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NO.49

 

タイトル:最初の授業をどうするか

担当者:大塚志乃・北見秀司

テーマ:構成、クラス運営

キーワード:導入、PR

 


Péka Pédagogieを考える会

NEWSLETTER 49

le 12 avril 1998

 

102東京都千代田区紀尾井町7-1

上智大学外国語学部

田中幸子研究室 tél.03 3238 3742

 

■例会報告

 最初の授業をどうするか (大塚志乃さん・北見秀司さん)

 大塚、北見両氏は自身の体験から、フランス語の履修者を獲得するためには最初の授業で如何に学生たちを引きつけるかが重要であると実感し、どのように進め、どのような事を伝えたら効果的かを探ろうとこのアトリエを提案しました。両氏がそれぞれの経験から問題点を提示し、その後グループに分かれて討議。学生を既習者・未習者に分け、またそれぞれを選択前・選択後に分類して、問題点を話し合い最後各グループででた内容を全員で考えました。

1) 中学・高校で教えている大塚氏の場合、高校では殆ど問題なかったが中学での教育に戸惑った。問題となった学級は、東京文化女子学園/中学2年生/選択必修(50分×2)/既に1年間学習/6限目/生徒数20人というクラス。春休みで殆ど忘れていた為«Bonjour»から始め、フランス語を口に出すことを狙ったが結果的に1年間は失敗であった。中学生達は人前で恥をかきたくない、テキストが短大用の«Le français sans traîner»だったので内容的に中学生には難しかった、等が原因として挙げられるが何といっても、1時間目の出会いで生徒たちの弱点を突いた事で反抗的になられてしまい、それが1年間尾を引いてしまったのが最大の敗因と感じている。

2)数カ所の大学で第2外国語としてのフランス語を教えている北見氏は、ある程度覚悟して選択してくる第1と異なり、2外の場合はいかに興味を植えつけるかが問題として、フェリスで北見氏が行っている授業を紹介した。半期の入門コースを受けてから学生達は改めてフランス語、ドイツ語、スペイン語、イタリア語、中国語、韓国語の中から一ケ国語を選択するシステムのフェリスでは各語学間での競争が激しく履修者獲得の為強くアピールする必要がある。その為北見氏は、1時間目に日仏の生活比較、パリの多様性(人種、大学での年齢等)、生活のレベル、休暇の比較などを織りまぜながら個人的体験を中心に話し学生の興味を引くよう努力している。

 最初の授業の内容は@選択済の学生とA選択前の学生では異なる。@の場合、授業の進め方、辞書の説明、教科書の説明、評価の仕方などの話になるが、Aの学生の場合はフランス語を学ぶ宣伝を必要とする。しかし1時間目に一気に話してしまうのではなく、1年間の授業の中で、フランス文化、フランス語の広告だけではなく、学習意欲を削がない程度にマイナス面も伝える事が大切である。最初は教師も学生も緊張しているので、とにかく内容は簡単に軽くし、にこやかに進める事が大切であるという意見がでた。

 次にPékaの会員達が最初の授業で行っていることをアットランダムにリストアップしておきます。

@選択済の学生:

 ・1年の予定発表、授業の進め方アンケートをとる(興味のあること、希望、学習の感想など)一興味の対象を知る

 ・「優」の取り方

 ・自己紹介ゲーム(クラスの雰囲気が良くなる)?初学者は日本語で、既習者はフランス語で教師が自己紹介をしてモデルを示す。プリントを配付、何回も読ませる

 ・安心出来る、優しい印象を与えるよう努力する

A選択前の学生:

 ・軽いイメージから導入?食べ物、旅行など

 ・教師の自己紹介

 ・グループ分け

 ・アンケート

 ・登録カードを作らせる

  _住所、氏名(本名)

  _プリクラを貼らせる

  _フランス人のprénomを配り好きな名を選ばせる

  _時間割を書かせる

 ・アルファベットを教える(英語との比較で教える)

 ・アルファベットで自分の名前を言わせる

 結論として最初の授業では様々な方法を各自試行錯誤しているものの、

 ・授業内容のインフォメーション

 ・フランス語に関するインフォメーション

 ・楽しい要素を盛り込みクラスの雰囲気を盛り上げ、次につなげることに落ちつくようです。

(Y.T.)

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Péka Info

 次回について

 「10分間発音練習一15回分」

 毎回の授業で10?15分間位の発音練習をしたいが、どのようにやってよいのかわからない…とお考えの方は多いと思います。過去2年間の試行を経て、不完全ながら「小出しの発音練習」を皆様にお伝えします。参加者全員で手分けして、『フランス語21(白水社)の発音練習マニュアルも作りますので、必ず『フランス語21』をお持ち下さい。

(M.I.)

 

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 例会スケジュール変更

 前号で今年度の例会スケジュールをお知らせいたしましたが、その際、第4回の例会は学会と日程が重なるため変更の可能性があると申し上げました。221日の例会で、出席された皆さんの賛同を得て、第4回は1024日から1031日に変更になりました。なお、会場等は変更ありません。

(H.N.)

 

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 茨城大公募結果の報告

 皆様御存知のように、昨年9月にNewsLetter45号と共に茨城大学人文学部教員の公募書類をお送りしましたが、去る35日、茨城大学の神田大吾さんより下記のようなご丁寧なmailをいただきましたので、皆様にお知らせいたします。

《昨年918日付けのメールでお知らせいたしました、弊学人文学部コミュニケーション学科「文化変容論」の担当教官公募について、ご報告いたします。

 去る218日の弊学部教授会で提案され、本日35日に投票があり、採用が決まりましたのは「フランスの移民問題を研究している29才の女性」です。これから手続きが行われる段階ですので氏名を出すのは差し控えますが、教授会での提案資料によれば「フランスの外国人住宅事情_歴史的変遷と現在」等の論文がある一方、「市民団体「住宅への権利」の相談員としてのフィールド・ワーク」の経験者です。

 神田は他学科の人間ですので、選考経過等に関る詳しいことは分かりませんが、伝え聞く所によれば「応募者は30余人。その内6人がドクトラ取得済み」だそうで、その人数といいレベルの高さといい、Pékaの皆様のお友達やお知り合いの方々、あるいは御本人様がご応募してくださった賜物と確信しております。いわゆる文学系の研究者にとって逆風が吹いている中、フランス系の研究者が採用できることになりました。本当にありがとうございました。

 簡略ながら取り急ぎ、ご連絡かたがた御礼まで。》

以上です。

(H.N.)

 

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 住所録送付について

 前号で皆様にこのNewsLetter、とともに住所録をお送りすると予告いたしましたが、新入会員がいない(連絡が来ないだけ?)こともありますし、また、80円で送れない可能性なども考慮いたしまして、今回は見送ることにいたしました。作業量が極端に増えますので、すでに遅れている発行・発送がますます遅れることになるからでもあります。

 皆様のご要望が強ければ、次号に同封するなど、あらためて考えたいと思います。ご意見をお聞かせください。

 

次回のお知らせ

●日時:1998418() 14h30?17h30

●会場:上智大学四谷キャンパス6号館3311教室

●テーマ:「10分間発音練習?15回分」(井上美穂さん)

     Rencontre pédagogique報告」(西山教行さん)

  なお、上記Péka Infoを必ずお読み<ださい。

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