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NO.184

 

 

10月のテーマ <ハイブリッド授業の経過報告>

*2020年度年間テーマ:
「教科書をよく知ろう」


08/10/2020

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     PEKA (ペダゴジーを考える会) News Letter no.184
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*PEKA活動資金カンパ口座
三菱東京UFJ銀行 板橋支店
普通3591136
名義:ペカタントウ ウザワケイコ

郵便振替口座
00120-1-764679
加入者名:PEKA

 

■□■ 次回例会のご案内 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
日時 : 10月17日(土)14:30〜17:30
Zoomで行います。

◎事前申込をされた方だけに招待をお送りします。
参加ご希望の方は、お手数ですが10月15日(木)までに以下のリンク先からお申し込み下さい。
https://forms.gle/BN8XiQ96k9vBe9M8A

◎例会前日に、ご指定のメールアドレスに招待URLをお送りします。

◆10月のテーマ <ハイブリッド授業の経過報告> 司会:飯田賢穂さん


■□■ 2020年度例会日程 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
メモをお願いします。

例会日程は従来通り年6回いずれも土曜日の午後で、12/19, 2/20としたが、
会場の調整により日程変更の可能性もある。

 

 

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■■■ 例会報告////////////////
////////////////////【2020/09/19@Zoom】

9月のテーマ <前期をふり返る・後期に活かす>

今回は話題提供者なしの自由発言形式としたので、ウォーミングアップとして、初めに3人ずつのブレイクアウトルームで「きょうのPEKAに何を求めて参加したか」話し合った。その後は、まず司会者の澁谷さんが経験を話し、次の発言者を指名することにした。コメントや質問は自由にはさんでよいというルールで進めた。参加者は27名だった。

◆評価基準の再検討
澁谷さんは、小テストとオンライン試験すべての課題を評価対象としたが、そうすることで評価基準が細分化されたのはよかったと感じている。また、ふだんとは問題形式を変えた。スマホやパソコンの入力ではフランス語はオートコレクトされるから、機種によるオートコレクト機能の差が成績に直結しないように、その機能が有利になるような問題(評価)はやめたという。動詞の活用やつづりの正誤は評価対象としなかった。
リモートの試験では、教科書やノートを見てもいいことにしたという参加者もいた。それに対して、教科書を見ながら正解を探すなら注意力テストになってしまうという意見もあがった。
他方、昨年までと比べて学生たちのWEB入力率が高くなり、アクサンの間違いが減ったという感想もあった。それはオートコレクトのおかげか、自動採点の厳格さへの適応か...
長い間PC画面を見ることのできない学生には、手書きした課題を写真かスキャンで送ってもらっているというケースも紹介された。

◆自動採点の不具合
次に飯田さんから、WEB教材作成の苦労が報告された。自動採点がうまくいかず、目視で数百件の採点をやりなおしたそうだ。OSやブラウザによっても文字エンコードが異なり、半角スペースのせいで不正解になることもあるから、教材作成の際には考えられる限り正解の幅をもたせた方がいいということだった。
目視しながら、教員が別の正解があることに気付くこともあるし、その作業は教員の存在意義だという意見が出たが、なかなか正解にたどりつかないと学生のやる気がそがれるからシステムの改良は必要とも。

◆オンデマンド授業
Zoom禁止の学校もあり、オンデマンド課題を作成している人もいる。オンデマンドの動画づくりは時間がかかる、反応がわからなくて心配になる、ラジオ講座のようなものを作りたかったが、動画の指示どおりに学生がリピートしたかどうかわからないという声があった。やりとりの練習ができなかったクラスの学生は、面接試験の結果が散々だったそうだ。

◆Zoomでおこなう授業の工夫
武末さんは、Zoomで授業をおこなう利点を探している。学生はビデオオフのままでいることもしばしばで、ブレイクアウトルーム以外では受け身。ブレイクアウトでも本当に活動しているかどうかわからない。
そうした心配に対して、参加者からは次のようなアイディアが寄せられた。投票機能や反応ボタン(拍手等)を活用する、スライドの絵にフランス語でアテレコしてもらい動画を作る、共有画面でJeu de l’oieをおこなう(オンラインのサイコロを使う)、Jeu de l’oieを自分たちで作る、絵を描きながら未完成プロセスでQu’est-ce que c’est ?と聞いて当てるゲーム、学生間で質問し合う活動等。
前期はZoom禁止だったが、後期はZoom推奨の学校もあるそうだ。

◆対面授業の再開
土屋さんは、対面授業が再開しても以前と同じ教室活動はできないと感じている。学生間には危機意識の差もあるし、チョークの共有やプリント配布に関する対策はどうすればいいのか。グループ活動も、教室で距離をとりながら行うくらいなら、Zoomのブレイクアウトのほうがふだんの活動に近い。Zoomならマスクなしで発音指導もできる。
けれど、語学の教室は、大学生がはじめに友だちを作る場のひとつ。距離をとり、マスクをしながら行なえる教室活動を考え出す必要がある。鵜澤さんによるJeu de l’oie(詳細後掲*)のほか、聞き取りクイズでグループを競わせるアイディアが紹介された。

