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NO.70

 

タイトル:「フランス語教育の基本の勉強をしませんか?」2 「私の授業、これだけは譲れないこと!」

担当者:田中幸子


Pédagogieを考える会 NEWSLETTER 70

05/12/01

 

キャンパスの銀杏が美しい季節です。師走となり慌ただしい気分も押し寄せてきていますね・・・今号は、前回大変に盛り上がったディスカッションの報告と、忘年会のお知らせです。

■例会報告

「フランス語教育の基本の勉強をしませんか?」2

「私の授業、これだけは譲れないこと!」

田中幸子さん

 
 前回に引き続き田中さんの司会のもと、まず皆さんから寄せられた推薦書のリストが配られました。(原田さんがまとめてくださったものです。)「このリストについてどう思うか」という田中さんの問いに対し、特に以下の点が議論となりました。

- 手に入りにくい本、絶版の本には推薦者の名前を添えるか?→内部資料として回覧するものには推薦者の名前を入れ、ホームページのように広く公開するものには名前を入れないほうがいいのでは。
- 推薦文をチェックするか?→文献リストの水準を保つことは重要だが、チェックして「思想統制」をするより、文献の選択はペカのメンバー全員の総意ではなく個人推薦の集まりだということをリストの冒頭に明示してはどうか。
- どう分類するか?→各分類の中で新しい順に並べる?キーワードをつけて推薦する?分類の提案を誰かにしてもらって何人かで取りまとめ作業をしてはどうか。
・・・というわけで、「この文献リストは、何のためのものであるか」ということがわかるような紹介が必要ではないかという話になりました。

文献リストづくりは、現場の話をするときに使われる様々な概念を、「なんとなく」ではなく、「はっきりと」見直そうというねらいから始まりました。現場での実践に即役立つ情報交換をこれまで主に行ってきたPekaの活動形態に、時には理論研究のための読書会形式を織り交ぜてはどうかというところまで前回提案されましたが、そうした活動形式を始めるためにはもう少し文献を集めて、さらに話し合いを詰める必要がありそうです。
今回はPéka的なものは何か浮かび上がらせるための最初のブレーンストミング、みんなが自分の授業の基本として「これだけは譲れない!というものは何?」というディスカッションを行なってみました。意外な感じもしますが、Pekaではこれまでこのテーマでの意見交換はしたことがありませんでした。Pékaのメンバーは「譲れないこと」を共有しているはず、という暗黙の雰囲気があったのかもしれません。実際には、共通している部分も多いけれど違っている部分もあり、「哲学」「ゆいごん(?)」は教師の数だけあるのだなという気がしました。参加者全員、いくら話しても話し足りない感じがありました。

 はじめに5分間ひとりで、自分の譲れないものを箇条書きで書き出し、その後4人グループでディスカッションを行って発表した結果、以下のような意見が得られました。

グループ1
- 多くの学習者が理解できる、興味を持てる

こと。
- リラックスし笑ったりできる環境が大切、教師がまず楽しくなければ。
- 100%教師指導の授業もあっていいのでは。(学習者はそういう授業を望んでいる可能性もあるから・・・)

グループ2
- 学習者が自主的に考えるような授業、
- 全員参加!
- 学習者にとって意味のある「学習者中心!」
- 退屈しない、緩急がある授業

グループ3
- 一方通行にならない参加型の作業
- グループ作業を多く。
- 学習者生活に密着している話題を盛り込むこと。
- 学習者の能動的理解を促すような作業
- 教師の個性ではなく、「技術」で引っ張っていく授業

