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NO.77

 

 


Pédagogieを考える会 NEWSLETTER 77

12/02/2003

インフルエンザが大流行ですが、みなさんは大丈夫ですか?

今回は保存版ですよ。ゲームのアイディアをたくさん載せました!

とても興味深い調査結果も。

 

■例会報告1

Jeux et Activités
室井幾世子さん

テーマ:教室活動
キーワード: ゲーム、グループ学習

室井さんは9月の例会の時、François Weiss, Jeux et activités communicatives dans la classe de langue, 1983, Hachetteに載っている、状況ごとに分類されたいろいろな教室活動を紹介してくださいました。
 今回の例会では、室井さんご自身が実際に(とくに初級の)授業で行っているいくつかのJeuxを見せてくれました。

◎身のまわりのものを示す単語と、習った「文法」を組み合わせて、短い文のやりとりをする練習として:
■カードを使う1:
 ひとつずつデザインの違う「時計」の絵のカードを各デザイン2枚ずつ用意する。1枚の方には、Marie, Pierre,...など名前を書いておく。カードを配る。名前のないカードの人は、自分の持っている「時計」が誰のか当てないといけない。(Marie, Pierre,...など持ち主の名前はあらかじめ提示しておく。)
→"Est-ce que c'est la montre de Paul?" -  "Non, ce n'est pas la montre de Paul."あるいは、"Oui, c'est la montre de Paul.", "Je ne sais pas." のようなやり取りをする。相手が、"Oui, ..."と答えたら、その相手のカードはいただき。
その他「ペン」など(デザインを変えて描きやすいもの...)のカードを使って、同じ練習をする。
■カードを使う2:
 服のアイテム(pull, jupe, pantalon,...)を描いたカードをいろいろ用意する。一つのアイテムについて複数。トランプのようにきって配って、ババ抜きの要領で、
→"Tu as un pull?" - "Oui, j'en ai deux."(聞かれた人はそのアイテムを持ってる数を言わなければいけない。このとき周りの人は、注意してその人の持ってるカードを覚えておく)当たってたら、一枚もらって、自分の持っているpullのカードと合わせて場に捨てることができる。
-- "Non, je n'en ai pas."だったら、次の順番の人が、欲しいアイテムについて"Tu as ~?"

 (口頭で説明を受けてもわかりずらかったので、参加者で同じゲームを試してみました。室井さんは、イラストがとっても上手です。色画用紙にコピーしたり手間もかかるでしょう。でも学生が積極的に参加してくれて、記憶に残ってくれるなら!)

◎自己紹介・誰かを紹介する表現の練習:
■grilleを使う ≪Qui suis-je?≫ゲーム:

 

1

2

3

4

A

*

 

 

 

B

 

*

 

*

C

 

 

*

 

 A,B,C,...のところは人物。1, 2, 3,...のところは名前、職業、住んでいるところ、年令、国籍、など決めておく。上で*をつけたところのように、アトランダムにいくつか語彙を入れておく。*の箇所がちがうgrilleを何種類か作る。A,B,C,...の誰かになって、クラスを歩き回って、わかっていることについてだけ自己紹介する、相手は違う情報を持っているので、自分について質問し自分のidentitéを探して、空欄を埋めていく。
→" Est-ce que je suis boulangère?"など。
■果物になる (!?):
→"Est-ce qu'elle est rouge?" - "Oui, elle est rouge mais petite."など。

◎家の中のsalon, chambre, cuisine, 服の語彙と位置の表現の練習:
 部屋の中のいろいろな場所に服のアイテムを置いた絵。上と同じように、情報の違う絵をいくつか用意して、質問し合う。
 あるいは家の様子を聞きながら、絵を描いていく、など。

 授業にこのようなゲームを組み込むのは、もちろん復習や定着のためもありますが、気分を変えたり、雰囲気を盛り上げたり、ものおじしないで話す訓練にも役立ちます。ただし、気をつけなければいけないこととしては、まずゲームの規則の説明。複雑すぎるとかえって白けてしまうことがあります。難しいときは、日本語で一回やってみるのも手です。ゲームですから、contrainteがなければいけませんが、できるだけ単純にした方が盛りあがるでしょう。あとは、全員が参加できるように使用する表現を工夫すること。決まった文型にしたほうがやりやすいです。
 この他に参加者から紹介されたゲームは:
◎数を覚えるときに:
■ビンゴ(定番ですね。)
■指でパッと数を示し "C'est combien?"と聞いてすぐ答える。(あっち向いてホイくらいのテテンポで)(クラスを歩き回って出会った人と行う:"Bonjour"を先に言った方が主導権。)

