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NO.6

 

タイトル:フランス夏期教員研修参加者からの報告第3弾

担当者:神郡・野池

テーマ:研修

キーワード:ブザンソン、CLA、lecture、教材


暖かい冬です。スキーに行きたい人は心穏やかではないでしょうね。フランスは今シーズンは早くも大雪で、ニースでも雪景色が見られたりしたそうです。フランスにスキーに行こう!...などと言ってはいられない日本の年末、Pékaも12月1日で今年の活動に終止符を打ちました。今回は、9月22日以来の"お約束''どおり野池さんと神郡さんのフランス夏期教員研修内容について、かなり具体的なことを聞くことができました。また、それに続くディスカッションも興味深いものでした。

◆フランス夏期教員研修参加者からの報告第3弾

(1)CLA Besançon (神郡)

以下の3点について研修時の資料を使っての発表がありました。

1.簡単なフランス語で書き換えられた Le rouge et le noir を読むということは? ストーリーがわかればいいのか?文学性は重要ではないのか? ⇒文学作品は、言語習得の目的で使われた時にはいずれにしろ(簡略化されたものでも原文でも)ゆがめられてしまう。「読む」行為を重視するのであれば文学作品である必要はない

2.学生を対象に書かれたものは? (例として英語を学ぶ学生のために発行されている新聞をとりあげました。一つの記事に表現や単語の仏訳からなる膨大な注がついています。) ⇒母国語の一語に置き換えることで理解しようとする発想を植えつけてしまう。énoncés,contextes から推測するというL1においては自然な行為が生かされない。言語の学習が注の暗記、辞書の暗記になってしまう。学生に全部理解できなければいけないと思わせてしまう。記事が古くニュースとしての価値がないものが「新聞」として学生の motivation を喚起できるのか。

3.最初から現実に使われているフランス語を示す方が良いのではないか? Français technique の分野で、初心者の教材にも専門分野で使っているtextes, documentsを使用する。 ⇒学生の言語能力にあわせて教材を使う。同じ本をどんなniveauxにも使うことができる。学生に、わからないことはわからないこととして残しておく習慣をつけさせる。

1と2に関しては耳のいたい方もいらっしゃるのではないでしょうか。教材選択の際に思い出してください。3は次の野池さんがanimateurになって行なった実験に結果的に関わることとなり興味深かったです。中学、高校、大学でどのような教材を使うべきかということについて、様々な議論がなされました。理想とする授業と現実とのギャップをどのように埋めていくのか、埋めていけるのかというところにそれぞれのジレンマがあるように感じられました。例として1994年からカリキュラムに communication orale が加わるが、その変化に現場は対応できるのかということがあげられます。このことについては次のような意見が出ました:教師の formation が不充分;学生(生徒)の人数が多すぎる;時間数の割に高度な内容(主に文法の)を期待し過ぎる:伝統的な授業がしみついている(文法さえ教えていれば、学生も教師も中高生の親も安心する。)。

(2)Fondation post universitaire internationale Paris (野池)

野池さんが実際に研修時に使った"document authentique"をもとに、どんなpublicに何を教えるのか考えてみようということになり、二人ずつのグループにわかれて作業をしました。⇒初級者を対象にしたグループ、上級者を対象にしたグループがありました。Exercicesとしては、compréhension globale、時制、時の表現、特定の言い回しdialogueを書く、手紙を書く、電話で話す、演じる、他のdocumentsを使って調べる文化的知識を身につけるなどが考えられました。

一つの教材が何通りにも使えるわけですが、そのためには教材の分析を様々な角度から行なわなければなりません。それをすることにより、自分のpublicに合わせて必要なexercices(作業)を考えることができると再認識しました。各グループともアイディアがつきないという感じで、なかなかやるなと思いました。楽しい、興味深い授業を目指してがんばりましょう。

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Bonne Année 1991!

表を書いたのが12月半ば、ああ早く仕上げなくては!と思いつつも今日は1月25日です。雪の話など現在の状況とはかなり違い''何を言うとるのや''と思われたかもしれません。さてこの怠慢な私は誰でしょう。ちなみに田中さんではありません。彼女の名誉のために。というわけで、速さ第一、話は手短かに...

1)12月1日:Pékaのあと、都内某所でささやかにもえんえんと(!)鴨鍋パーティーが行なわれました。(忘年会と呼んでいました。)今回はパスした方、残念でした。次の機会にはぜひ参加してください。

2)2月16日:次回のPékaの日です。

1. かなりの高校などでつかわれているAllô France! について

2. vocabulaireの学習について

と白井さんが二本立てでanimationをしてくれます。vocabulaireについてはみなさんも使っている教材について次のようなことを考えてみてください。

 - 全体の単語量

 - 難易度

 - 教科書での扱われ方(répartitionなど)

 - どういう分野の語彙が多いか、少ないか

 - 学習者にどの程度定着しているか

     ……

                                 A très bientôt!

 

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