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NO.36

 

タイトル:Leçon O(zéro)で何をするか

担当者:鵜沢恵子

テーマ:構成、クラス運営

キーワード: Lecon 0、初めてのフランス語、導入

 


Péka Pédagogieを考える会

NEWSLETTER 36

le 18 fév.1996

 

102東京都千代田区紀尾井町7-1

上智大学外国語学部

田中幸子研究室 tél.03 3238 3742

郵便振替口座00120-1-764679PEKA

 

■例会報告

 ワークショップ一Leçon O(zéro)で何をするか一 (鵜沢恵子さん)

 12月のペカの例会では、「フランス語をはじめて学習する人たち」の教室で、最初の何回かでどんなことを扱ったらよいか……ということについて考えた。対象学習者はdébutants complets。私たち教師にとっては、もうあまりにも「あたりまえ」になってしまったことを、全く知らない人たち。

 前半は、4つのグループに分かれて、<私たちなら、こうやる>というアイデアを出し合うことになった。「最初の数回……というのは、そもそも何回ぐらい使うことが必要(であり可能)なんだろうか」とか、「クラスの人数がどのぐらいかによって、やる内容も変わるのではないか」、「コース全体が何時間ぐらいあるかによっても内容が変わるのではないか」……など、いろいろ疑問が出されたが、とにかく、そういうことは一応度外視して話し合いをしてみようということになった。各グループから出されたアイデアは……

 <グループ1

  フランス語ってカンタンなんだ!

 「フランスが…」とか「フランス人が…」という形で受け取っているものだけがフランス語ではないらしい、ということを意識させるのが目標。自分たちが今まで考えてきたのはステレオタイプだったということを意識させるような活動をやる。発音とか発音とつづりの関係などは、徐々にやっていって、2ヵ月ぐらい経ったところでまとめをする。教室で使うフランス語を紹介するなども一つの方法。

 <グループ2

  日本語で自己紹介。教室で使うフランス語の紹介。日本で目にするフランス語の単語(店の名前、雑誌の名前、日常に使っていることば……)をプリントで配って、読ませてみる。「ふうーん、こんなことばも、もとはフランス語だったのか」「なるほど、英語とはちょっと読み方が違うみたい」などに気づかせればOK

  1分以内ぐらいの、まとまりのある、そんなに易しくない音声資料を聞かせるというのもあった。「何でもいいから、拾い出してみよう」と指示し、数回聞かせる。1回聞かせるごとに、聞き取れたことを隣と交換させる。聞くたびに相手を変えて交換することを繰り返して、全部で5回ぐらい聞かせる。最終的に、ある程度(半分とか)は聞き取れるんだ……ということが意識できれば0K。つまり、「全部わからなくても、わかる部分が少しでもあればいい」ということを考えさせるのが目標。

 <グループ3

  黒板に式を書く。そうして、「1年間にどのぐらい試験をやって、出席率はどのぐらいを要求して、最後にどうやって評価するか」について話す。「高校までの英語の時間とは、目標も方法も違うんだよ」ということについて了解させる。または、『フランス語21』の最初の課をやる(Vous vous appelez comment? Vous habitez où)。「ビビロロ」をやって、びっくりさせる。「フランス語でどんなことばを知ってますか?」と聞いて、いろいろ出させる(「カフェオーレ」はcafé au laitだったんだねとか)。または逆にcafé au laitと書いて、あてさせる。または立ったり動いたり握手させたりする。いろんな状況を設定して(嫌いな相手とか、知らない人とか、すごく好きな人とか……)いろいろなイントネーションとか表情で”bonjour...”を言ってみる練習。

 <グループ4

  音声なしでビデオを見せて、口の開け閉めの具合で、どれがフランス語をしゃべっているところか、あてさせる。互いに話し合って決めさせる。「フランス語をしゃべるときは、力を使わなくちゃ」……

 ……グループのアイデアを出し合ってみると、結局今回集まった人たちがLeçon zéroで扱いたいと思っているのは、大きく分けて次の3つのことであることがわかった。

 (1)apprendre à apprendre(学習の進め方)

 (2)image du français(フランス語はどんな言語かについての大まかなイメージ)

 (3)fomer un groupe-classe(これから一緒に学習するグループのまとまり)

 さて、後半は、鵜澤さんが東京日仏学院で担当している「入門クラス」の学習者がつくったやりとりを見て、「こういうやりとりが作れるということは、学習項目として何を導入したのか」ということを考え、さらにそのうちのひとつの項目(誕生日とか電話番号、年齢が言えるために必要な数詞)をどうやって導入するか……ということを考えた。……最後は「実録授業」「授業実演」から、全員参加しての「集団ロールプレイ」状態。ニューズレターでは、とてもその場の雰囲気を伝えきれるものではありません。詳しくは、EDFJ5号のワークショップ報告をお楽しみに!

(st)

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Péka Info

 御花をお送りしました

 去る117日、Pékaより故中川努さんのご家族に御花を送りました。後日、御母様よりお電話があり、「努のことを覚えていてくださって嬉しいです、と皆様にお伝えください」「以前にお手紙をくださった方々にもよろしく」との御挨拶をいただきました。

(うざわ)

 

Péka Info

 住所録データについて

 次号ではNewsLetterと一緒に96年版のPékaの住所録をお送りしようと考えています(まだあくまで予定ですが...)。なるべく最新の正確なデータに基づいて作成したいと思いますので、昨年以降住所や勤務先などのデータに変更があった方は、お手数ですが何らかの手段(郵政省mail、電話、faxE-mail、人づてなど)で連絡係の野池までお知らせください。勝手ながら320日までにお願いします。変更だけではなく、faxE-mail addressなど、新しく導入された連絡手段がある方ももお教えください。

 なお、住所録に掲載されたくない方、あるいは掲載したくないデータ(電話番号など)がある方はお申し出下さい。ご希望に添うようにいたしたいと思います。

(H.N.)

 

次回のお知らせ

●日時:1996224()14h30?

●会場:上智大学四谷キャンパス10号館322会議室(3)

●テーマ:フランス長期研修報告

     (長野督さん・西山教行さん)

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