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NO.4/5

 

タイトル:フランス夏期教員研修参加者からの報告 第1弾

担当者:林・野池・神郡・佐原

テーマ:研修

キーワード:ブザンソン、CLA、socio-culturel、読解、
パリ、授業観察、サンテティエンヌ、方法論

タイトル:フランス夏期教員研修参加者からの報告 第2弾

担当者:中野

テーマ:研修

キーワード:ヴィシー、CAVILAM、評価、DELF、DALF、表現力


 

今回のニューズレターは、第4回9月22日と第5回10月20日の2回のミーティングの報告です。つづけてがんばったのは、夏休みの記憶の新たなうちに、教師研修コースの体験談を交換しようということからでしたが、期待に違わずそれぞれの行き先ごとに盛り沢山且つ特色のある研修内容の報告があり、興味が尽きませんでした。なお、ニューズレター執筆者が、(単に)うっかりして10月20日の案内を出し忘れてしまったため、ご迷惑をかけました。ごめんなさい。

第4回 9月22日(土)

◆連絡事項

1)11月25日に日仏学院でjournée pédagogiqueが例年通り行われます。奮って参加してください。なお、福井先生が「中・高におけるフランス語教育を考える」と題してAtelierを行われるそうです。(小石)

2)ICUの市川さんがパリに行きました。利用できる人は利用して下さい。(鵜沢)

◆フランス夏期教員研修参加者からの報告 第1弾

(1)CLA Besançon (林)

2週間で1単位の45 Modules, 6 Optionsの中から、林さんが選択したのは

Socio-culturel, Approche Sociolinguistique de la Langue Française, Méthodologie

中でもSocio-culturelでは、街へ実際に出てインタビューをして録音した音声資料をクラスに戻って文字化し、教科書で使われているフランス語と現実に使用されているフランス語の差異について考えるなど、興味深かったとのことです。

教員研修ということで、受講者側も教師だからanimateursに対する評価もシビアだった、「ひっぱっていく力」というのは、何だろう? 授業の中に何か印象的な「山」をつくっている教師と、そうでない教師がいる。「ひっぱっていきかた」は大切だな、というのが林さんの感想。

(2)Fondation Post Universitaire Internationale, Paris (野池)

午前は教室での教え方の実際面に関するレクチャーとTP、午後はobservation de classesというプログラムでした。午前の部分は毎日が独立した内容で、それぞれが興味深かったということですが(詳細はレジュメ参照)、この授業の部分とobservationが連動していなかったのが残念だった、というのが野池さんの感想。

野池さんが見学したクラス(Foyer International d'Accueil de Paris : FIAP)では、"Bienvenue en France''を使って先生がビデオに関するQ&Aをやっていたそうです……一同、午前中のTPで作成したFiches pédagogiquesが見たいと希望。これについては野池さんから12月1日のミーティングのときに話がきけるそうです。

(3)CLA Besançon (神郡)

林さんと同じ場所でしたが、神郡さんは

la lecture en FLE, le perfectionnement d'écrit, la correction phonétiqueを履修しました。

 教師自身の語学力を高めると同時にクラス内での指導方法についても考察するといった、実際的な内容だったそうです。神郡さん自身が一番面白かったのは、la lecture en FLEだったということで、この内容について詳細な紹介がありました。(レジュメ参照) 時間が足りなかったため、話のつづきは12月1日に繰越しました。お楽しみに。

教室での指導ということを考えれば考えるほど、日本のフランス語教育向上のためにはクラスの人数を減らすなど、システム全体を考えなおさなければダメだな……という神郡さんの感想。

(4)St Etienne (佐原)

東ドイツ、エジプトの高校教師の混成グループに日本人がたった一人!というグループで、充分に「脱日本」を果たした佐原さんの体験談。

東ドイツからの先生達は、とにかくフランスの文化・社会を勉強したいという希望が強かったのに対して、エジプトの先生達は比較的méthodologiesに興味があり、documents authentitiquesをめぐる議論(authentiquesというからには全く加工すべきでない、という立場と、加工しなければ生徒たちにむずかしすぎる、という立場……)、chansonsの使い方、文法、音声学(アラビア語を母語とする生徒にどう発音矯正するか)など、盛り沢山の内容でした。

