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NO.25

 

タイトル:RFI放送教材とその作成過程について 

担当者:左合桜子・西村亜子

テーマ:実践、教材

キーワード:ラジオ放送、教材作成

タイトル: 「フランス語21」用Exercicesとその評価

担当者:井上美穂

テーマ:構成、評価

キーワード:フランス語21、練習問題

 


PEKA

Pédagogieを考える会 NEWSLETTER 25

le 1O avril 1994

■例会報告1
 RFI放送教材とその作成過程について (左合桜子さん・西村亜子さん)

 1994年、第1回例会は2月26日(土)上智大学図書館9F会議室で行われました。「毎過土曜日午後目一杯というハードスケジュール」と「なぜかものすごく忙しい時期に提出しなけれぱならないレポート」をめでたくクリアーしたばかりの新セミナー修了者数名を迎えて出席者は24名。確実に年季が入ってきたなと思われるペカの例会でした。
 まずは、主として第3回セミナー修了者で構成されるグループ<GUILLEMETS>によるラジオ番組作成報告から。発表者は左合桜子さんと西村亜子さん。
 脱NHKをめざした・BGM的に聞き流せる・気楽なフランス話ラジオ番組を作ってみない?というM氏の提案から始まって、番組ができたてほやほやの状態でついにCANシステムを通して放送されるまでのプロセスが紹介されました。左合さんのユーモラスな語り口で多少軽減されはしたものの、その尋常でない大変さがヒシヒシと伝わってくる報告でした。
 事前に決まっていたのは、
  ・メソッド "DITES-MOI TOUT"(RFI)
  ・対象   とりあえず若向け
  ・一回の放送時間 20分
といった内容に関する墓本線のみ。依頼主と請負側の共通の了解事項がほとんど何もないままスタートしてしまったこの計画を実現化するために、<GUILLEMETS>のメンパーは次々に筆舌につくし難い困難に直面することになりました。たとえばある日突然放送予定日が決まる、準備期間は一力月しかない、録音日程が先方の都合でくるくる変わる、同時録音テープでのチェックもできない…ないない尽くしの中でも期日には間に合わせなくてはならない。左合さんによれば毎回毎回追い立てられるようにして作ったので、一貫性もなければ方向性もなくてということでした。しかしできあがった番組を聞いた参加者からはむしろポジテイヴな感想が多く出ました。それぞれの課の担当者によって、懇切ていねいタイプ、文法重視タイプ、軽いノリのディスクジョッキータイプありといった変化もなかなか楽しい、脱NHKなのだからあえて一貫性や統一性を持たせる必要はないのではないかといったものです。
 ノーギャラ(数少ない了解事項の一つ)であること、決定的な時間不足を始めとする様々な悪条件の中、でき得るかぎりいい番組を作ろうという気持ちを支えていたのはやっぱり「フランス語に興味を持ってほしい、フランス語を少しでも多くの人に楽しく勉強してもらいたい」という教師魂だったそうです。現在は多少条件も改善され前よりは落ちついて後半部分に取り組んでいるという<GUILLEMETS>の皆さん御苦労さまです。当初は週2回放送という話だったのが結局毎日流れているそうです。「見えない相手」に教えるもどかしさも悩みのひとつとか。放送をお聞きになった方、忌憚なきご意見を聞かせてくださいとのことでした。
 ところでCANシステムって有料でしたよね。それなら番組作成者にある程度支払われるのは当然なんじゃないかと考えてしまうのは、こういう世界に疎い素人の浅はかさなのでしょうか。この件に関しては複雑な背景と込み入った事情があるようなのですが、ともあれ商魂と教師魂の違いは計り知れない程大きいのかもしれません。

 

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■例会報告2
 「フランス語21」用Exercicesとその評価 (井上美穂さん)


 種々なExercicesに関して学習者がどういう場合におもしろいと感じるか、役に立つと思うかというアンケート結果と、その結果から得られた貴重な情報を井上美穂さんが紹介してくださいました。
  対象:上智大学の英語学科1年生 42人 8人 22人 の3クラス
  フランス語学習時間:週2時間
    ・フランス人教師 1時間 Bienvenue en France
    ・井上さん 1時間フランス語21
 今回とりあげたのは「何人かの人と出会って名前、住所を聞く」、「マンガを用いた所有形容詞の練習」、「人称代名詞の伝統的文法練習問題」、など17のExercicesで、それぞれに関して、絵を使った場合と使わなかった場合、2人の場合と1人の場合といった条件を設定し、おもしろかったか、役に立つと思ったかという質問をし、それに対する答えを(そう思う/大体そう思う/あまり思わない/そう思わない/無解答)に分けた円グラフで表した。
 絵や地図があった方が、1人より2人の方が、予め決められているより創作的であった方が、学習者はおもしろいし役に立つと思うのではないかと仮説を立ててから調査をしてみた結果、意外な結果が出てきた。確かに明らかな差が出て仮説が正しかったことを証明する例もあったが、差があまり出てこない例も少なくなかったのである。
 井上さんの発表は予定の時間よりかなり遅れて始まったため、もともとハイピッチだったのがこのへんでさらに加速度を増し、ついていくのがタイヘーン。
 特に予想に反していたのが文法問題で、従来どおりの問題はおもしろくはないけれど役に立つと考えている学習者がかなり多いことが判明した。
 全体の調査結果からはつぎのような結論が導き出された。「Exercicesはこうあらねばとあまりに堅苦しく又深刻に考えなくともよい」。これはつまり絵や地図をとにかくどこかから探し出して入れなくちゃとか、2人でできるように変えなくちゃとか、なんとしても創作的にしなくてはと悩まなくても大丈夫ですよということだ。結論を聞いて肩の荷が軽くなったような気分になった方もいるのでは?
 参加者からは、やり方次第でもう少し差がはっきりと出てくる可能性もあったのではという意見もありました。また「おもしろくはないけれど役に立つと思うからやる」という学習者はどこにでもいる訳ではない、大学や学科による違いをどう取り扱うかということも話題になりました。
 最後に、アンケート調査一般について、データそのものが客観性を持ち説得力を持つためには膨大な調査結果を処理しなけれぱならないが、この量的な問題の解決と、あわせて手法の確立が待たれる。なぜなら学習者を知ることは教える者にとって絶対不可欠なことなのだからというあたりに話は落ちつきました。
(中)

