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NO.174

 

 

<教室外でのフランス語学習>

*2018年度年間テーマ:
「ひろがる授業」


05/02/2019

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     PEKA (ペダゴジーを考える会) News Letter no.174
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■□■ 次回例会のご案内 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■

2月の例会テーマ <教室外でのフランス語学習>

日時:2019年2月16日(土曜日)15:00~18:00
場所:お茶の水女子大学共通講義棟3号館1階105室(プロジェクター等設置アクティブ・ラーニング教室)

〒112-8610 東京都文京区大塚2-1-1
http://www.ocha.ac.jp/access/index.html
春日通りに面した正門よりご入構下さい(南門は土曜日閉鎖されております)。
銀杏並木を直進、正面の大学本館左側に沿って幼稚園前を抜け、その先の屋外階段を上ります。
附属図書館前広場に出ましたら、図書館玄関の向かいが共通講義棟3号館です。会場の105室は建物玄関より向かって左手二つ目の教室になります。

*どなたでもご参加いただけます。参加費は無料です。

*2018年度年間テーマ:「ひろがる授業」


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■■■例会報告////////////////////////////////////////////////////////////
======【2018/12/15 15h00-18h00 @明治大学駿河台校舎研究棟4階 第7会議室】

12月の例会テーマ <スマートフォン>

◇例会は12月の例会テーマ<スマートフォン>についての問題設定から始まった。
フランス語学習におけるスマートフォン使用の問題とは何か。タブレット端末との違いはあるのか。コンピューターでのインターネット使用とは別の問題なのか。
これら<スマートフォン>をめぐる諸問題を整理する中から、まずは辞書や教科書の付属CDという従来からの主要学習ツールが議題に上がった。次いで音楽映像、文書管理機能等を組み合わせた端末使用について幅広い報告があった。ゲーム、GoogleドライブやAppleの共有アプリAirDrop、TwitterなどのSNS、動画のYouTube、教室内でのiPad使用を想定した授業支援アプリのロイロノートなどである。
その他タブレット端末を使用する教室活動についても合わせて報告された。一方で授業中のスマートフォン使用禁止状況についても取り上げられた。以下は主な項目ごとに議論を整理し再構成したものである。

◆辞書
フランス語学習におけるスマートフォン使用の代表例としてまず辞書・翻訳機能が挙げられた。グーグル辞書または辞書アプリ等である。
これらの多くは無料サービスであり、その利便性から学習者によるアクセスが容易になっている。これについて、グーグル翻訳を使う学生が多いだけでなく仏作文するのにそのまま使ってしまうという報告があった。
また名前の挙がったインターネット上の辞書には以下のようなものがあった。Glosbe多言語オンライン辞書、エキサイト辞書、グーグル辞書、アルク社web翻訳辞書英辞郎、Reverso Dictionnaire、また辞書アプリとしてはAntidoteMobileである。
ひと口に辞書アプリと言っても紙の辞書データから製作される有料の辞書アプリを学習者には使ってもらいたいという辞書編集者の発言も紹介された。実際これらの辞書サイトやアプリの品質については語学学習の教材として容認できるものとそうでないものがある。紙の辞書については両開きにしたページを広く見ることができるという紙媒体の美点が再確認された。
またアンスティチュでの教室活動として仏仏の簡単な辞書を2人くらいで引いて語彙を覚えてもらうという実例が紹介された。
電子辞書以来の画面で見る辞書では学習者は調べた項目だけを見てしまう。前後の関連項目も合わせて視野に入ることの学習の効果を鑑みて、初心者の場合は紙の辞書を引いてもらえるようになってもらいたいという趣旨の発言があった。

