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NO.28

 

タイトル:『中級文法を者える』 

担当者:善本孝・井口早苗・西村亜子

テーマ:実践、文法

キーワード:中級文法、教材

タイトル: 『フランス語教育にいかにコンピュータを利用するか』 

担当者:増茂和男

テーマ:環境、コンピュータ

キーワード:パソコン

 


Péka

Pédagogieを考える会 NEWSLETTER 28

le 18 sept. 1994

■例会報告1

 『中級文法を者える』 (善本孝さん・井口早苗さん・西村亜子さん)

 それはそれは暑い夏の午後のことであった。上智大学7号館11階第2会議室。窓が5センチしか開かないあの部屋です。今回のテーマは「中級文法」と「コンピュータ」。いずれも日頃から関心はありながら、どうも深入りできずにいる、そんな問題であったせいか、総勢20名ほど参加者がありました。

 「中級文法」ってなんぞや。文法に初級も中級もあるか。それなら、上級文法ってのもあることになっちゃうぞ。

 すぐさまそういう声が上がってきそうですが、実際、「中級文法」としか言えないようなものが必要とされ、そのような教科書不足を嘆く声もよく耳にするところです。

 そのへんの定義の問題も含めて、まず善本さんから一般的な大筋について発表がありました。それによると、今回の発表でいう「中級」とは、「大学1年次に週1ないし2コマの授業で「初級文法」として文法を一通り学習したがその知識を使いこなせない状態」。そうなんだよね。このような時間的制約が足枷となって、1年次にはどうしても、形態論に終止しがちで、内容的に「無意味な」例文、例題しか扱えない、したがって、学生にも教員にもフラストレーションが募る。うーむ。従来の「文法」と「コミュニカティヴ」とのせめぎ合いだ!

 そこを2年次に「中級」として埋め合わせようという提案です。「統括的、体系的に文法を捕らえ直し、productionにつなげる」というもの。

 このような提案が出される背景には、西村さんの報告にあったように、2年生(非専門、フランス語会話の授業)で知識や語彙はありながらproductionがまるでできない、という苦い思いがあるわけですね。

 その一方で、井田さんの報告にあったように、文法事項の知識も定着しているとは言いがたい。専門2年、年間67コマのうちの「作文」の授業。具体的に提示された学生の答案を見ても、そのことは明らか。(さすが専門だけあって、程度が高かったけどね。)

 では,「中級文法」を支えるに足るレフェランスはあるのか。ない。現行のものは仏語版の翻案で現状には合致しているとは言いがたい。そ、こ、で、『Français au présent』。今、三人で翻訳中。morphologieからproductionへの懸け橋として最適とか。待ってます。

(M.K.)

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■例会報告2

 『フランス語教育にいかにコンピュータを利用するか』 (増茂和男さん)

 時間の都合上、かなり圧縮せざるを得なかったようで残念でした。

 さて、いまだビギナーで、とご本人は謙遜されていましたが、なんのなんの、10枚にも及ぶ資料、実例を駆使しながら、それでいてコンパクトな発表で、それこそ駆けだしの筆者などはただただ感服するばかり。

 まずコンピュータで出現単語頻度リストやコンコーダンスが作れる。ふむ。エディタはお勧め。ふむふむ。出力は「一太郎」で。ふむふむふむ。次いで、フランス語のsignes diacritiquesの扱いについて一機種に依存しないフランス語表記の統一を提案されました。中川先生や山崎先生からの専門的な助言も加わり、会場はもう電脳ワンダーランド!すごいなあ。偉いなあ。話に入りたいなあ。

MS.DOSをしっかりやっておくんだったなあ。VZエディタば持ってはいるんだけどなあ。後半は溜息ばかり。資料のなかにあった参考文祓にあたって勉強します。厄介な問題でしょうに、冗談を交えながらわかりやすく扱ってくださってありがとうございました。

(M.K.)

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次回のお知らせ

●日時:102日(土)14h30

●会場:上智大学四谷キャンパス7号館11階第2会議室

●テーマ:夏期研修報告一BELC(白井春人さん・根岸純さん)

  なお、アンケート集計結果の報告と話し合いも行われる予定です。

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