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NO.78

 

 

 


Pédagogieを考える会 NEWSLETTER 78

12/04/2003

新学期、いかがお過ごしですか?
今年度最初の授業で何をしたか、メモしておいてください。
次回例会のテーマになります。

■例会報告

2003年度年間テーマ

私たちのフランスイメージと
授業で扱われるフランス文化

姫田麻利子さん

テーマ:文化

 Pékaは4年後に例会100回を数えることになります。そこまでをひと区切りとして、これまでの活動を何かまとまった形にしたい!だから、これからの4年間は今まで取り上げてきたことを振り返ったり(HPで検索もできるし)、逆に取り上げてこなかったテーマを探して掘り下げておきたい!というのが、姫田さんの1番めの提案でした。そして、これまで触れてこなかったテーマに「文化」があるけど、どうして?という疑問が出されました。90年代後半いろいろな場所でフランス語教育における「文化」の問題を考察する気運があったにもかかわらず、Pékaではなぜこれに触れないできたの?ということと、1998年くらいに、Pékaではもう「何を」教えるかについてのコンセンサスは取れてきたように思うから「どのように」に視点を移そうという話があったけれど、「文化」の「何を」についてのコンセンサスはあるの?という二つの疑問です。

 コンセンサスがあるのかどうか、まず大ざっぱに考察する意味で、フランス語の授業で扱っている『文化的側面』にはどんなものがあるかについて、グループ内でできるだけ多く

各グループから出てきたものを列挙してみると、以下のようなものが集まりました:

■グループ1:F2のニュース日本の民放(チーズ,ワインetc.)、ジェスチャー(数を数えるとき、食事のとき、etc.)、クリスマス、小学生の水曜日、映画(ex.コクトーとディズニーの「美女と野獣」の比較)、料理やお菓子のレシピ、挨拶(ex.仕事の別れ際に日本人が口にする「お疲れさま」はない、etcも含む)

■グループ2:パリのメトロやフランスのカフェ、レストランの使い方・地理・映画・歌・フランスのニュース・サッカー・料理、ワイン・歴史的人物・作家・フランスの学校・フランスに関するビデオ(francophonie, la Marseillaise, オルセー美術館, 世界遺産etc.)

■グループ3:電車の乗り方・電話のかけ方・カフェでの会計の仕方・買い物(市場など)の仕方・フランス語で授業をする・Bonjourの意味やBonsoirは別れる時も使うetc.・黙っていることの意味・フランスの"イメージ"を崩す・ネイティヴの先生の態度から…

■グループ4:生活習慣(挨拶, 改札)・小銭の返し方・tuとvousの使い分け・テキストに出てくる内容・映画・食文化(カフェ, マルシェ)・言語の思想性

 「文化的側面」とされるこれらの事項を分類していくためには、どのようなカテゴリーが可能かということも各グループで考えました。グループによってカテゴリーの呼び方にちがいも出ましたが、だいたい
-「生活習慣−フランスでの人間関係や日常生活に根差している特徴;身振り;旅行者として必須の知識」
-「言葉の持っている言語情報や言語が内包している影響(フランス語の意味)」
-「社会的、政治的な事柄(時事関係)」
-「フランスの地理と歴史」
-「食」
-「high cultureと呼ばれる範疇」
-「ある意味、全てを統括し包含するメディア−ニュース、ビデオ、歌、映画」
といったように、分類されるようです。

 上記のうち、はじめの2点に関するものが多く挙がっているという点では、そこにコンセンサスがあるのかなという印象を持つことができます。しかし、こういった事柄は、教師ひとりひとりの体験に基づいて違いが出てしまう可能性があります。また、FLEのméthodologieを振り返ってみると、現在では"文化の文法"のようなものは存在し得ないし、学習者はnatifと呼ばれる人たちの価値・信条体系を強制されなくてもいいと言われているけれど、"自文化と目標文化を客観的、相対的に観察できるように視線の訓練をする"ことが大切と言われても、現場の教師たちは、授業で何をどのように取り上げればよいのか戸惑わないのか、という問題意識も、年間テーマとして「文化」を提案する姫田さんにはあったようです。

 フランス語教育における「文化」が頻繁に問題にされていたときも、Pékaでは「文化」だけを改めて取り上げた考えてこなかったのは、「(たとえばフランスで作られた教材を使ったりしていれば、文法だけを教えるのとは違って)いつでも文化は教えられる事柄の中に言語的側面とからみ合って含まれているはず!(なんで今さらそれを問題にするの?)」という違和感があったからだ、という意見も出されました。それでも、「文化的側面」に関係して例会で取り上げるとしたらこういうテーマがある、という意見がいくつか出て、今年度のPéka例会では、以下のようなテーマを追ってみることになりました。

- "Leçon 0"で扱う「文化」は?
(高瀬智子さん)

- dialoguesに埋め込まれた文化
(鵜澤恵子さん&飯田良子さん)

- 聞き取りで学ぶ文化は?
(井上美穂さん)

- 文化的違いから来る誤用(作文)
(小松祐子さん)

- アメリカのフランス語教育における
 「文化的側面」の評価基準例
(林精子さん)

(F.T.)

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Péka Info

Péka今年度の例会予定

 今年度の例会は、以下のような日程で開催予定です。

4月19日、
6月14日、
9月27日、
11月8日、
12月13日、
2月21日

 場所に関しては、根岸さんのご尽力により、(9月と2月を除いて)明治大学の予定ですが、毎回NLにてご確認ください。
 各会のテーマは上記のように決まっておりますが、他の発表も随時募集しております。himory@attglobal.netまでご連絡ください。

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次回のPékaは...

4月19日(土)14:10-17:20
明大駿河台校舎12号館12階
2121教室(AV1教室)

             (地下1階にはサンドイッチや飲み物・文房具などの
               購買部が、地下2階には書籍部がありますが、書籍
               などの購入には明大関係者である身分証の提示が
       必要になります。)


"Leçon 0"と「文化」
高瀬智子さん

 これまでPékaで扱って来た "Leçon 0" とはどういうものであったかを思い出した後、その中で"文化"的要素としてはどのようなこと、あるいは具体的 Activitésがあるかについて考え、最後に、皆さんが実際にクラスで意識して、或いは無意識で取り入れている、"Leçon 0" の中の"文化"について意見を出し合いたいと思います。
みなさん、4月の第1回目の授業はどうでしたか???

 

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