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NO.24

 

タイトル:『シヤンソンによるエチュード』 

担当者:西山教行・藤井宏尚

テーマ:実践、教材

キーワード:シャンソン

タイトル:志賀高原スタージュ報告 

担当者:白井春人

テーマ:研修

キーワード: 志賀高原スタージュ

 


PEKA

Pédagogieを考える会 NEWSLETTER 24

le 1O février 1994

 

■例会報告1
 『シヤンソンによるエチュード』 (西山教行さん・藤井宏尚さん)

 「さて今日は忘年会もあるし、きっと大勢集まるねまるね」と出掛けた12月11日のPEKA。でも思いの外、参加者が少なくてせっかくの展望ラウンジ的上智大図書館9階会議室は少し寂しい感じもあったのですが、二つの発表はもちろん、とても有効かつ楽しいものでした。(特に今回の発表者の一人、西山氏のお洒落ぶりはいつも会場に楽しさを呼ぶ!)
 まずは、西山氏と藤井氏によるシャンソンを使った教材「シャンソンによるエチュード』(94年朝日出版社より刊行予定)について。

●試用の93年度を含め構想3年の超大作(といっても過言ではない)この教材に取り上げられたシャンソンは6曲、目的として、シャンソンを通じて現代のフランスを知る、シャンソンを通じてフランス語圏とフランスの地域言語について学ぶ(これがとりわけ興味深い)、そして文学言語ではないフランス語に触れる、ということが掲げられていることもあって、その6曲はヴァラエティに富む。当然一番苦労したのはその選曲。著作権の問題、恋愛ものだけに偏らないようにテーマの選択、古典的なシャンソンはある程度避けたいなど。対象になっているのは、初紋文法を終えた学習者。
 始めに曲と歌手の紹介、単語探し、曲の雰囲気の語彙探しをする為の《Premières écoutes》、不定詞、活用形、意味を確認する《Complétez le tableau》、次に歌詞を参考に穴埋めをして表現、文法、語彙を確認する《Expressions》《Grammaire》《Pronoms》《Vocabulaires》《Structure de la phrase》、歌詞の内容理解のためのフランス語の質問と、正誤問題、文の整序など、最後に《Phonétique》、socio-linguistiques についての囲み記事とそれに関連したImages、という一課の構成。なお巻末に語彙集あり。カセットには、シャンソン、歌詞の朗読、設問、それになんとカラオケが含まれる。今年度明治大学で試用の際、カラオケを使って学生に自分で歌わせ、その録音テープを評価の対象にした。(期未テストの配点の半分)カラオケを使わず、自分で演奏(編曲も!)する学生もいたりするなど、シャンソンを教材にすることは積極的な参加が望める。
 参加者の感想としては、ノン・スペシャリゼの中級者には少し難しいのではないか?選曲の段階で編者もずいぶん悩んでいる?、文法事項の全てを網羅して復習が出来るわけではないので他の事項はどうするか、5?6人のグル?プで訳すという方法が紹介されたが果して翻訳をさせる必要はあるか、グループの作り方は?、テームの問題がないがそれならばテームをグループでさせると良いのでは、など。またやはり版権がらみで難しいだろうが、楽譜をつけてそこに歌詞を乗せるとフランス語のリズムや発音の問題が一層明解になるのでは、という意見も出ていた。

 渋谷HMVでも六本木WAVEでも必ずフレンチポップスが上位にランキングされるこの頃、せっかくフランス語勉強したんだしフランス語で歌いたいよなあって思う学生は多いはず。本当に興昧深い教材です。(ただしフレンチポップスは歌詞に俗語が多くて教材には向かない)かも、という編者のお話) 
        (姫)

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■例会報告2
 志賀高原スタージュ報告 (白井春人さん)
 忘年会までの時間が押してしまって、簡潔な形ではありましたがこの後白井氏による一「志賀高原スタージュ」報告がありました。
 ●スタージュ参加者が20人でフランス派遣の為の選抜が行われずに済むということがあり、非常に和やかな雰囲気の15日間だった(93年8月24日?9月5日)。講師陣はM.Maiffrédy, M.Celette(東北大), M.Roberge(上智大), M.Perrin(アリアンス・フランセーズ仙台), M.Mehrenberger(上智大), M.Benoît(大阪大)。初日のレセプションとフリーの中日を除いて、9時から1O時40分、10時50分から12時30分、14時から15時40分の講義。タ方はソワレあり、ペタンク大会あり、毎日寝るのは遅くなったけど、いつか話に聞いたみたいに夜中の2時までみんな孤独に自習室っていうことは今年はなかったよ、とのこと。日本で実際に教えている講師陣なので、日本人にフランス語を教える上での色々なパターンの問題点が聞けてよい。その中でも興味深かったのは、M.Celette。「スタージュ中きつかったのは、食事。来る日も来る日も、フルのフランス料理はどうもね。それからできれば、車で行ったほうがいいよ。」
例会出席者は少なかったけど、タクシー飛ばして行った忘年会場には随分集まっていたのでした。台湾屋台料理は、ありきたりの中華じゃないところもグーですが、小さいテーブルに鈴なりでわいわい出来るところがいいです。以上12月例会の報告でした.
(姫)

