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NO.153

 

 

 

「講読の授業の組み立て」


10/10/2015

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     PEKA (ペダゴジーを考える会) News Letter no.153
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■□■ 次回例会のご案内 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
日時: 10月17日(土)14:30 〜 17:30
場所: 明治大学駿河台キャンパス 研究棟4階 第7会議室
(〒101-8301 東京都千代田区神田駿河台1-1 TEL 03-3296-4545)
http://www.meiji.ac.jp/koho/campus_guide/
(リバティータワー3階の連絡通路から研究棟に渡るとそこは研究棟の4階です。)
* どなたでもご参加いただけます。参加費は無料です。

10月のテーマ : 「講読の授業の組み立て」
4月の例会での提案に基づき,次回の例会では講読の授業の組み立て方について扱います。
大学でよく行われる狭義の講読だけに限らず,広く「フランス語を『読む』活動」について,どのようなものを行っているのか紹介し合いましょう。



☆☆ 2015年度例会日程 ☆☆☆☆☆
以下の通りです。メモをお願いします。
12月19日、2016年2月13日
いずれも(土)14:30〜17:30
(会場の都合により時間変更の可能性あり)
場所については、例会ごとに案内をご確認ください。

 

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■■■【2015/9/19例会報告】━━━━━━━━━━━━━━
9月のテーマ :
「EDFJの電子化について」
「文法かコミュニケーションか?〜教室活動の紹介〜」

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1. 「EDFJの電子化について」

今年度から取り組んでいるEDFJの電子化について,公開許諾の取り方について話し合いました。
今秋から,過去のEDFJの執筆者の方々に公開の許諾をお伺いすることになります。
本ニューズレターをご覧の方々の中に原稿を執筆された方がいらっしゃいましたら,ご検討をお願い致します。

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2. 「文法かコミュニケーションか?〜教室活動の紹介〜」

6月の例会では年間テーマとして挙がった「文法の位置づけ」とも関連付けながら教科書の活用法について話し合いましたが,
今回はより具体的にどのような教室活動を行っているのかを紹介し合いました。実践例を2つご紹介します。

◆実践例1

教科書は『METHODE DE FRANCAIS』を使用している。既習表現で使われる単語のカードを用意し,それらを上手く組み合わせて文を作成するという課題を出した。
なお,単語カードには各人称代名詞・ETRE動詞・否定語・国籍名の形容詞 ( 男性・女性形 )・基本的なER動詞が含まれている。

正解例としては “Elle parle anglais.” や “Tu ne travailles pas.” を導きたいが,“Elle parle *anglaise.” や
“Tu ne *travaille pas.” といった誤りが確認でき,初歩的な動詞の活用や,国籍名の単語を名詞として,或いは形容詞として用いる際の使い方の復習になっている。

◆実践例2

教科書は『なびふらんせ』を使用している。
準動詞 ( vouloir / pouvoir / devoir ) の活用と基本的な意味や用法を紹介した後に,ワークシートを用いて三つの準動詞をバランスよく使用するミニ会話をさせている。
(一部を抜粋すると以下の様なものである。 “Ils veulent sortir ? - Non, ils ne peuvent pas sortir.
- Pourquoi ? - Parce qu’ils doivent terminer leurs devoirs. - Tant pis !” )

ワークシート作成の際に注意しているのは以下の点である。
- 全ての人称を使用し,且つ既習語彙 ( terminer ses devoirs, 所有形容詞, 強勢形 etc. ) をもう一度使わ
せる。

- ALTが話す機会をなるべく多く設ける。
例えば pique-niquer のような単語の場合,ALTに日本人の抱く「ピクニック」のイメージとの違いを平易な語彙を使用して説明させ,生徒に単語レヴェルでも構わないので説明内容を理解させるといったものである。

- 教室内での活動だけでは口頭演習で終わってしまうため,更にワークシートをもう一枚用意し,発話内容を文字化して宿題として提出させている。
こうすることにより,口頭演習で間違っていた箇所 ( 例:“qu’eux” を “*que eux” のように発音してしまうetc.) が浮き彫りになるため,文法面での知識の再確認につながる。

- 上記のワークシートに任意の自由記述欄を配し,発話していない内容を創作させたり,授業内容とは全く関係ない内容をフランス語で書かせ,表現の幅が広げられるように促している。
これは,日頃から宿題をするついでにフランス語で自由に身の回りの事を表現するように教師が促しても,生徒からの反応が薄いため,記入欄を配することで書く機会を与えるようにしたものである。

◆その他の意見

- 大学での「文法」科目の担当者と、「会話 ( 時に「コミュニケーション」と表記される ) 」科目の担当者間での連携が上手くいかないと大変なことになる。
特に共通教科書としてコミュニケーション重視のものを採用した場合,「文法」担当者がtranscriptionの和訳をやってしまったり,実は自主作成プリントを使用していたという例もよく聞かれる。

- 近年の「外国語は会話ができればいい」という風潮に傾倒し過ぎるあまり,教育機関そのものが文法教育をおろそかにしている事例もある。
例えばいわゆる大学での一般教養科目としてのフランス語の場合,この流れを真に受けて地道な文法演習や講読といった科目を会話系の科目に切り替え過ぎたあまり,
フランス語を専門としない学部生が各々の専門分野の調べ物をする際に,フランス語の資料をしっかりと読み込む素地が育たないという危惧がある。

- 文法とコミュニケーションは対立するものではない。しばしば「コミュニケーション=話す」「文法=書く」といった誤解があるが,
例えばメールのように書く事によってコミュニケーションを図ることもある。
このように考えると,たとえ文法の授業であっても,「知識」に留まらず「運用能力」に到る授業が望まれる。具体的には,contexteを与えることにより,言葉が使われる状況が具体化され,文法事項をより正確に使えるようになる。

- 授業のテーマ ( 文法,コミュニケーション etc. ) にかかわらず,到達点を決める際に,教師は何を目的に授業をするのか,
学習者は何を目的に授業を受けるのかという視点を持つべきではないか。
また,学習者が必要な事項に気付く枠を与えつつ,彼らの学習における不安が解消するように授業を進めて行く必要がある。

(T.M.)



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