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NO.151

 

 

 

「教科書をどう活用するか?」


17/06/2015

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     PEKA (ペダゴジーを考える会) News Letter no.151
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三菱東京UFJ銀行 板橋支店
普通3591136
名義:ペカタントウ ウザワケイコ

郵便振替口座
00120-1-764679
加入者名:PEKA

 

■□■ 次回例会のご案内 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
日時 : 6月20日(土) 14:30 〜 17:30
場所: 明治大学駿河台校舎研究棟4階 第5会議室
(〒101-8301 東京都千代田区神田駿河台1-1 TEL 03-3296-4545)
http://www.meiji.ac.jp/koho/campus_guide/
(リバティータワー3階の連絡通路から研究棟に渡るとそこは研究棟の4階です。第5会議室は4階の受付横の廊下奥左手にあります。)
* どなたでもご参加いただけます。参加費は無料です。

◆ 6月のテーマ:「教科書をどう活用するか?」
4月から新学期が始まり、特に初学者のクラスで、「教科書をどう活用するか」「口頭表現、文法、文化的要素、書く活動について、どう授業に組み入れるか」色々と考えているという方も少なくないのでは?
完璧な教科書はもちろん存在しませんが、学習者の様子を見ながら、また、何をどう学ぶかを考えながら、それぞれが教科書をどう活用しているか、話し合いたいと思います。
「この教科書、こう活用できる!」「こういうところ、どう使ったらいいんだ?」など、また、教科書に限らず、例えば意外な教材を用いて「こんな風にも使えます」など、工夫や悩みの種について情報交換できる場を持ちませんか?
教科書・教材持参で集合!



☆☆ 2015年度例会日程 ☆☆☆☆☆
以下の通りです。メモをお願いします。
9月19日、10月17日、12月19日、2016年2月13日
いずれも(土)14:30〜17:30
(会場の都合により時間変更の可能性あり)
場所については、例会ごとに案内をご確認ください。

 

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■■■【2015/4/18 例会報告】━━━━━━━━━━━━━━

4月の例会では、主に次の2点について意見交換が行われました。
1)EDFJ (Etudes didactiques du FLE au Japon)の電子化について
2)今年度の授業でのそれぞれの課題を出し合い、そこから共有できるテーマを探す
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1) EDFJの電子化について

EDFJを学会で配布するのみでなく、多くの人に読んでもらうため、またバックナンバーが配布し尽されても読めるように、という理由から、EDFJを順次電子化し、P?kaのHPに掲載していくことは必要。
それに関連して、HP上での公開に向け、どう執筆者の承諾をとるかが問題。
- 既に紀要の電子化を行っている大学などで用いられている「承諾書」のモデルを探し、それに準じたEDFJの電子化に関する承諾書を作成していく
- これまでの執筆者のリストを松本さんが作成してくれたので、分担して、まずは個人的にコンタクトしていく(EDFJはPEKAの冊子なので、フランス語教育学会のMLなどは利用しない)。
- 少々時間はかかっても、原則的に、執筆者の承諾をきちんと得た後に掲載、というプロセスをとることで合意。
- この件については、今後も、話し合いをML上でも継続していく。

2) それぞれの授業での課題 〜 年間テーマへ

●発言者A
- 昨年度から「書かせる作業」を授業にとり入れている。この試み自体からは学習者の到達度に関しての目に見える成果を得るには至らなかったが、教師側で、学習者の間違いやすい点を把握できた。
- 教室でのグループ作業についてさらに工夫していきたい。
- ALTとのチームティーチングをどう活用するか、工夫が必要と感じている。
- ゆくゆくはポートフォリオも活用したい。
- 選択者の大半が調理コースの生徒なので、学習目標もそこに合わせたものにしてみる?

<参加者からの提案>
=>「書く」に関して、パソコンでフランス語を入力する練習をすると、より実用的なのでは?
=>「書く」活動の利用法として、「発音」してから書く、というふうに綴りと発音の関係を意識する機会とすることも可能?
=> 調理コースの生徒が対象であれば、ALTをお茶会に招待する、というようなシチュエーションを作ることで、フランス語を使う色々な場面(招待状を出す、メニューを作る、食べ物の紹介プレゼンをするetc.)を提供できるのでは?