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■Péka Info みみよりな・お知らせ
 Gabriel MENRENBERGERさんが毎週火曜日の16時30分から、日仏学院で「和文仏訳」の授業をやっています。MEHRENさんいわく、「星新一の"ショート・ショート''をフランス語に訳しているんだけれども、フランス語を教えている人たちにすごく参考になりそうな、ありとあらゆる問題が出て来るんだ。(例えばniveau de langue の問題とか、動詞の時制の問題など)興味のある人に参加してもらって、いっしょに話ができればいいなあ。...j'aimerai bien. ……ということですから、都合のつく人、興味のある人は、遠慮なくお出かけください。
(S.T.)

 OUFF!
 93年度のフランス語教育セミナー(第4回……déjà!)が2月5日(土)で終了しました。今年は小石悟さんがサバティカルで留守だったため、鵜澤・田中がオーガナイザでしたが、幸いPékaの皆さんのご協力を得て無事完了。ご協力いただいた皆さん、どうもありがとうございました。今度も個性あふれる参加者のあいだで活気のあるディスカッションが展開され、セミナーそのものはいろいろ改善しなけれぱならない点がありますが、Pékaに加わってくれる新メンバーが何名か生まれたことは心強いかぎりです。
 セミナーの内容や運営の方法は、毎回少しずつ変わってきていますが、今年いちばん画期的だったことの第一は、授業プランづくりのTPの部分でPékaから何人かに参加してもらって、セミナーのメンバーがグループで作って発表した授業プランについて質問をしたり、コメントを言ったりしてもらったことです。セミナーの参加者の人たちやオーガナイザーにとっては大変よい刺激になったのと同時に、今後Pékaで扱っていきたい視点や課題を考えるうえでも面白い経験だったのではないでしょうか(とオーガナイザーは考えました)。
 第二に画期的だったことは、授業見学のため、従来の東京日仏学院とアテネ・フランセに加えて、玉川大学の藤田先生・ICUの市川先生・獨協大学のMichèle水林先生・Bernard Leurs先生などにもご協力いただいた点です。上智大学の田中も授業を見てもらいました。また、今度の場合はセミナーのメンバーの都合や場所の関係で実現しませんでしたが、慶応大学の古石先生・Hélène Gmac先生、やICUのAnnie Cousin先生・明治学院大学のDominique Peschard先生・上智大学のG.Mehrenberger先生などが見学を快諾してくれました。授業見学は、ただ見に行けばよいというものではありませんが、見せる側にとっても見に行く側にとっても、いろいろな意味で大変勉強になるので、こういう「ネットワーク」を丁寧につくって、役に立つ授業見学とはどういうものかということを、よく考えていきたいものだと思いました。もちろん、協力してもらった先生たちにもフィードバックがあるように考えなけれぼと思います。
 このセミナー全体について、今後どんな形でどうやって運営していくのか、考え直す時期にきていると思われますが、いずれにしても、私たち現職教師の現場の問題を扱っていける開かれたセミナーにしていきたいものです。皆さんからのアイデアや要望を、どうぞお聞かせください。
〈田中幸子)


 封筒完成!
 もうお気付の方もいらっしゃるとは思いますが、今回から新しく出来たPékaの封筒を使っています。デザインについては素人仕事ですので大目に見てください。でも印刷はプロの仕事です。土屋良二さんのつてで神田の耕文堂印刷所にお願いしました。この場を借りて御礼申し上げます。
(H.N)

次回のお知らせ
●日時:2月26日(土) 14h30
●会場:上智大学四谷キャンパス中央図書館9階L-911
●テーマ:「RFI放送教材とその作成過程について」(左合桜子さん他)
     「『フランス語21』用自作補助教材とその評価」(井上美穂さん)
なお、『フランス語21』をお持ちの方は是非御持参下さい。

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