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NO.185

 

 

12月のテーマ 「ハイブリッド授業の実践」(仮)(変更の可能性あり)

*2020年度年間テーマ:
「教科書をよく知ろう」


09/12/2020

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     PEKA (ペダゴジーを考える会) News Letter no.185
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■□■ 次回例会のご案内 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
日時 : 12月19日(土)14:30?17:30 Zoomで行います。

参加ご希望の方は、12月17日(木)までに以下のフォームからお申し込み下さい。
https://forms.gle/BN8XiQ96k9vBe9M8A

◎例会前日に、ご指定のメールアドレスに招待URLをお送りします。

◆12月のテーマ 「ハイブリッド授業の実践」(仮)(変更の可能性あり)


■□■ 2020年度例会日程 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
メモをお願いします。

例会日程は従来通り年6回いずれも土曜日の午後で、2/20としたが、
会場の調整により日程変更の可能性もある。

 

 

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■■■ 例会報告////////////////
////////////////////【2020/10/17@Zoom】◆10月のテーマ <ハイブリッド授業の経過報告>

今回は、ハイブリッド授業を行っている飯田賢穂さんの報告から出発し、質疑応答により話し合いが進められた。 ハイブリッド授業を担当している他の方からも実践報告があり、また未経験の方からは様々な論点が提起され、休憩を挟んで17時30分まで活発な議論が行われた。参加者は20名だった。

まず、飯田さんの発表により、ハイブリッド型授業の定義と実践経過を聞く。ハイブリッド型授業とは対面とオンラインの2つの要素からなる授業形態であり、リアルタイムで動画配信を行う。1.単方向講義型、2.双方向講義型、3.会話(対話)型に三分類できる。

1) 単方向講義型では、Web会議アプリケーションを併用しながら対面型の単方向(教師→学習者)の講義を行う。 PowerPointなどのPC教材は教室のスクリーンとWeb会議アプリケーションの共有画面に同時に映すことができ、また教員の声はPCのマイクを通じてオンライン参加者にも伝わるため、対面とオンラインの双方に無理なく講義を提供できる。

2) 双方向講義型では、視聴者がストリーミング動画にコメントを書き込むことができる動画配信サイトの生配信と同様の形式で講義をする。 Web会議アプリケーションのチャットを教室のスクリーンに映写し、学生はテキストツールで反応し教師はそれに返答しながら授業を展開させる。ブレイクアウトルームを使えばグループワークも併用できる。 教室後方に受講者視点でカメラを固定して撮影し、さらに複数のカメラを設置してもスイッチャーで切り替えれば多様な講義参加が可能である。スイッチャー操作は教員が行う。

3) 最後の会話型は授業運営が最も難しいが、学生と学生および学生と教員の対話が確保される。 語学の「会話」授業などが典型例である。実施方法としては、(A) 教室で完全オンライン授業、(B) 教室のWeb会議ツール1台を介して会話型授業、少なくともこの2つが考えられる。

(A)教室で完全オンライン授業を行う際には、教員は必ず教室にいなければならないが、学生は教室に来てもいいし、自宅などの教室以外の場所で受講しても構わない。そしてどこにいても学生にはWeb会議アプリケーションに接続してもらう。 全員がイヤホンを装着し、コンピュータ内臓マイクで発言する。話さないときはミュートで待機してもらい、端末間のハウリングを避ける。この方法を実施する目的は、まず学習者に教員や他の学習者と対面する機会を与えることである。またマイクを使うことで学生の声をより明瞭に拾うことができる。さらに大声を出さずに済むため、飛沫感染のリスクを低下させる効果も期待できる。 課題となるのは、端末充電器の確保、端末の運搬、および盗難・損傷リスク回避である。

(B)教室のWeb会議ツール1台を介して会話型授業を成立させる場合には、教室にいる受講者には対面型授業として、自宅にいる学生にはオンライン授業として提供する。 この方法の目的は、オンライン参加者にも教室にいるかのような臨場感を持ってもらうことで、学生間の対話を促進し、学び合いに繋げることである。 運営上の問題点は、まず集音設備の充実である。教室にいる学生(マスク着用)の発言を適切に拾ってオンライン参加の学生に届けるマイク、さらにその逆でオンライン参加者の発言を教室に響かせるスピーカーの設置が求められる。 また、オンライン独特の間によって引き起こされるテンポの悪さにも教員は対処する必要があろう。

