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NO.61

 

タイトル:「授業の引継ぎについて」

担当者:土屋良二

テーマ:構成、クラス運営

キーワード:進度、達成度、アンケート


01/04/00

no.61


 桜の花もほころび始め、新学期の季節です。今回のニューズレターは、新学期にぴったりの内容となりました。ぜひご覧下さい。

■例会報告

「授業の引継ぎについて」

司会:土屋良二さん

 2月の例会は、授業の引継ぎについて、土屋良二さんがanimateurとなって行われました。参加者は9名。
 まず、以下の3点について、グループでの話し合いが行われました。

(1) 引継ぎを行っている場合には、いつ・誰と・どのような方法で引き継いでいるか?そして引継ぎはうまくいっているか?
(2) 引継ぎをしていない場合は、なぜしないのか?引継ぎをしないで困ったことはあるか?
(3) 有効な引継ぎとはどのようなものか?そのために今できることとは何か?
 まず(1)の答として、次の点があげられました。
・ 年度末に前年度担当者から次年度担当者に引き継ぐ。
・ 年度途中の毎週、同じクラスの担当者どうしで引き継ぐ。
・ 前期が終わった段階で、学科内で引き継ぐ。
- 引き継ぐ方法:
a. 様式の決まった引継ぎ表に書きこむ。
b. 口頭で引き継ぐ。
c. 教科書会議で話す。
d. 連絡帳で進度を知らせ合う。
e. 引継ぎ用の教科書を1冊用意し、それに書きこんで引き継ぐ。
f. 電話で引き継ぐ。
● 引継ぎの長所として、学生の個人情報(冠婚葬祭など)が役に立つ。
● 引継ぎの短所として、「前年度学習済み」との引継ぎがあっても、実際には学生の身についていない場合がある。これは、「授業の進度」と「学生の達成度」のずれと考えられる。
 次に、(2)の答として、次の点があげられました。・引継ぎの必要がない場合がある。
・引継ぎをしない理由は、「引継ぎ」が管理者のいるシステムとして成立していない場合(例えば学科が連絡帳を管理している場合などと比べて)、わざわざ面識のない教師に連絡をとることが躊躇されるため。

 最後に(3)の答として、次のような提案がなされました。そもそも、引継ぎに関する不備な点とは、前年度学習済みであるはずなのに、学生の身についていない項目があるということです。言いかえると、前任者から引き継ぐ「前年度の授業の進度」と、目の前にいる「学生の達成度」との間にある「ずれ」が原因です。従って、この不備を補うために、「進度」だけでなく、学生の「達成度」を年度始めに知っておく必要が出てきます。それを知る方法としてテストも考えられますが、もうひとつの方法として学生の意識調査を行うことも有効だということになりました。
 例えば、「部分冠詞」という項目をあげて、学生にどの程度把握しているかをたずねたら、今後の授業計画に役に立つのではないでしょうか。さらに、伝統的文法項目だけでなく、actes de paroleなどについても調査を行うとよいという意見が出されました。また、前年度の授業形態についても知っておく方がよいということになりました。例えば、書く作業が中心であったとか、グループ学習が多かった等という点です。
そこで早速今度の4月に、Pékaのメンバーで、学生の達成度意識調査を行ってみようということになりました。とりあえず井上が原案を作って実行し、改善を重ねていくつもりです。また、教員に対しても、前期半ば頃に同じ調査を実施し、学生の意識と教師の実感との相違点を見てみるのも興味深いという意見が出されました。
今年度、初心者以外のクラスを担当なさる方は、是非同封のアンケートを4月に実施して、ご意見を次回のPéka例会できかせてください。以下はアンケート用紙の使用説明です。