◆CDに代わる音声機能
スマートフォンの主要機能の一つである音楽再生に関連して、教科書の付属CD やそれとの併用もしくは単独での採用が進む音声ダウンロードのサービスについて議題となった。
これについて、CDプレイヤー付きのコンピューターを持っている学生が少なく教科書の付属CDを自宅学習に使えないために携帯で聞けるようにしてもらっていたがそれもうまくいっていないという報告があった。スマートフォンなど音楽視聴のための端末ではデータのダウンロードが一般化した影響でCDプレイヤーを所有しない学習者が多くなっていることが考えられる。
こうした状況の中、仏検の問題集では音声ダウンロードを採用して付属CDは廃止されることになった。出版社ホームページより教科書付属の音声をダウンロードできるサービスが広がりを見せているが、アシェット・ジャポンなどログインIDとパスワード入力が音声ダウンロードに必要な教科書出版社もあり使用状況は一様ではない。
また従来からの再生機能に加えて、学習者がスマートフォンに話しかけるタイプの音声アプリなどとしては以下のようなものが挙げられた。本来は目が見えない方用の音読アプリ、音声検索アプリのOKGoogle、またはAppleのSiri等である。フランス語でスマートフォンに話しかけた時の反応を正しい発音の指標と捉えるのならば、発音の習得にこれらの機能を活用することを検討できるのかも知れない。

◆そのほかのスマートフォン使用
- ニュースサイト、音楽サイト、無料のフランス語学習サイト
- ゲーム(国旗と国を一致させるゲーム、オンライン学習コミュニティQuizletのシューティングゲームなど)
- 語学関係出版社・放送局ホームページに開設の学習支援サイト(アルク社サイト、NHKのマイ語学など。ただしマイ語学は終了予定である。)
- フランス語教科書に導入されたQRコード
- グーグルDriveでの出欠席・レポート等提出物の管理(メール添付だと重すぎるデータのやり取りに、メールよりも共有の方が若い世代には親しみ深くプリンターを持っていない学生が多いことから。またwordが内蔵されている。) 
- グーグルDriveでの授業中の板書 (黒板やPowerPointに代わるものとして、またスピード感ある授業を実現するため。)
- Appleの共有アプリAirDropや授業支援ソフト・アプリのロイロノートを授業で使用する端末としてのiPad
- Twitterの教員アカウント(クラスのみんなが入りフランス語を書いて表現することが目的。休暇中には写真の投稿とそのコメントなど。日常の延長で楽しんでほしいというアイデア。Lineよりはゆったりとやり取り出来るのではないか。)
- スマホのビデオアプリ、カメラアプリ(授業の最終課題として3分以内の寸劇を演じ録画する。実例としては、「出会い」という課題で『桃太郎』など。)
- 動画YouTubeを使用した聞き取り・書き取り(韓国語の授業の実例から、宿題としてコマーシャルの映像から書き取りまたは感想を述べる。子供が詩を朗読している動画を発音の習得を目的に使う。また詩や歌については、その内容の難しさに関係なくリズムや音の習得のために授業に使うことが出来る。)

◆授業中のスマートフォンの禁止状況としては以下のような事例が寄せられた。
・スマートフォン(iPad等タブレット端末も含む)は禁止、電子辞書のみ使用可(高校)。
・教室の中に携帯の電波が入らないようになっている(大学)。
・予習して来ない場合は、スマートフォン等を教室内では禁止している(大学)。
・語学の授業では使わせないが、実務フランス語では使ってもらっていた(大学)。
・語学授業にiPadを導入している(大学)。
・アンスティチュの中級クラスでは学習者が大人なので勝手に使ってもらっている。AntidoteMobile(特にcooccurrenceの機能)については使用を推奨している。

◇まとめに代えて
出席者からは、紙を見て記憶することと画面を見ることは違う、便利なことと定着することは違うといった発言があった。
スマートフォンが自宅学習で使用されることはともかく、タブレット端末の使用を想定しない教室運営がされている地域もあるという指摘の他、スマートフォンのある日常と授業は何か切り離して考えることが大事なのではないかという問い掛けもあった。
スマートフォンやタブレット端末を語学学習に使用することには、映像や音声を通じた記憶の構築全般に関わり得る問題のあることが議論を通じて示唆されたのではないだろうか。スマートフォンに搭載された機能のうちで何をフランス語学習に使うことができるのか、今後も検討が続くものと考える。

◇第28号EDFJの発行部数、各項目の執筆者・査読者、編集日程について、今年度も引き続き編集をご担当いただく余語さんを中心に全体で相談の上決定した。
(K.Y.)




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