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NO.160

 

 

【例会のテーマ】
「どのような道具をどう授業に組み込むか?(その2)」

 


13/10/2016

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     PEKA (ペダゴジーを考える会) News Letter no.160
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*PEKA活動資金カンパ口座
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普通3591136
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00120-1-764679
加入者名:PEKA

 

■□■ 次回例会のご案内 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■

日時 : 10月22日(土) 14:30 〜 17:30

場所: 明治大学駿河台校舎研究棟4階 第5会議室
(〒101-8301 東京都千代田区神田駿河台1-1 TEL 03-3296-4545)
http://www.meiji.ac.jp/koho/campus_guide/
(リバティータワー3階の連絡通路から研究棟に渡るとそこは研究棟の4階です。第5会議室は4階の受付横の廊下奥左手にあります。)
* どなたでもご参加いただけます。参加費は無料です。

*2016年度年間テーマ:
「授業で学習者の理解を促すには?」

*10月の例会テーマ :
「どのような道具をどう授業に組み込むか?(その2)」
9月例会では時間の都合上扱うことのできなかったインターネットやプリントを主に取り上げます。また、この他にも授業で使っている「道具」があれば、その紹介も歓迎します。

■□■

☆☆ 2016年度例会日程 ☆☆☆☆☆
以下の通りです。メモをお願いします。

12月17日,2017年2月18日

いずれも土曜日の14時30分 〜 17時30分ですが,会場の都合により時間が変更になる可能性があります。
また,開催場所については,例会ごとに案内をご確認ください。

 

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■■■【2016/9/17 例会報告】━━━━━━━━━━━━━━

●9月例会テーマ:「どのような道具をどう授業に組み込むか?」
教育、学習は、黒板やホワイトボード等の板書、PowerPointによる提示、プリントの配布など、さまざまな道具によって媒介されている。どのような道具をどのように利用して学習者の理解を促す工夫が可能であるか、問題点を挙げて共有しつつ、その可能性について意見を交換する。

●報告目次
(1) 発表「Quizlet(アプリケーション)の授業への導入」
(2) 授業における様々な環境/道具
(3) 次回以降の例会テーマについて9月17日に話し合ったこと

●Quizletを授業に導入することに関する発表
Quizletとは
→ 一種の「単語帳(音声付)」アプリケーションであり、PC、スマートフォン、タブレット(iPad等)にインストールして使うことができる(もちろん三機種を同期させて使うこともできる)。

発表者の〈問題意識〉:
学習者の自宅学習において音声教材をいかにスムースに取り入れるか。
〈問題の背景〉は、一部の学習者にとって、(1) 音声CDを聴くことが難しくなってきていること(CD再生機を持っていない、持っていても使うのが面倒等の理由で)、(2) インターネット上のMP3をダウンロードすることが面倒であること。

Quizletは、インターネット上でメインユーザー(例えば教員)が管理する単語帳であり、学習者はこの管理先(メインユーザーページで「クラス」と呼ばれる)への登録が承認されていれば、スマートフォンの画面をワンクリックするだけで、音声付き単語帳を利用することができる。

Quizletの利点(×3):
(1) インストールと登録が一度済んでしまえば、機器上での発音確認等が非常に楽になる。
(2) 短文の発音も確認できる(ただし字数制限あり)。
(3) 暗記のための様々な手段(ゲーム要素あり)が、Quizletにはデフォルトで用意されている(絵合わせ、インベーダーゲーム等)。また、課金すれば、さらに機能性が上がる。

Quizletの難点(×5):
(1) 「クラス」への「招待→承認」の手続きが難航する(例会で実演した際には難航した)。
(2) 管理者の単語帳を作る作業が大変である。
(3) 絵を見て単語を連想するゲームでは、抽象表現や連結辞を上手く表現した画像ファイル(デフォルトで用意されている)を見つけることに限界がある。
→ 別意見としては、クラス内における〈教員〜学習者〉間の相互承認があれば、単語と絵が単純に結びつかないことは、むしろ「答えを学習者に考えさせる」点で学習効果があるのではないか。
留意すべき点は、キューをどのように出して学習者のアウトプット/反応を促すか、である。
(4) 特に表現/会話の学習では、そもそも単語帳という方法それ自体が意味がないのでは?
→ 「日本語訳」をさせてしまう。単語帳では、最初の方の単語ばかりが目を通され、最後の方はなおざりにされがちである。
(5) ゲーム性とアクセスのインセンティブ/モチベーションは直結しない。
→ 学習ゲームをやる学習者はあまりいないので、学習者の自発的参加については疑問である。

