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NO.44

 

タイトル:評価について 

担当者:田中幸子

テーマ:構成、評価

キーワード:口頭表現、DELF、採点法

 


Péka Pédagogieを考える会

NEWSLETTER 44

Ie 10 juin 1997

 

102東京都手代田区紀尾井町7-1

上智大学外国語学部

田中幸子研究室 tél.03 3238 3742

郵便振替口座00120-1-764679 PEKA

 

■例会報告

 評価について (田中幸子さん)

 今年度最初の例会のテーマは「評価」。一口に評価といっても様々な切り口がありますが、今回は1)DELFを授業に活かす試み」、2)「教師のformationとしてのPaの評価」という視点からディスカッションを行いました。

1)まず、Pékaの皆さんはどうやってオーラルを評価しているのでしょう。実際の例をいくつか挙げてもらいました。

 *LLで学生の発話を録音し、印象で評価する。

 *フランス語21の詩などを暗唱させたり、会話を演じさせる。平常点として評価

 *音読。

 *体験談や父母のなれそめを話す。インタビューをする。参加点として評価する。

 これに対し、評価とはそもそも点数をつけるためのものなのか?という疑問が出ました。さらに、平常点の中身とは?奥深い疑問ですが、今回は一つの例として、DELFを授業に取り入れる試みを田中さんが紹介してくれました。

まず、学生がDELF A1 Oral 2の課題を行ったビデオを見ました。学生は大学でフランス語を始め、週2コマ授業を受けてきた3年生。「友達をスポーツ観戦に誘いなさい」という課題を与えられ、グループで20分ほど準備した後、教師を友人に見立てて誘います。我々はビデオを見た後、DELFの採点表に基づき、グループで学生に対する評価を行いました。評価は、Compétence de communicationとしての1)Compréhension de la situation proposée 2)Adéquation des actes de parole 3)Capacité à répondre aux sollicitation de l'interlocuteur、そしてCompétence linguistiqueとしての1)Compétence phonétique, prosodique et fluidité 2)Compétence morphosyntaxique 3)Lexique4)Prime de risquesに関してそれぞれ3?5段階評価で行い、合計点を得点とします(1)。その結果、グループ間の採点にはかなりの一致が見られました。田中さんによれば、DELFのような試験問題をアイディアのもととして授業で活用してみると、

 *自分の学生たちのレベルを再確認できる。

 *教える側の弱い部分も見えてくる。

といったメリットがあると考えられます。一方、授業内で教師が採点する限り主観が入ることは避けられないといった限界も指摘され、評価は他の教師がやる方が望ましいのではという提案も出ました。

2)後半はがらっと視点を変え、Pékaの活動自体を評価してみました。グループディスカッションを行ったところ、以下のような意見が得られました。

  *Pékaに関する説明書をEDJFに挿んだらどうか。(決定)

 *ニューズレターをもっと早く送る方がよい。(決定)

 *インターネットのホームページやメーリングリストをつくったらどうか。

 *もっとお互いのクラスを見学できるようにしたい。

 *学生同士の交流をもっと深めたらどうか。

Pékaのメンバーのニーズや活動の目的・内容に関してはまだまだ話したりないので、次回も引き続き議論していくことになりました。一言も二言も言いたい方は、是非いらして下さい!

 学生に対する評価、教師の再教育の場としてのPékaの評価という二つの「評価」を考えてみたことで、色々な評価があり得ることが再確認できました。学生に対する評価は、点数をつけるためのもの、弱いところを見つけるためのものなど更に細分化して考えられるでしょうし、学生が教師に対して行う評価、教師の自己評価などのように、今回扱ったものとはまた別の評価も考えられると思われます。教師には良くも悪くもついてまわる評価ですが、実はとても奥深いものだと改めて感じさせられました。

(R.T.)

 

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Péka Info

 9月以降の会場変更について

 前号(43)でお知らせしましたように、すでに例会の年間スケジユールとその会場が決定していたのですが、その後、今年から会場費が必要になるということが判明しました。

 4月の例会で、「会場費を払って従来の会議室を使用するか、多少不便でも無料で借りられる教室にするか」についてPékaの財政状態も含めて話し合ったところ、後者の意見が多数を占めましたので、再び田中幸子さんにお願いし、会場の変更を届けていただきました。

 従いまして、621日は従来通りの7号館11階第2会議室ですが、そのあと927目から221日まで、6号館3311教室になります。前号の時点では221日の会場が未定でしたが、このたびは221日の分も合めて手配していただきました。すでにagendaにスケジュールを書き入れている方は変更を忘れずに。

 なお、今後無料の会場確保が難しくなる事態も考えられます。やはりPékaの財政について、今まで以上に真剣に考える必要がありそうですね。

(H.N.)

 

次回のお知らせ

●日時:1997621()14h30?17h30

●会場:上智大学四谷キャンパス7号館11階第2会議室

●テーマ:初心者へのsensibilisationについて(高瀬智子さん)

     中級購読授業の活性化について(磯脇幸恵さん)

     Pékaの評価(続き)(田中幸子さん)

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