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NO.199

 

 

◆ 4月の例会では、2023年度の年間テーマと各例会のテーマを決めます。
新学期でお忙しいと思いますが、ぜひ奮ってご参加ください!

 


25/03/2023

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     PEKA (ペダゴジーを考える会) News Letter no.199
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■□■ 次回例会のご案内 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
◆ テーマ:授業で読みたいと思う文章

4月の例会では、2023年度の年間テーマと各例会のテーマを決めます。
新学期でお忙しいと思いますが、ぜひ奮ってご参加ください!

◆ 2023年度の例会日程は、4/15, 6/17, 9/16, 10/21, 12/16, 2/17の予定です。
いずれも土曜日の14:30-17:30です。変更になる場合もありますので、毎回の例会案内をご確認ください。

 

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■■■例会報告////////////////////////
//////////////////////////////【2023/2/18@Zoom & 慶應義塾大学SFC 東京サテライト】

2月の例会もハイフレックスで開催された。Zoomの参加者は4名で、会場参加者は6名だった。今回のテーマは「授業で読みたいと思う文章」で、参加者は、持ち寄ったテクストを画面共有しながら何故読ませたいか、授業ではどのような活動をおこなうかを順番に話した。

 Hさんが選んだのは、Lire en Francais Facile シリーズ(Hachette)の Le Masque de fer (A2レベル)だった。対象学生は、フランス研修旅行で鉄仮面が収容されていたと言われる牢の跡を訪れることになるから、この話を知っておいてほしいという理由で選ばれている。筋の上で重要な4場面を抜き出して3回の授業で読む計画で、背景や場面と場面をつなぐあらすじは日本語で解説する。
授業では、1場面ずつ、まず2〜3人のグループで、知らない単語を英語の知識等から推測して話合いながら、場面の絵を描く。絵をクラスで共有してから、1人1文ずつ文意を発表する。日本語の自然さよりも、単語の意味と文の構造の理解をクラスで共有することを目的に発表してもらう。1〜2語の知っている単語から早合点で日本語文を言うこともあるので、文の構造の理解を確認しながら進む。このレベルで覚えてほしい単語、派生語は、板書する。

 Mさんは、Akira Mizubayashi の Une langue venue d’ailleurs (Collection Folio, Gallimard, 2013)を授業で読ませたいと考えている。学生のフランス語レベルに難しすぎない箇所を選んで、たくさん付箋をつけたPoche版を見せてくれた。著者がどのようにフランス語を勉強したかがわかる箇所 (p.34) は、B2やC1レベルのクラスで読みたい。その内容は学生の勉強方法や動機づけにもよい影響が期待できる。参加者からは、この箇所の文を参考に勉強のしかたについて ”L’auteur fait comme ca, mais moi, je fais...等” 発表させるという展開案が出た。
会話文の箇所は、A2くらいでも読めそうとのこと。教科書には登場しないようなfamilierな口語表現を知ることができる。クラスでは同じ表現を使って短い会話をつくり演じてみるという展開案が参加者からあがった。
未習の文法事項がある場合の対応については、質問がなければとくに説明しない、こちらで用意した内容理解の質問に答えられればよいという意見を共有した。

 Nさんは、フランスのネットニュースの使用例を紹介した。たとえば、最近世界のネットメディアが報じたある経済学者の発言について、A2, B1レベルなら、New York Timesをはじめとする英語の記事や、Twitterの情報から知識を持ち寄って、フランス語のネットニュースのなかの間違っている箇所や、書かれていないことを見つけさせる。クラスメンバーの英語レベルはさまざまなので、比較対象の英語記事は限定しない。このフランスの記者はNew York Timesの記事を理解して書いているか等のディスカッションをおこなう。
レベルによっては、NEWSとACTUALITESという単語を覚える、記事タイトルと見出しを比べるでもよい。
Nさんはネットニュースの他に授業で読みたいものとして、ケベックの作家Sophie LETOURNEAU のChasse a l’homme(2020年カナダ総督文学賞フランス語フィクション部門受賞)を紹介した。

 Kさんは、J.-P. Sartre の Les motsから、祖父の書斎の描写の一節をフランス文学紹介の授業で読んでいる。あらかじめ訳を分担するとAI頼みになるから、授業中に辞書を使いながら読んでいく。出版されている翻訳を教室外で読むことは禁止していない。Sartreが子どもの頃に本をどのように考えていたか書かれているが、livreという語は1回しかあらわれない。名前を呼ぶのを避けるくらいに本が神聖であることを表しているということや、別の言葉で言い換えるフランス語の約束について、Kさんから解説する。
読みやすいとは言えない文体だが、紹介された文学作品の中で最も気に入ったものとしてこの作品をあげる学生もクラスの1割くらいはいるそうだ。

Uさんは、フランス語教科書Alter Ego 1 (Hachette)の中の "A 1 h 30 seulement de Paris par le Thalys, cette capitale est la destination ideale pour vos week-ends." という見出しの200語程度の文章を選んだ。単純未来形やRを含む固有名詞 (Bruxelles, Bruegel, Rubens, Magritte) が多く登場するこのテクストを授業で使う時にUさんがまずおこなうのは、音読だ。[R]を複数含む動詞なら、主語と動詞だけ(Vous y admirerez, Vous renconrerez等) 練習したり、1文を早口言葉のように読んでもらったりする。
Uさんは、A2-B1でも読めそうなおすすめ作品としてLaetitia ColombaniのTresseをあげた。

Sさんは、Une histoire chaque jourというサイトを紹介してくれた。絵本作家が自分の子どものために毎日のように作るおはなし(1000語程度)を共有しているサイトである。サイトでは、おはなしの音読も聞ける。授業では、音読、おはなしの要約、文体練習のほか翻訳をしてAI翻訳と比較などができるという。Sさんが同じ目的で見ている子ども向けのおはなし紹介のサイトには、他にCoin des petitsもある。

(M.H.)

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