●授業における様々な環境および道具
主に、4つの話題が挙った:
(1) 出席者たちが担当している授業環境の紹介
(2) 板書の仕方(様々な事例を出席者たちが紹介)
(3) インターネットの使い方
(4) プリントについて
今例会では時間の都合上最初の(1)と(2)点のみ扱った。(3)と(4)は次回例会に持ち越した。

(1) 出席者たちが担当している授業環境の紹介
担当授業について:
総合フランス語、文法、PRODUCTION EN FRANCAIS(科目名「フランス語表現」、ORALとECRITの両方を扱う)、作文等の複数の科目種が挙げられた。また、1対1の個人授業を担当している出席者もいた。

授業環境について:
電子機器の一切ない黒板とチョークのみの環境から、スマートボード(カナダ製電子黒板)・タブレット等の電子機器を完備した環境まで、様々な授業環境が挙げられた。
DVD視聴、インターネット使用、PowerPoint映写が可能な授業環境がほとんどであった。
*補足〈電子黒板の利点〉:
教材を映し出し、例えばPowerPointのように単語・フレーズにMP3音声を割り当て、そこをクリックすると音声が流れるようにセットできる(既製のものがない場合はスキャニング画像等を使用)。
ファイル保存機能を使って、授業進行も教員間で共有し易い(注意点:電子黒板はあくまでも教員の「授業力」に対する補助である)。

(2) 板書の仕方について:
授業の種類(総合、作文、発音etc.)によって異なるが、板書をどれくらい行うかという板書量に関しては、学習者に支障をきたす可能性を念頭に置く必要がある。以下は、当日挙った〈板書に関して留意すべき点〉である。

・学習者によっては何でも書き写さないと安心できないという傾向が強いので、板書をしてしまうと、それを書き写す方に集中してしまい、肝心の発音(教員の口の動きを含む)等の要点を聴き/見逃してしまう。
・発音練習の場合、音声を再現できるようになることを優先すべきであり、その際、文字情報はマイナス効果になってしまう(文字を〔多くの場合間違った仕方で〕読んでから、発音する、というプロセスは避けるべき)。
・授業では、グループワーク等のアクティヴィテに時間をしっかりとり、ノートを取る時間を減らすために教科書やプリント、自宅学習を活用する。
*補足:ある出席者の授業(作文)では、例文間の違い等を黒板を使って説明するために、例文を板書する必要が生じる(黒板の3分の1は、メモ用スペースとしてとっておく)。

*板書からの派生的話題「ブロック体か筆記体か」:
筆記体の学習は必要であるし、また「筆記体は文化」である(アメリカのブロック体体制に対して)。
→ 必要性:教材の例文が筆記体で書かれているものがある。またDELFの試験でも、手紙問題の例文が筆記体で書かれていたりする。筆記体が読めないことは、場合によっては〈致命傷〉になる。

●次回以降の例会テーマについて9月17日に話し合ったこと
次回例会のテーマ:
「どのような道具をどう授業に組み込むか?(その2)」
→ インターネットの活用法、プリント(配布物)について等、今例会で時間の都合上扱えなかった「道具」についての意見を交換する。

・今後の例会で扱いたいこと:
(1) 多読について(このテーマ候補に関してはこれ以上の説明は今例会では展開されなかった)
(2) 学習者の理解を促すために教員がどのような言語(説明・メタランガージュ)を用いるか。
→「学習者にわかりやすい説明とは?」というテーマとして2017年2月の例会で扱う可能性あり。

 この他に、ワークショップ「発音の教え方」に関する提案がなされた。
この提案は本年度テーマ「授業で学習者の理解を促すには?」からずれるものであるため、番外編として例会とは別日の11月19日(土)に行うこととなった(同ワークショップの詳細はニュースレターで改めて連絡する)。

(Y.I.)



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