深くも贅沢な経験でした。以下に、簡単にまとめます。

 - 教師が2名その場にいるということが、授業のシステムに根本から関わってくるので、従来の画一的な授業にはなりにくい。

  ・教材の選択⇒実践的なもの

  ・教室内の配置⇒全員が黒板に向かうといった今までの配置ではやりにくい

  ・授業中の人間関係⇒教師対1生徒という図式がくずれ、様々なコミュニケーション・ラインが可能になる/L2の教師の言語能カが生徒の目標となり、学習意欲を喚起できる

  ・教育内容の充実、多様化⇒教師二名がモデル会話をする/例えば、発音矯正はL1の教師が、文法の説明はL2の教師が日本語で行うというように、それぞれの特性を生かせる/言語の背景にある文化に一歩踏み込んで触れることができる(L1の教師の知識、L2の教師の興味などによる)

 - 教師が授業を共有しているので、お互いに具体例を揚げて質問や忠告ができる。また、相手に学ぶ事も多い。

 このような授業を大学で経験した林さんによると、教師間の風通しが悪い場合はどちらがイニシアティブを取るのか等、かえってやりにく面も出てくるということでした。これについては、同じ学生を何人もの教師がそれぞれの授業で担当するという上智大学の場合でも同様の事が言えるそうです。担当者がお互いに努カし良い授業が行われているという例もある反面、困っていることもあります。教師の得手不得手によって授業内容が決定してしまい、学部学科としての統一が計れない、そのため学生の能力を引き出し切れない、頑張ろうとは思っても、あの先生にそこまで言えない、言う権利もない…。

 上智のジレンマをかなり解決していると思えるのが慶応(藤沢)の例です。まず学部学科としてのプログラムがきちんと決められていること。それに基づいて同じ学生を担当する教師のグループが組まれ、授業の分担が決められていること。何の授業であっても同一教科書を使う、教材は皆で作る等、理想に近い内容になっています。良い緒果が得られる事を期待し、今後の報告を待ちたいと思います。

 前回欠席された方、Pékaに資料がありますのでご参照下さい。

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次回Pékaのお知らせ

日時:9月28日14h30-17h30

場所:上智大学 四谷キャンパス 図書館 5F L-524 室

- Simulation globale en classe de grammaire (1er année)

 次回は「Pékaってどういう意味?」と素朴な疑問を投げかけてくれた独協大学の井上たか子さんにお願いしました。フランスでの研究に基づいて今年度から実践されている上記のことについて伺えると思います。私たちPékaのメンバーにとっては新しい風に吹かれるチャンスです。

 別の意味での新しい風、フランス夏期研修の報告も聞かれることでしょう。風になりたい人、吹かれたい人、みんな集まれ! A bientôt! (うざわけいこ)

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