結論として、単方向講義型は機材に慣れてしまえば難しくはないものと思われる。 双方向講義型は、学生の反応に教師が答えられれば効果的である。チャットを活用できるため学生からの積極的な発言や質問も多い。 会話型を円滑に実施するには、教員の力量(明確な指示とタイミング感覚、および機材を使いこなす能力)、学生の意欲、機材(カメラ、スピーカー、マイク、スクリーン、サブモニターなど)の充実が必要であろう。

続けて、発表に質問・コメントする形で議論が展開された。論点ごとにまとめて報告する。 ◆使用機材 ハイブリッド授業を可能にするための機材に関心が集まった。 まず音声に関して、教室側の学生の声がオンラインの学生に聞こえない問題とその解決策が話し合われた。 全方向型集音マイクを購入して教室中央に設置し、机が可動式ならコの字、ロの字形に再配置することで集音に役立てる。授業前の準備に機材と机の配置が加わることになる。 オンライン参加者の声は、スピーカーフォンを使うと教室に届けることができる。複数の音声機材を使うときは、出力と入力に分けてハウリングを回避する。

音声に続いて画面に何を写すか、映像に関する話題が出された。受講場所に拘らず、聴講する学生を画面上に並べて写すことができれば一体感を増すことができるだろう。しかし教材を提示する時には学生を一緒に映し出すことができないので、教材を提示するスクリーンに追加してモニタを設置し、参加者はモニタに写す方法が紹介された。 教室内を撮影するとクラスの雰囲気を出せる。PC用小型カメラを使えばコストを抑えられる。書画カメラの利用も提案されたが、タイプによっては人に向けると眩しいのではないか、というコメントもあった。 スマートフォンを使って撮影すると電力を大いに消費するのが欠点だが、オートフォーカス機能が優れている。しかし学生の発言をオンライン上でより聞き取りやすくするためにマイクやスマートフォンのカメラを近づけると、学生を緊張させてしまうので注意が必要だ。

◆グループワーク ハイブリッドでも、例えばzoomならブレイクアウトルーム機能を使ってグループワークを行うことができる。 オンライン参加の学生と教室にいる学生が参加形態の区別無くグループになれるのが良いが、現状ではオンライン参加者は常にオンライン同士のグループに振り分けられる。 教室にいる学生がPCを携帯していない場合があるため、オンライン上の学生と一緒にグループ活動をさせるのは難しい。タブレット端末の利用も考えられるが、音質があまりよくないため積極的には勧められない。

◆教育効果 ハイブリッド型の利点は、感染症対策で行動制限がある現状でも学生たちの対面機会を確保すること、学生同士の関係構築を助けることにある。その一方で、ハイブリッド授業は教室に来た学生同士が対面できるメリットがある以外には、オンラインと変わらないという意見もある。 オンライン授業と対面授業とを比較すると、対面の方がグループワークなどでの緊張感があり展開テンポもよく、教育効果を実感する。 また、教員は学生ひとりひとりにリアルタイムで目が届き、個別なケアがしやすい。一方、ケアできないことにもメリットがあるのではないかという指摘も聞かれた。新しい技術を使うことによって、学生が教員の介入を当てにせず、自分で考え自分の力で問題を解決していく自律学習の姿勢を育むことに、オンラインのために十分にケアできないことが結果的に寄与している側面もある。 さらに、発音指導に関してはオンラインの良さが指摘され、学生はマイクをオフにできるので気軽にひとりで発音練習がしやすく、教員は学生に物理的に近寄ることなく口元に注目することが容易なため指導がしやすいとの意見が出た。 ブレインストーミングなど、多様な意見を出し合う活動には、どちらが適しているのだろうか。コミュニケーションツールに関係なく、相手の発言を聞き自分の意見を述べられるように初心者の頃から練習しておくことが大切であろう。

◆学習者の満足度 若い人たちはデジタルツールを使い慣れているので、オンライン授業に満足しているという記事を見る。対面コミュニケーションが本物のコミュニケーションで、オンラインはそうではないという考え方は徐々に変わっていくのではないだろうか。 他方、ハイブリッド授業実施に対する疑問を投げる学生もいる。ハイブリッド型は学生たちの異なる希望の双方を満たすための措置であろうという意見も聞かれた。対面、オンラインに対する「第三の道」という表現も例会では使われた。

今はまさに過渡期であり、ハイブリッドもオンラインも共存する形態に移行していくのかもしれない。始まって間もないため機材選択や操作に気を取られがちであるが、肝心の授業の内容を考える時間があるのだろうかという問題提起があった。 (ck)


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