◆ハイブリッド(対面とオンラインを組合せる形式)
対面授業が再開されても登校できない学生のために授業を録画するように指示が出ている学校も多い。
すでに教室の前後にカメラを設置した大学もあるそうだが、教員まかせのところがほとんどのようだ。大教室の講義科目であればその形式でも悩みは少ないだろうが、フランス語の口頭コミュニケーションの授業で、教師が教卓のパソコンの前から動かずに教室にいる学生たちに向けて授業することは想像しづらいし、オンラインの学生には教室のようすが見えないからやりづらいと感じている人がほとんどだったが、教室をブレイクアウトルームの1つと考えればよいというヒントもあがった。
ハイブリッド授業については、10月の例会で報告しあうことになった。
(mh)

◇鵜澤さんがFICHE PEDAGOGIQUEを書いてくれました!

【JEU DERIVE DU JEU DE L’OIE】
教室(対面)授業で全員が黒板に注目しつつ、グループで競い合います。
学期や年度の復習や各課の学習事項の確認に使えます。文化や文法など、テーマを特化しても良いです。
既習者(2年生以上)には、年度初めに前年度の学習事項の確認およびクラスの雰囲気作りとして役立ちそうです。
どんなゲームもそうですが、時間がかかるので、時間設定は余裕を持たせるほうが良いです。
教師は場を盛り上げる、時間をコントロールする、答えの正誤を告げる(誤った答えには正解を言わないでゲームを続ける)など、animateurの役割に徹します。

[準備]
1. 30-40枚の厚紙を用意し、番号と質問を書く。
例)CONJUGUEZ LE VERBE "DIRE" AU PRESENT. / CITEZ 5 LEGUMES. など。
2. Jeu de l’oie と同じく、厚紙のうち数枚にはESCALIER : RETOURNEZ A LA CASE "DEPART". HOTEL : PASSEZ UN TOUR. PRISON : PASSEZ DEUX TOURS. AVION : ALLEZ A LA CASE "XX" などの指示を書く(これにも番号を付ける)。
3. 色のちがう大きめの磁石をグループの数だけ用意する(pionsとして使う)。
4. サイコロを用意する。イベントで使うような大きいものだと教室内で良く見える(コロナ対策としては、バーチャルのものがあると良いと思う)。
5. 賞品を出す場合は、それも準備しておく。

[授業]
1. 黒板に DEPART とARRIVEE、そのあいだに厚紙の数だけマスを描き、マスには通し番号を入れる。
# 私は30-40の○を線でつなぎ、黒板全面に適当に(ぐるぐると)描き、それぞれの○に番号を書きますが、Jeu de l’oieと同じような構図でもいいと思います。

2. いくつかのマスにl’oieの絵を描く。
# 私はl’oieの絵を描くのが難しい(黒板の準備はせず、その場でクラスの人の注目を集めながら描いて /書いて行くほうが興味を惹く)ので、いつも使っている自分の似顔絵(素早く描ける)を描きます。ですから、Jeu de l’oieではなくて、Jeu de Keikoと呼んでいます

3. クラスをグループに分け、グループ内でメンバーに付番する(順番を決めておく)。
# グループ数は6つくらいまでが望ましい。あまり多いと順番が回ってくるのに時間がかかり注意が散漫になります。

4. "DEPART" にpions を置き、各グループの順番を決める。

5. ゲームの規則を説明せず、すぐに始める。 
# 規則を説明すると難しいし時間を取るので、進めながら規則を理解してもらうほうがいいです。

6. グループ1がサイコロを振り、出た数だけ教師がそのグループのpionを黒板上で進める。教師は止まったマスの番号の厚紙を、ひとつ前のグループ(全部で6グループある時、グループ1に対してはグループ6)に渡す。厚紙を渡されたグループで1番になっている人が、グループ1に向けて質問を読む。

7. グループ1の1番の人がすかさず(答え始めるまでの猶予は10秒と決めておく)答える。
# グループ内で相談して答えるという方法もあります。

8. 答えが合っていればそのマスに留まれるが、間違ったときは元のマスに戻る。Jeu de l’oieの規則通り。

9. グループ2がサイコロを振り、同様に続ける。
#「数を進んだマスにl’oieがいたら同じ数だけ進み、止まったマスの番号の質問に答える」「止まったマスがホテルだったら一回休み」といった規則は、状況が生じた時に説明します。
「振り出しに戻る」だとわかったときの反応は笑えます(活気づきます)。自分たちも、他のグループも、何度も同じマスに止まる(何度も同じ質問に答える)可能性があるので、他のグループの答えを良く聞いておくこと、と注意して、自分たちの順番でなくてもゲームに集中させるようにします。
また、それを考慮して、少し難しい(ひとひねりした)問題にしておくと、ゲーム中に学びがあります。
# 同じカードを何回も使うので厚紙のほうがいいです。また大きい紙の方が受け渡しが楽で失くしません。私は100均の色画用紙を使っています。

10. ARRIVEEに数がぴたりと合わなければ余った数を戻るのか、数が余っても構わないのかは、全体の進行具合を見ながら途中で決める。

別の機会に質問を変えて行うと、ゲームの規則は覚えているので、より質問の内容(知識)に集中することができます。



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