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NO.35

 

タイトル:構成、クラス運営

担当者:文法、学習項目、授業の組み立て方

テーマ:文法の授業を考える -その2-

キーワード:飯田良子

 


Péka Pédagogieを考える会

NEWSLETTER 35

le 5 déc 1994

 

102東京都千代田区紀尾井町7-1

上智大学外国話学部

田中幸子研究室 tél. 03 3238 3742

郵便振替口座00120-1-764679 PEKA

 

■例会報告

文法の授業を考える一その2一 (飯田良子さん)

 前回の根岸さんの実践報告に引き続き、より具体的に『文法の授業』というものを考えてみようということで、今回は、グルーブに分かれてのディスカッションから始まりました。

 テ一マは大学の第二外国語の生徒に何を学んで欲しいか?でした。条件としては……

  1)第二外国語の授業

  2)90 X (30?35)

  3)±50(1年目の学生)

を決めました。「文法」は、広い意味での文法と考え、文法そのものについて考えてもいいことにし、上記の条件での目標をグルーブごとに考えることにしました。ただし、ただ接続法まで、というのではなく、一年間終わったら、どうしたいのかを(読めるようにする、フランス語をおもしろいと思わせるなど)教え方も含めて話し合うことにしました。4グループに分かれ、まるで生徒のようにおしゃべりを楽しんでいるうちに、各グループの発表の時間になってしまいました。まずは、目標の紹介から……

 1.井上美穂さんチーム

  旅行に行って、安全に帰ってくることができるフランス語。ちなみに、旅行はツアーで、自由行動ができる程度。

 2.小石悟さんチーム

  日本人学生がフランスに行って、自由行動の日に一人で歩けることが目標。

  Le français pour draguer...だそうです。

 3.鵜沢恵子さんチーム

  簡単なコミニュケーションから始まって、辞書を引きながら簡単な本が読めるようになることが「表」の目標。そして、「裏」の目標はというと、個人の到達点よりも、興味を持って学び、1年間終わったあとで、フランス語が楽しくさせること。でも、「本当の野心」は、学生が文法などは独習するようになること。

 4.野池宏美さんチーム

  自分の殻にこもるのではなく、相手に働きかけるようなフランス語を教える。困ったときに人に聞く、話したいことを相手に伝えるなど、授業中の勉強の仕方も含めての目標。

 次に、具体的な内客、教え方に移りました。

 1.井上美穂さんチーム

  フランス語21を中心に5課までやる。動詞は-er, avoir, êtreのみ、他の動詞はあると教える程度。時制は、半過去、複合過去、近接未来(je,vous,il,elle)のみ。ただし、中間で、他の時制も体系だけを知る授業をして、存在は知らせるが、練習はやらない。冠詞は3つともやる。所有形容詞、指示形容詞、否定、疑問文はフ21の最後のぺージを使用。中性代名詞はやらない。他の代名詞はやる(だだし、語順の表はやらない)。形容詞の一致と位置をやる。関係代名詞はqui,queのみ扱う。他のものは練習をやらない。語彙として月、曜日。疑問詞はまとめて教える。最後に形に関する練習問題をする(aimer+定冠詞など)。条件法など、やってない文法項目の『あな』は一応埋めておく(2年次の先生を驚かせないためにというのが理由でしたが、これに対する反対意見も出ました)

 2.小石悟さんチーム

  être, avoir, er, aller, venir を少しずつやる。初めは全人称やらない。あとで、全人称出して、びっくりさせる。形容詞の一致。文法の説明をやらないで、学生が文法を発見していく。actes de paroleとしては、 1)あいさつ、名前 2)国籍、職業(re、人称代名詞、名詞、形容詞の男・女性形) 3)一日の活動を言う(現在形の動詞、代名動詞、時刻) 4)注文する(je voudrais..., prendre, ) 5)買物をする(qu'est-ce que, ça, couleur, 比較級 p1us,moim) 6)行き方を聞く(où, aller, 命令法) 7)苦情を言う (il y a /il n'y a pas, i1 fait chaud/froid)依頼する(voulez-vous...?) 8)掲示の読み方(付録)

 3.鵜沢恵子さんチーム

  主語、動詞があること、否定のne?

pasの位置を強調。正確な文の形を作る。語順を大切にする(目的補語のあるなし、前置詞があるかないかなど)。動詞は、主語によって形が変わる以外に、法などによって形がかわると意味が違うことに注意させる。冠詞の表す意味の文脈による変化を分からせる。今まで習った言語にない部分を強調(男性・女性、形容詞の一致など)

教え方について一意味が分かっている文をこれが何だと言う必要はない。書くことは独習できる。独習できないものを探す(発音、イントネーションなど)

 4.野池宏美さんチーム

  1)発音とイントネーションの大切さ 2)自己紹介をする(主語はje, vous) 3)あいさつ(丸暗記、イントネーション、リズムに注意) 4)困った時の表現 5)あいづちの打ち方/間の取り方 6)疑問文の練習という風に初めの5回は文法を強調しない。

 最後に、語彙と文法の境界線は曖味なので、伝統文法の項目で切っていくと現実に使うものが落ちる。actes de paroleによって分けた方がいいという意見が出ました。でも全体的にどのグループの目標も似ていて、今までの『伝統文法』を考えていた人はいませんでした。こんな結論も(まだまとまっていませんが)Pékaならではでしょうか。「文法の授業なんていらない」という過激な声もここでは当たり前?ということで十分予習をして、Journée Pédagogiqueに出陣といった戦士たちでした(このニューズレターが皆さんに届くころはもう無事終わったあとでしようが)

(K.T.)

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Péka Info

 忘年会のお知らせ

 すでに恒例となりましたが、今年も12月の例会後、忘年会を開くことになりました(ここまでは昨年のお知らせと同一文)2年ほど中華料理が続きましたので、今年は趣向を変えようと暁星の白井さんと第三書房の広沢さんがいろいろとご尽力してくださいましたが、さすがのお二人にも時すでに遅く(こちらの依頼が遅かったのです。スミマセン)、どこも予約で一杯。結局最終的に落ち着いたのは何のことはない、いつもの「寿苑」ということになりました。

 例によってお忙しい方は忘年会のみ出席ということも勿論可能です。場所は御存知の方が多いとは思いますが、今までにいらしたことのない方も大歓迎というわけで、特別に地図(広沢さんが送って下さったものを加工いたしました)を掲載することにいたしました。という訳でスペースが余ったための埋め草などでは断じてありません。ね、田中さん。

●日時:1216()18hOO?

●会場:寿苑

    新宿区四谷1-8、佐伯ビル2F

    tél. 03 3353 0036

●会費:¥6000

 

Péka Info

 次回のPékaについて

 次回はIFJTの授業を紹介しながらleçon 0について皆で考えてみようということになりました。皆さんもleçon 0で取り扱うべき項目やその取り扱い方についてのアイディアを、また現に担当されている方は資料などを持ち寄りましょう。

(以上2項一H.N.)

 

次回のお知らせ

●日時:1216()14h30?

●会場:上智大学四谷キャンパス7号館11階第2会議室

●テーマ:Leçon 0 ?Priorité à l'oral

     (鵜沢恵子さん他)

なお、上記Péka Infoもご参照下さい

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