◎もう少しレベルが上のクラスで
■自己紹介のとき
:グループ(たとえば)3人に共通のものを探す。
:一人3項目ずつ話して、どれがウソか当てる。
:自分の紋章を描く。他の人は紋章を見ながらその人のことを当てる。
■その課で習った単語を封筒に入れたものを各グループに配り、その単語を使った文を作る。あるいは、封筒に入れておくのは、文章にして、その文を入れた会話を作る。
■cadavre exquis: 「誰が」「いつ」「どこで」「何を」「した」をばらばらに書いていって、文章を作る。(レベルによっては、半過去・条件法などを使っても)

 こんな情報も寄せられました:Air Franceに子供といっしょに乗ると、子供向けの本をくれることがあります。授業で使えそうなゲームが見つかることがあります。(機会があったら、ぜひもらっておきましょう!)

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■例会報告2

外国語学習と社会的スキルに関するアンケート調査
善本孝さん

テーマ:コミュニケーション
キーワード:アンケート、コミュニケーション、
対人関係、EQ

コミュニカティブアプローチを教室で実践に移す際、うまく行かない理由としてはクラスサイズや教室の設備などいろいろとありますが、その中でおそらくもっとも広く私たちが共有する問題が、コミュニカティヴな活動になかなか慣れない学生たち、ではないでしょうか。善本さんは、学生たちの外国語学習に対する意識とコミュニケーションスキル・社会的スキルの相関について現在調査研究しています。アンケート調査には、Pékaのメンバーも協力しました。時間の都合もあり、今回は簡単に調査結果分析の経過を報告していただきました。(詳細はEDFJ no.12, 5月刊行予定。)

 外国語のコミュニケーション能力には、言語スキルはもちろん、コミュニケーションスキルが必要です。コミュニケーションスキルが低いレベルにあると、コミュニカティヴな活動に対する苦手意識が高くなるのではないか、というのが善本さんの仮説です。実施された質問紙は、外国語学習に関する20項目(自信・積極性、会話授業志向、多言語志向、ゲーム的授業志向、必要性など)と、社会的スキルに関する26項目(コミュニケーション成立スキル、相手中心スキル、自分中心スキル、問題解決スキル、ストレス処理スキル、援助スキルなど)について、各々5段階で回答するようになっています。
 
相関関係にありそうなのは、自信・積極性因子と、コミュニケーション成立スキル、自分中心スキルということでした。つまり、「他人と話していてもあまり会話が途切れないほう」とか「知らない人でもすぐに会話が始められるほう」「他人が話しているところに気軽に参加できるほう」と思っている人、「20人くらいの人の前で自分の意見をうまく述べることができる」、「グループの中で他の人と違う意見を主張できる」と思っている人は、外国語に対して得意意識がある...ということです。
 例会参加者も質問紙をその場で埋めてみましたが、意外なことに「得意」と思っている人は少なかった...ちなみに私は、「得意」と思っていないし、コミュニケーションスキル、自分中心スキル共に低レベル。相関ありますね...

(M.H.)

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次回のPékaは...

2月22日(土) 14:30-17:30
上智大学
7号館 12F 第4会議室

1. 2003年度 年間テーマについて

2. 私たちのフランスイメージと
授業で扱われるフランス文化
 姫田 麻利子

 フランス語の授業の中で、私たちはフランス文化の何をどのように(またどんな時に)教えているのでしょうか。
 すでにいろいろな場所で論議されてきた問題ですが、P
ékaのみなさんが考えているフランス文化にはどんなことがあるのでしょうか。ふだん教えていること、とくに教えたいと思っていること、まずは何のカテゴリーも提案しないまま、小さい事柄も大きな問題もいっしょにして、出し合ってみたいと思います。

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