グループ4
- 学習者がリラックスして笑ったりできる環境構築に責任を持つ!
- 学習者に対して先入観を持たない、

グループ5
- えこひいきをしない、変わることのできる可能性を持っている個を認める(名言!)
- 「ウソをつかない」誠実であること。
- 学習者も教師も互いに変わる可能性を
活かす
- 結果・成果を出す!
- 「教えるとはどういうことか」をしっかり押さえておく。
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
 上では、「哲学」「ゆいごん」と書きましたが、これらは、教育理念?信念?教育目的?指導指針?アプローチ?メソッド?・・・様々な用語で言い換えられるような、またどれにもあてはまらないような・・・私たちはこれら「譲れないこと」をどうやって形作ってきたのでしょうか?そういう考えは文献の中ではどのような言葉で表されているのでしょうか?いっしょにクラスを運営をしていく学生たちや、職場の同僚にこれら「譲れないこと」をわかりやすく伝えるためにどんな方法があるでしょうか?たとえば、「アプローチ」や「メソッド」という用語にしても、私たちの中ではそれらにどんな定義づけをしているのでしょうか?Péka内で共有する意識の確認は、議論が精密に積み上げられて、新たな成果へと広がりをもつためにも重要です。例会で行われるディスカッション、Péka内で共有することがいずれまとまって本になればいいな?なんてことも考えながら、今回のディスカッションを今後の活動にどう活かしていくか、次回も田中幸子さんの司会で議論を進めます。(だって、みんなまだまだしゃべり足りない感じだったし!)
( R.T., M.H.)

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■Péka Info 1

文献リストづくり 
に引き続きご協力ください。

文献リストづくりは引き続き行なっていきたいと思います。みなさんが「教える」・「学ぶ」について考えるとき、直接的なまたは間接的な後ろ盾としている基本文献がありましたら、以下の形式でお寄せください。よろしくお願いいたします。
宛先 
harada-s@XXXXXXX

外国語の文献
Nom; Prénom; titre; édition; année;
1行コメント
日本語の文献
著者名 ; 論文名 ; 雑誌名 ; 出版社 ; 出版年 ;1行コメント

* 改行なしで「;」区切りにするとExcelの処理上都合が良いそうです。
* 注意点として、フランス語表記に関しては、アクサン抜き。添付ファイルとして送らず、メールの本文に入れて送ってください。

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■Péka Info 2

忘年会のご案内
(一年が過ぎるの、早いですね?)

日時:12月15日 18:30〜
場所:  盛屋(さかりや)
3295-0399

今年も忘年会のお知らせをする時期になりました。午後6時半頃から、昨年と同じ盛屋(さかりや)という飲み屋で酒盛りをして、今年も大いに邪気・毒気を祓うことにしましょう。
場所は、JRお茶の水駅(新宿寄り改札)を出てから三省堂書店へ向かうつもりで明大前通りをまっすぐ南へ下って行きますと、通りをはさんでリバティータワーの向かい側に、主婦の友やカザルス・ホールなどが入っているお茶の水スクエアという一郭があります。この一郭が切れた角を左へ折れて(この角の反対側は、明大小川町校舎と呼ばれる小さな建物)、二つ目の道(角にギョウザ屋がある)を右に曲がると看板が見えます。
焼き鳥がメインの飲み屋ですが、当日は今年も特別に鍋を用意してくれるそうです。

参加する方は、13 日正午までに、
電話・ファクスかメールで
根岸純さんまでご連絡ください。
Tel/Fax  03-XXXX-XXXX
e-mail  negi-jun@XXXXX



■Péka Info 3

Pékaホームページ

Pékaホームページの管理者宛、メールアドレスは以下に変更になりました。
peka@pao.to

 

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■次回のPékaは...


12月 15日(土) 14:30-18:00

明治大学 リバティタワー 
8階1081教室
(お茶の水駅下車、お茶の水橋口を出るとすぐに左手に見える周辺でいちばん高い建物です。)

「フランス語教育の基本の勉強をしませんか?」3
司会:田中幸子さん

☆ まず、前回の詳細な記録を皆で読み返してみます。このNLと重なるところも多いですが、「将来本になるといいなー」という希望を持って、1回ずつの記録を、かなり読み物として完成度のある段階まで取りまとめておきたいと思っています。(そんな方法、どうでしょうか?みなさん)

☆ また、文献表の紹介文についても、検討してみたいです(できれば)。

☆ 次に、いよいよ今回のワークショップのテーマですが・・・・「教師として私たちが譲れないもの」を支える概念とは? 前回のディスカッションで話し合った「譲れないもの」、とても広がりのあるものでした。そして、それは、教育理念?信念?教育目的?指導指針?アプローチ?メソッド?・・・・どんな「用語」でくくれるのでしょうか?もしも学生さんたちや同僚の人たちに説明しなければならないとしたら。言語教育の文献のなかに述べられていることと、関連づけて簡単なことばで述べるとしたら、どのように考えを組み立てたらよいのでしょうか。そういうことを、みんなで考えてみたいと思います。

・・・・前回同様、「融通無碍にしてペカ的」論議が深まることを期待しつつ・・・皆様のご参加お待ちしております。 

(田中幸子)

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