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NO.50

 

タイトル:Rencontres pédagogiques du Kansai 報告

キーワード:ランコントル

タイトル:10分間発音練習-20回分 

担当者:井上美穂

テーマ:実践、発音

キーワード:発音練習、練習問題

 


Péka Pédagogieを考える会

NEWSLETTER 50

le 10 juin 1998

 

102東京都干代田区紀尾井町7-1

上智大学外国語学部

田中幸子研究室 tél.03 3238 3742

郵便振替口座00120-1-764679 PEKA

 

例会報告1

 Rencontres pédagogiques du Kansai 報告 (参加者の皆さん)

 去る31920日に大阪で行われたランコントル(テーマは「発音教育をどうするか」「どのように教材や教育資料を集めるか」、その他)の報告を参加された方々がしてくださいました。

1)Azra/Phonologie du français adaptée à l'apprentissage et à l'enseignement de1a prononciation:日本人的発音に慣れてしまわずに、日本人の発音を最初に聞いたときの驚きに立ち戻ろう、最終音節にアクセントがあると言われているが、そうではない(例:J'ai mangémanにアクセントがある)という主張(?!)

2)Ozawa/教師の指導:辞書を引く生徒の方が上手になる。教師が発音を注意しても、うまくはならない。(へ一!)

3)Takaoka/Un essai de cours de phonétique par les chansons:シャンソンを素材に、ポイントとなる音の学習、dictéeなどを用いてフランス語を学習する。最終目標は歌えるようになること。

4)Katayama/インターネットでの教育情報交換:Le mondeなど新聞のフロントページは無料でとれる。その他便利なサイトのリスト紹介。

5)Nakamura/Phonétique et grammaire:言行為をあまり広げずに、制限したものを繰り返し、覚えさせるようにする。

6)Tanaka & Himeta/Vidéo «PARIMANIE» sur Internet:インタラクティヴなソフトを開発中。問題は著作権!

7)Besiat/Si!ent Way:カラーチャートを用いた独特の発音習得法。

8)Tanaka/養成教育から言語教育研究へ:これまでは学習環境の研究が主流であり、学習者自体の研究が欠けていたのでは。

9)Fujita/フランス語授業のためのデジタルカメラ活用法:日本の街の中にあるフランス語(間違っているものも、フォレットForêt、フェスFées)を写真に撮り、直接TVに接続し、教材として利用する。(カメラを買おっと思ったの私だけではないのでは?)

10)Leroy/Ressources théâtrales pour la classe:初級者にgesteを教え、言語で足りない部分を補う。黙っていたのでは損をするという雰囲気をクラスに作り、学生の活発な授業参加を促す。專門外の学生に年間150語覚えさせるために常に150の物(例:une disquette formatée Macintosh, une bouteille de Fanta orange vide)を携帯している!(すごい!)

11)Iwabe/全学共通テストは有効か?:テキストの異なる2外の学生720人対象に共通テストを実施。各担当教師はそのテストの結果を成績に組み込む学生はおさらいテストとして嫌がらずに受けている。問題点:4肢選択問題のみ、自由作文、発話なし。

12)その他の情報:「PROTOOL」マック用の波形を見ながら発音練習ができるソフト。スピードを下げてもピッチが下がらないのが特徴。

 以上。経済的、時間的余裕のある方は是非一度関西のランコントルにも参加されることをお薦めします。

(K.M.)