●発言者B
-「読む」をどう鍛えるかを今年考えたい。

●発言者C
- 初学者の4月の1回目の授業で、挨拶と自己紹介の表現を習得するための教室活動で、最後にクラスを歩き回りながら6人の相手と挨拶してみる、ということを提案すると、どうしても男女がきれいに2つに分かれてしまう。男子と女子の学生が混ざり合えるACTIVITE
を考えてみたい。

<参加者からのコメント>
=> 握手など、身体的接触を含む活動は、大学生にとってはハードルが高いのでは?

●発言者D
- 今年3月に東京で開催された「神経言語学的アプローチ(ANL)研修」に参加した。そこで学んだことを、どのようにして日本の教室の現場に適合させながら実践できるかを模索したい。
-「知識を練習によって実践に移す」というこれまでの学習の順番の発想を転換し、最初は日本語や文法に頼らずに、実際に外国語を使ってコミュニケーションを行うことを通して、その表現が自分でも自然に正しく使えるようになる。
次に、その同じ表現を使って書かれた文章を正しく読んだり、自分でも書いたりできるようになる。人間の脳の仕組みに着目したこの新しい学習法が、カナダの小学校や中国の大学でも成果を挙げている。

<参加者からの質問>
=> ベルリッツなどで用いられるダイレクトメソッドとはどう違うか?

●発言者E
- モチベーションをどうアップするかが大きな課題。
- 家での学習をする学習者、しない学習者の差をどうするのか?

●発言者F
- 学習の順番としては、会話のパターン練習から入り、その後文法、書く活動へ向かう。
- 今のところ、学習者はしっかり書くところまで頑張っているので、継続の方向。

●発言者G
- 今年度はサバティカルなので、教室活動という視点ではないが、不可算名詞についての研究を行っている。
例えば、キッチンでもホテルのキッチンはles cuisinesと、複数形で用いる、等。

●発言者H(大学院生)
- 研究では「フランスに移住した日本人」がその経験をフランス語でどう語るか、をテーマに修士論文を作成した。
- フランス語が話せると何ができるか、と問われたら答えに困るが、フランス語を話している時には、自分が「違う自分になる」という現象があることを伝えたい。
- 授業をするとすれば、文法位置の復権、ということを考えたい。文法は語学習得の上で大きなヒントになる!

●発言者I
- 第1回の授業をどう始めるか、教科書とどう付き合っていくかが課題。
- 学習者が教室で共有できる時間を大事にする、という意味で反転授業に興味がある。
- 教科書なしで授業を組み立てる試みもしてみたい。制約のある中で学習者のモチベーションが落ちないようにするには?と試行錯誤中。

●発言者J
- 初学者のクラスを担当して気を遣った。
- 結果として、ついて来られない学習者がいることが判明。極端に評価点の低い学習者を出さないようにするにはどうしたらいいかが課題。
-「書く」学習は継続すると効果がある。特に、モデルにプラスアルファを加えると効果的。
-「星の王子さま」の内容理解のための設問つきのテクストを作成したので、授業で利用。
- 教師が説明しすぎる傾向があると気づいた。学習者がフランス語を使う時間を多くとることが課題。

以上10人の参加者のコメントには色々な要素が混ざっていた。ここで全体を通して
- 授業における文法の位置づけ
- この教材でどう文法を教えるか
- 講読の授業の組み立て
- 教科書をどう活用するか
などが、共有できそうなテーマとして挙げられたが、

6月は「教科書(教材)をどう活用するか」(文法、文化など、色々な要素を含めて)
秋には「講読の授業の組み立て」をあつかってみよう、ということになった。
<年間の共通テーマは、「文法の位置づけ」>

*参考までに:
「教科書の活用法」については、2005年、「文法の位置づけ」については2012年に話題にのぼっていたことが、インターネットにパソコンをつないでいた参加者の指摘によって判明した。
また、今回はEDFJの話し合いのため時間がなかったが、3月に行われたRPKでのTable rondeの様子についても報告が聞きたいとの声が上がった。
(T.T.)



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