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■Péka Info

 会計報告
 今回から、P駝aとフランス語教授法セミナーとを別々に収支報告することとしました。セミナーの収入は、フランス大使館の御厚意で、P駝aが使ってよいことになっていますが、セミナーの収入をP駝aのそれに組み入れてしまうことには以下の点で不安があります。
 1.セミナーが毎年行われる保障がない(収入がない年もある)。
 2.参加者数によっては支出額のほうが大きくなる可能性がある。
 3.フランス大使館関連の収入である。
 P駝aの運営は出来るだけ独立採算を目指すという姿勢を保持する(とはいえ、とりあえず10,000FFをあてにせざるをえないのが現状ですが)ためにも、セミナー関連の収入は、最悪の場合に手をつける「P嗣aのへそくり」として扱っていきたいと思います。
(会計係鵜澤)

Péka

収入の部

項 目

金 額

備 考

 前年度繰越金    259,613  
 フランス政府補助金    185,300  10,000FF
 寄附(会員カンパ)    182,O00   43件合計
   (食事残金)     11,612   5回の合針
 銀行利息        448  

合 計

   638,973  

支出の部

項 目

金 額

備 考

 印刷・製本費    285,815  EDFJNo2
 NewsLetter用通信費(切手代)     18,OOO  
 その他の通信費(切手代)      4,984  
 Péka封筒代      6,OOO  封筒代十印刷費
 講演謝礼金     10,000  木村政康氏
 銀行手教料      1,500  両替手数料
 郵便局手数料        210  印刷・製本代金振替手数料
 次年度繰越金    312,464  

合 計

   638,973  

 

フランス語教授法セミナー

収入の部

項 目

金 額

備 考

 前年度繰越金    334,010  
 郵便局利息       2,608  
 1993年度セミナー参加費    300,000  ¥25,000×12

合 計

   636,618  

支出の部

項 目

金 額

備 考

 メイリング(棄内書)     40,118  郵送費十アルバイト代
 文具代        110  領収書綴り
 セミナー謝礼金     95,000  含関西在住animateur交通費
 打ち上げパーティー費     39,868  ケータリング十飲み物等
 ビデオカセット代      3,800  セミナー録画用
 次年度繰越金    457,722  

合 計

   636,618  

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■Péka Info

 郵便口座番号変更
 5月からカンパ用に設けた郵便振替口座(名義:PEKA)の番号が以下のように変更になります。
  旧口座番号(4月まで):東京2-764679
  新口座番号(5月から):0120-1-764679
 今後ともふるってカンパをお願い致します.
  (会計係鵜澤)

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■Péka Info

 次回について
 次回のP駝aは、試験問題についてみんなで考えてみようということになりました。皆さんそれぞれ自分の作った試験問題を持ち寄ってください。
<お約束>
 1.学校名・学年などの情報を与えるものは消す。
 2.聞き取りの問題などはスクリプトをつける。
 3.1O部ほどコピーする。
 4.別紙に試験を行ったときの状況(学校名・学年・進度・成績、etc.)を書いておく。
 (K.U.)

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■Péka Info

 講演会のお知らせ

 「社会に関かれた言語教育をめざして」

 言語の学習と教育が社会の中でどのような役割を果たすことができるのか。教室や学校という境界をはずして社会という開かれた地平に立った言語教育を模索するために「社会に開かれた言語教育をめざして」と題する講演会を企画しました。吉田氏からは「国際理解教育」の視角から、Ziolkowski氏からは教材編集・マーケティングの専門家としての立場から、社会との関係性において言語の学習・教育・教材に関わる問題を考察していただき、参加者を交えて討論を行いたいと思います。 皆様お誘い合せの上,奮ってご参加ください。
 日時:1994年4月16日(土)13:00?16:00
 場所::上智大学四谷キャンパス中央図書館 9階 L-911
 講演者:吉田新一郎氏(国際理解教育資料情報センター)
     スティプン・ジュコスキー氏(オックスフォード大学出版局)
 参加費:500円
 申し込み方法:田中幸子までお知らせください。
 (S.T)

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Péka Info

NewsLetter NewsLetterの送付について
 皆さんご存じのように本年1月から郵便料金が値上げになりました。それと前後しまして、P駝aの中から次のような意見が出てきました。「財政状態が厳しい折、値上げはかなり響くのではないか。この際、アンケートをとって今後とも購読を希望する人だけに限って配布したらどうだろう」というものです。さらに、年度替わりのこの時期にアナウンスして次号から希望者だけに送付するのが合理的ではないか、という話にもなったのですが、結局今回は見送って、実施する前にやはり皆さんの意見をなるべくたくさん聞いた方がいいということになりました。
 そこで次回のP駝aでは少し時間を割いてこの問題について話し合いたいと思います。なお、当日出席できない方で何か御意見をお持ちの方は、田中幸子さんまでお寄せください。
(H.N.).)

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次回のお知らせ
●日時:4月23日(土)14h30
●会場:上智大学四谷キャンパス7号館12階5号室
●テーマ:試験問題について(鵜澤恵子さん)

なお、上記のPéka Infoを御参照下さい

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