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■例会報告2

 10分間発音練習一20回分 (井上美穂さん)

 まず井上さんが授業毎に行う発音練習(20回分)を提示。(註:→印は参加者から出た意見)

 原則は:(1)発音と読みに関する知識は小出しに。(2)綴りと読みの関係は前期に。(3)練習で取り上げるsuprasegmental:@リズムグループの最後の母音ははっきりとのばす。(前期に徹底的に)Aリズムグループの最後は声を上げる。B発話全体を通じて円唇性の不足を直す。→早いうちに行う。◎印を文字の下に付ける。(4)リズムグループの区切り方は、文が長くなれば無理せずに2つに区切る。(5)完璧さを、全部を一度に求めない。Interlanguageの考え方を応用。(6)/広母音の違いは練習しない。発音記号を狭母音のものに統一。→archiphonème[E][O][?]にする。→後のことを考えたら違いを教えた方がいい。自分のクラスに合った分け方をする。(7)鼻母音は3つ。(8)音節の切り方を教えずにeの読み方を切り抜ける。

 実際にやってみながら練習方法を説明。(いつも元気にぐんぐん引っ張っていく井上さんのクラス運営テクニックには脱帽!)各項目には例と練習に使う単語、文が記されていて、毎回印を書き込みながら練習をする(伸ばす最終音節には下線、読むものには○、読まないものには×、複合母音字を○で囲む、リエゾンする箇所には印、上げ下げする箇所に矢印等)

発音練習(註:母音字=V、子音字=C)

(1)最後の母音ははっきりと。文が長いときは2つに分けて。

(2)語末子音=一般に発音しない(注意:crflcarefulと覚えると覚えやすい!

(3)語末のe=読まない。語末の氏Ce+C=[e]と読む。→me, te, jeなど一音節語は?(今まで問題になったことはない。)

(4)母音字の読み方(ai, ou, (e)au, eu, oi, u)

(5)リエゾン→リエゾンしないものも例の中に含めた方がいい。

(6)語頭・語中のeの読み方[E](é, è, ê) [E](e+CC)[]/読まない(e+C)+発音クイズ(appeler)

(7)鼻母音(on, an/en, in/un/ain/ein)

(8)g+V=[g](g+a, o, u)/[3](g+e, i, y)+発音クイズ(manger)

(9)c+V=[s](ce, ci, ,cy/ça, ço, çu)/[k](ca, co, cu)+発音クイズ(commencer)

(10)sの読み方:[s](V+ss+V)/[z](V+s+V)(語末のsは発音しない)

(11)h-(発音しない), qu-[k], -tion [sj], -i1(ill) [ij]

(12)gn=[], ch=[], th=[t]

(13)声を上げる、下げる。

(14)唇に力を入れて丸めて突き出す。→円唇は(1)の段階から◎印を付けておき注意させる。

(15)最後の母音、声の上がり下がり、唇の丸めに注意!

(16)[y][](唇に力を入れて)

(17)鼻母音[][][]([][]より唇を丸めて。[][]より唇を横に引っ張って。)

(18)[R][3][R]は決して難しくない。できるとフランス語らしくなるので、(2)の後に持ってくる。

(19)(20)まとめ

(予定時間を知らせるタイマーの音とともに説明が終了したので、一同拍手!)

 全員で、問題点、意見を出し合い検討し、その後「フランス語21」に合った発音練習に作り替える作業をグループに分かれ行う。時間に制限があり、話し合いの時間が十分でなかったので、次回は今回できた練習をさらに検討する予定。ここには詳細は書ききれないので、実際に参加してみてください。

(K.M.)

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Péka Info

 会計報告

 大変遅くなりました!1997年度の会計報告です。今回は少し面倒なお話をしなければなりませんが、今年度(1998)以降のPékaの活動に係わってくることなので最後までともかく読んでください。

収入の部

 カンパについて(1)Pékaの活動は、それに賛同参加される皆さんのカンパによる独立採算を目指しています。「会費などを徴収しては?」という声もありますが「誰もが必要に応じて行き来できるcarrefourであるためには組織化するべきではない」という設立以来の精神が結局は尊重されています。L'année 97-98 c'était l'année du record! 会計係が財政困難を強調したせいではないと思いますが、多くの方からカンパを頂きました。その多くは例会に参加の機会にカンパしてくださる方々です(Merci!)が、郵便振替口座を利用してカンパしてくださる方もいらっしゃいます。ある日突然、郵便局から「入金のお知らせ」が届く…振替用紙には飾り気のない伝言がひとこと…なんか、すごく嬉し?い。「忘れていないよ、一緒に考えているよ。」という声が届いてきます。