・ アンケート対象者は、初心者以外のすべてのフランス語学習者です。
・ 同封のアンケート用紙には、「文法項目」「actes de parole」「授業形態」「語彙」の4項目が載っていますので、必要な項目を切り貼りしてお使い下さい。(あまり長いアンケートだと学生の集中力がなくなるとお考えの方は、必要箇所だけを実行して下さい。)
・ 記名・無記名の選択で、記名になさる場合は最初の行の下線を記名欄にご使用下さい。
・ Windows Word98文書での受け取りをご希望の方は、下記eメールアドレスまでご連絡下さい。
・ 井上が個人的に行う「学生の達成度意識調査(仮称)」にご協力下さる方は、アンケート結果に統計処理をかけますので、「手渡し」または下記住所まで「着払い宅急便」で送って下さいますようお願い申し上げます。5月連休頃までにお願いいたします。(是非ご協力をお願い申し上げます。個人名は発表いたしません。) 

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■Péka Info

2000年度活動計画

(1) 例会開催日について
4月22日, 6月10日, 9月30日,
10月28日, 12月16日,
2001年2月24日
いずれも土曜日午後です。
( なお会場は、今年度から明治大学になります。下記のご案内をご確認ください。

(2) 年間テーマについて
未定です。次回例会(4月22日)に話し合います。

● Peka Info 2

毎回の例会で積み上げていくこと?
 例えば、「文法教育(発音・グループ学習・学生の心理等々)に興味があるが、どのような文献があるのか?」と聞かれたような時のために、Pékaとして文献リストを持っているとよいということになりました。毎回の例会で、参加者全員が、自分が今までに読んだ本・論文・記事などを、ひとつでもよいから口頭で簡単に紹介します。それをPékaで統一した用紙に書き取り、例会ごとにためて、「簡単な解説つき文献目録」を作成するという計画です。例会参加者の方は、是非ご協力下さい。例えば、この前読んだ記事のことを休み時間に友達に話すといった軽い調子で結構です。ジャンルはフランス語や教育に限らず、何でも結構です。

 Paris en bibliothequesという冊子を見ていたら、なんとパリには108もの図書館があるとのこと。そのうちのひとつ、今年1月1日から再開したCentre Pompidou内のBibliothéque publique d'information(BPI)に行ってきました。ガラス張りの窓、壁で仕切られていない室内、真っ赤なソファ… 開放感があり、ちょっとおしゃれで好感の持てるつくりになっています。350000の印刷物のほかに3500のdocuments parlés、2400の雑誌、10000のCD、2200 の映画が収録されているそうです。
私がとくに注目しているのは図書館の一角にあるautoformationのコーナーです。ここではFLEをはじめ130言語(方言を含む)の自習に対応した語学ソフトがおいてあり、登録すれば誰でも無料で使用することができます。勉強している女性に声をかけてみたら、ルーマニア人のお医者さんでした。ほとんど毎日フランス語の勉強に来ているとのことです。フランスには珍しく、BPIは日曜も夜10時まで開いています。ただし日曜は非常に混むので、机を確保できなくて床に座って本を読んでいる人をたくさん見かけることも。そこまでする価値は、あるのかな…!?


● Peka Info 3

F2関連教材お届けのお知らせ
(井上美穂さんより)
 去年に引き続き、「France2の録画を用いたききとり問題」、「関連読解教材(質問と答)」「関連クイズ」などを毎週メールや郵送でお届けします。ご希望の方は、xxxx@mb.infoweb.ne.jpまで。メールで送れない教材(グラフや絵)の郵送もご希望の方は、80円切手を貼った封筒を10枚程度左記住所までお送りください。
 千葉工業大学の大久保さんのホームページにも同じ問題が載っていて、答え合わせもできるようになっています。こちらもご利用下さい。
http://www.hu.it-chiba.ac.jp/fr2/

次回のお知らせ

次回のPékaは...
4月22日(土)14:30-17:30
(会場は19:00まで利用可能)
明治大学
リバティタワー 9階
1097教室
(お茶の水駅下車、お茶の水橋口を出ると
すぐに左手に見える周辺でいちばん高い建物です。)

(1) 「年度始め 学生の達成度意識調査」井上美穂さん
(2) Péka年間テーマと
年間計画の話し合い(3) おすすめの本や記事紹介
 
同封のアンケートを実施なさって、
ぜひ結果をお持ちください。
皆さまのご参加をお待ちしています!!

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