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NO.76

 

 


Pédagogieを考える会 NEWSLETTER 76

03/12/2002

今年は寒くなるのが早かったですね。お風邪など召されてはいませんか。

Noëlを指折り数える毎日ですが、研修報告を読めばまた、もうちょっとだ!授業がんばろ!と思えるかもしれません。

今号は、忘年会案内もあります。

 

■例会報告1

夏期教員研修報告
本間真由美さん、左合桜子さん

 

1)CLA (Besançon)

本間さんが、今年の8月にCentre de linguistique Appliquée de Besançonで行われた教員研修の報告をして下さいました。特に印象に残った授業として以下の2つの授業が紹介されました。
 まず1番目は、Danielle Auby先生によるLire et faire lireという授業でした。どんなテキストをいかに読むかについて、沢山の例をあげて説明があったそうです。本間さんが「おもしろい」と感じたJean Tardieuの《conjugaisons et interrogations》(初級で習う動詞の様々な時制のニュアンスだけをうまく駆使して表現した詩)について、出席者の皆さんで、「このテキストをどのように使ったらよいか」を議論しました。Auby先生がこのテキストを何故選んだか?本間さんは何故おもしろいと思ったのか?自分が上級者だからでは?から始まり、時制のニュアンスが分からないと難しいので上級のクラスで動詞を選んで使う、読む楽しみとして使うなどのアイデアが出ました。さらに、「教育関係のスタージュを受ける際の心構え」についても話し合われました。この詩の例のように、内容そのままを学ぶのではなく、講師の先生の考え方を理解するなり、反発するなりすることが大事、同じ授業をまねするのではなく、「自分の授業の作り方を考える場」とすべき、同じ教師として参加しているのだから、講師や同じクラスの受講生に「こんな場合はどうするか?」などの相談をする場にするなどの意見が出ました。でも、最後は「とにかく何でも見ておいて、そのうち使える物があればいいという気持ちで」というところに落ち着きました。
2番目に紹介されたのは、J.-P. Bérubé先生によるchansonの授業でした。L'infinitifという、まさに様々な動詞のinfinitifを3つずつつないで歌にしたもののを組み立てる練習が印象に残ったそうです。練習の手順としては、1. 各動詞をくじにして準備、A学習者が順番にジェスチャーで示し当てさせる、2. 当たった単語を書きとめておく、3. 動詞がそろったところで、類似した動詞と並べて歌にする、というものです。本間さんは、体を使いながら、単語を覚えていくこの点がおもしろかったそうです。当日の参加者の中からは、動詞がジェスチャーで表現するのには難しいものが多いとの意見も出ましたが、出来上がった歌は「人生」を語っているものだそうで、3つの動詞の組み合わせからどんなことが想像できるかという点で話が参加者一同、盛り上がりました。例えば、aimer/ donner/ sourireやdouter/ chercher/ se taireからあなたは何を想像しますか?

2) Ecole française (Univ. Montréal)

左合さんが参加したのは、ケベック政府主催の教員研修でEcole française (Université de Montréal)で行われました。受講生は27名(うち日本人3名)でした。ケベックは、フランス語を守らなければという点については、フランス以上だそうです。研修内容はケベック紹介、カナダの教育システムの説明、モントリオールの語学使用状況とそのシステムの話、フランス語教育政策についての説明がされたそうです。ケベックでimmersion教育ををどのように実践しているかの実例としてあげられたのは、「小学校で動物園や植物園に行って、フランス語を使う」ことだったので、左合さんは「日本での実際の授業との関連性はあまり見つけられなかった」と思ったそうです。左合さんの紹介のあと、immersionとは何か?英語でいうイマ―ジョンと同じ?immersionの意義について話されました。話が進むうちに、もしかしたら、直接フランス語だけで教えるのだからméthode directeにもつながるのではという意見も出ました。Immersionについてはともかく、めったに学べないカナダ文学の授業などもあり、フランス語を話している国、カナダを知るににはとってもよい研修のようです。

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■例会報告2

Péka 悩み相談室
相談者:岡見さん

 

Q: 高校で大学受験をフランス語でする生徒がいるのですが、指導するのは初めてなので情報をお願いします

R: 出席者の皆さんからは以下のようなアドバイスが出ました。 

 大学受験の必要条件は、仏検2級程度なので2級の問題集をやること。単語は最低3000語以上(大修館書店の5000語 白水社の3469語を参照)を覚え、文章の中で読むようにしたほうがいい。第1外国語としてフランス語を教えている学校の先生に相談する。フランス語受験者のいる予備校に通い情報を集める。受験可能校をまずリストアップしておくことなどがあげられました。

(K.T.)

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次回のPékaは...

12月14日(土)15:3018:00
大東文化大学 板橋キャンパス
 50周年記念館(正門入って正面)
 4階小会議室

1. Jeux et Activités
司会:室井幾世子さん

9月の例会のつづきです。Jeux et Activitésの分類を復習したあと、みなさん自慢のJeux et Activitésを発表しあいたいと思います。
リストアップ!してきてくださいね。

2. 「社会的スキルと外国語学習に対する意識?アンケート調査から」
善本孝さん

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■Péka Info2

白井春人さんより

大東文化大 語学教育研究所主催 シンポジウムのご案内

12月14日(土)(=次回例回の日)大東文化大学板橋キャンパスにて
以下のシンポジウムが開催されます。

「大学における外国語教育の未来に向けて〜現状と展望〜」
13:00 〜
1号館 2F法廷教室
(正門入って左手)

司会:白井春人(大東文化大学)
パネリスト:中国語 〜大塚秀明氏(筑波大学), 英語 〜関屋康氏(神田外語大学),
日本語 〜白寄まゆみ氏(淑徳大学), フランス語 =田中幸子氏(上智大学), ドイツ語 〜松岡幸司氏(立教大学)

* 他の語学教育に携わる人のお話を聞くのも、たまには面白いのではないでしょうか。次回の例会は、同じ大東大板橋校舎で15:30〜開催します。例会前にお時間のある方は、ぜひこのシンポジウムにもお出かけください。

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