 フランス政府補助金について:今年度からは補助金は出そうもありません。過去二年においてはMaiffrédy氏の御尽力と各方面の御厚意により、かなり危うい方法ではありながら補助金を受け取ることができましたが、今年度のフランス側の大幅な組織改変(予算の削減?)後はそれも難しいようです。

 例会参加費について:倉住氏をお招きした927日の頃、Pékaはとてもビンボーでした。「外部の方に話をしてもらう時はお礼をする」という慣例があるため、急遽会費を集めました。

 セミナー繰越金について:1989年に第一回フランス語教育セミナーが行われ、それをきっかけとしてPékaができたわけですが、以来Pékaのメンバーが中心となってセミナーの運営をやってきました。最初のころはフランス政府からの助成金も多く、残金はPékaの活動に利用してよいということだったので、セミナーの口座にPékaのお金がストックされているという形になっていました。しかし、1997年度のセミナーからは、「セミナーの収支はPékaとは分けて考える」ということになりました。これは、セミナーの共催団体である日本フランス語教育学会からも補助金が出るようになったためです。(セミナーに対しての補助金であり、Pékaに対してではない。)そこで、セミナー用には新しい口座を開設し、今までの口座は閉じて残金をPékaの口座に移しました。

 「財産」の使い道について:前年度繰越金の中にある「中川氏基金」と今年度入金した「セミナー繰越金」を合わせたの財産となっています、これを有効利用する方法はないでしょうか。皆さんのご意見を100万円程がPékaお聞かせ下さい。

 カンパについて(2):というわけで、結果的にPékaは独立採算を余儀無くされるところとなりました。郵便局の近くを通ったら、Pékaや仲間達のことをちょっと思い出してください。(郵便振替口座の情報は、Newsletterのタイトル下に注目!)

支出の部

 講師謝金、接待費について:謝金が充分に出せないので、倉住氏と(当日一緒にPékaに参加してくださった)彼の同僚の方を「Pékaの焼き肉屋さん」に招待しました。

 NewsLtter印刷代について:今までは、NewsLetterの作成から発送までを一手に引き受けてくれている野池さんの持ち出しになっていましたが、きちんとお支払いすることにしました。

 会場費について:上智大学は、1997年度4月から、外部団体に対して会議室の使用料を請求することとしたそうです。419日の例会についてはもうキャンセルできない状態だったのでそのまま使用し、残りの日程についてはキャンセルしてもらいました。

 以上です。Pékaの財政についての基礎知識の無い方にもわかるように書いたつもりですが、疑問や質問がありましたら会計係までお問い合わせください。

(会計係 鵜澤)

 

Péka Info

 次回「練習問題の作り方」について

 前回の発表では練習問題の分析を基に教科書の分析をしましたが、今回はそれを踏まえて、どのように練習問題を補っていけばいいのかを考えるものです。今回は、より具体的な検討をしたいと思い、朝日出版社から出ている「Partir pour Paris」を題材として用いたいと思います。最近のヴィジュアル重視、内容軽減、コミュニケーション重視といった傾向を反映しているものとして選んでみました。

 みなさんからの意見も出していただきたいので、事前に1課、7課、12課を検討していただき、みなさんなりの補完の仕方をもちよっていただけたらと思います。

 なお、「Partir pour Paris」をお持ちでない方は、片山(045-383-2091)まで御連絡いただければ、コピーをお送りいたします。

(M.K.)

 

次回のお知らせ

●日時:1998620() 14h30?17h30

●会場:上智大学四谷キャンパス6号館3311教室

●テーマ:10分間発音練習一20回分(2)(井上美穂さん)

     練習問題の作り方(片山貢さん)

  なお、上記Péka Infoもご覧ください。

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