「教えるときに、どこまでゆるしたらいいのかな?」 日本の受験問題にでる、発音関係の問題は、あれは何なんだろうか? 実際のフランス語の姿と照らしてみて、日本のフランス語教育で、細かく厳しく教えているけれども、許される範囲がもっと広くなれば風とおしが良くなるのになあ……という佐原さんの感想。

◆これまで、「フランス語教育研究会」という仮称しかありませんでしたが、相談の結果、 Pédagogieをかんがえる、Pékaということになりました。どうぞよろしく。

 

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第5回 10月20日(土)

◆連絡事項

1)10月27日・28日に仏語仏文学会が仙台でおこなわれるのと併せ、フランス語教育学会の大会も行われるので、そのときにPékaの宣伝ビラを配ろう。(Pékaのできた経緯、目的、将来やりたいこと、いままでにやった報告、連絡先を記す。)

2)今年も11月10日から1月まで、フランス語教育セミナー(第2回)が行われるので、同僚などで興味のある人に声をかけてください。

去年のセミナーのまとめを印刷物にしたらいいのではないかという話がある。セミナーの内容の概要はもちろんだが、参加者からの教案や授業見学のまとめも載せたらどうだろうか?……

◆フランス夏期教員研修参加者からの報告第2弾

CAVILAM Vichy (中野)

CAVILAMの教員研修コースは(1)Perfectionnement linguistique,(2)Civilisation,(3)Didactique FLEの3本建てになっていますが、中野さんの選択した中から、特に評価とDELF/DALFをめぐる問題、およびJeux et techniques d'expression dans la classeについて詳しく報告がありました。

1) 評価とDELF(Diplôme élémentaire LF)とDALF(Diplôme approfondi LF)について

これは近く日本でも日仏学院が窓口となって実施されることになっており、仏検とも競合することになるので興味深い問題です。中野さん自身も、クラス内でコミュニカティブな方法を取り入れても、その評価をどうするかということで悩んでいたので、評価に関する講座をとったということです。具体的には、参加者の母語に起因する問題点を出し合ってから、文法の練習問題を見て、どこが使いにくいか等の検討を行い、補足問題を作成する、といったワークショップだったということでしたが、グループ作業やディスカッションを中心に参加者が主体的に出しあい、教師は助言・animtionを行っていて、コミュニカティブ・アプローチがすみずみまでいきわたっているな……というのが中野さんの感想。

コミュニカティブ・アプローチにおける評価は、その基本に、「学習目標が設定された段階で評価基準もそれに合うようなものが設定されるぺきだ」という考え方がありますが、この評価のワークショップについては、質問が続出・議論白熱し、評価に対する皆の興味の深さが浮き彫りになりました。なお、DELF/DALFについては、田辺保子さんが『フランス語教育17』(1988-1989)p.42-50に「外国語としてのフランス語のための新しい国家資格DELF,DALFについて」と題して紹介しておられるので参考にしてください。

2)Jeux et techniques d'expression dans la classe は、実際に「ミステリー」を再構成する課題を皆でやってみました。なかなかむずかしい!中野さんは高校でやってみたそうです。講座では、こういうactivitéが自分のもっている学生に合うだろうか、合わないとすれば、どこを変えたらよいだろうか、ということを考えたそうです。

★次回のミーティングは、12月1日午後2時半から5時まで、

日仏学院 Salle 11(ロビーま上、トイレの横の部屋)で行われます。

夏期教員研修報告の何と第3弾、主に野池さんと神郡さんから話がある予定です。他にも良いアイデアがありましたら、お寄せください。また、ミーティングが終わってから、早めの忘年会をします。

予約の都合上、参加する方は、11月20日までに、小石さんまで連絡してください。

ご多忙とは存じますが、奮ってご参加ください。

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