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NO.149

 

 

 

1)ミニ・アトリエ:
<授業で何を使うか?どう使うか?色々なアイテムの活用法(実践編)>
2014年の連続テーマ「初学者のコミュニケーション能力をいかに引き出すか?」をめぐり、10月までの例会では、「会話授業の構成法」「評価の仕方」についてディスカッション形式で意見交換をしてきました。12月の例会では、「初学者」「コミュニケーション」というキーポイントはそのままに、日ごろの授業で活用している具体的なアイテムを持ち寄って意見交換をおこないました。
2月の例会では、持ち寄ったアイテムを使って、いよいよミニ・アトリエが実現します。新たなアイテムを持ち寄っていただいても大歓迎です。

2)2015年3月のRPK参加に向けての準備
3)EDFJ電子化


03/02/2015

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     PEKA (ペダゴジーを考える会) News Letter no.149
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三菱東京UFJ銀行 板橋支店
普通3591136
名義:ペカタントウ ウザワケイコ

郵便振替口座
00120-1-764679
加入者名:PEKA

 

■□■ 次回例会のご案内 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
日時 : 2月14日(土) 14:30 〜 18:30
場所 :アンスティチュ・フランセ東京 Salle 105
(162-8415 新宿区市谷船河原町15 Tel : 03-5206-2500)
* どなたでもご参加いただけます。参加費は無料です。

◆ 2月の例会は盛りだくさんです!
1)ミニ・アトリエ:
<授業で何を使うか?どう使うか?色々なアイテムの活用法(実践編)>
2014年の連続テーマ「初学者のコミュニケーション能力をいかに引き出すか?」をめぐり、10月までの例会では、「会話授業の構成法」「評価の仕方」についてディスカッション形式で意見交換をしてきました。12月の例会では、「初学者」「コミュニケーション」というキーポイントはそのままに、日ごろの授業で活用している具体的なアイテムを持ち寄って意見交換をおこないました。
2月の例会では、持ち寄ったアイテムを使って、いよいよミニ・アトリエが実現します。新たなアイテムを持ち寄っていただいても大歓迎です。

2)2015年3月のRPK参加に向けての準備
3)EDFJ電子化

☆☆ 2015年度例会日程 ☆☆☆☆☆
以下の通りです。メモをお願いします。
2015年4月18日、6月20日、9月19日、10月17日、12月19日、2016年2月13日
いずれも(土)14:30〜17:30
(会場の都合により時間変更の可能性あり)
場所については、例会ごとに案内をご確認ください。

 

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■■■【2014/12/20 例会報告】━━━━━━━━━━━━━━

12月の例会では、松村さんのケベック・スタージュの報告のあと、日ごろの授業で活用している道具・資料・技など、具体的なアイテムを持ち寄り、意見交換をしました。

【松村さんの今年度ケベック・スタージュの報告】

 本スタージュは、日本フランス語教育学会から推薦を受けた教員が参加している。午前中はフランス語教授法を学び、午後にはアトリエやケベック文化を知るための活動をおこなった。
 授業は、アクティヴィテが中心だった。ある教材を用いる場合にどういう学習者がターゲットになるかについて、さらに教材を読む前、読んでいる時、読んだ後のそれぞれの教育効果について学んだ。競争ではなく協働の作業が重視されていた。例えば、一つの作業をいくつかに分担してばらばらに学習させた上でそれを組合せて全員で一つの作業を達成する。また役割分担(仕切る/書く/タイムキーピング/先生とコンタクトetc.)についても学ぶところが多かった。
 ケベック文化・社会についての授業では、様々な場所を見学した。
 松村さん個人としては、文学プロパーなので、言葉を教えるための道具は持ち合わせていないと感じていたが、フランス語教授法の基礎的な訓練を受けられた。フランスのフランス語教授法とのあいだに基本的な相異を感じることはなかったが、ケベックの文化の理解と伝達という側面が重視されているという印象を受けた。


【アイテム活用法の研究】

1.はじめに、数人の出席者が3つのアイテムを紹介してくれました。

◆Trivial pursuit(英語名)
一般的な知識や文化的な情報についてのクイズで勝敗を競い合う市販のボードゲームで、子供向けから大人向けまである(最難関はpour un champion)。ジャンル別でフランスの歴史、スポーツ、TV番組などから出題される。
ただしフランスで生活していないとわからないものも多いので、日本で使うなら、自分たちで作ってみればよいのではという提案があったが、出席者からは「自作は大変かもしれない」「日本のことをフランス語で話し合っても」という点が指摘され、後者に対しては、日本で使える範囲でフランスの文化を問うものを作るという手もあるという返答が提案者からなされた。

◆ダイス
フランス語で、unからsixまで書かれたものと、septからdouzeまで書かれたもの、さらにはunからdixまで書かれた十面体のダイスもある。
基本的な使い方は、出た目を発音させる。もしくは二つ以上を用いて足し算して発音させる。その他さまざまな応用可能性がある(とくに次項を参照)。
※入手先についての質問には、提案者が「楽天のダイス屋で」と答えている。
http://www.rakuten.ne.jp/gold/headwear/dice/dice-gaigo.html

◆Jeu de l’oie
要は双六。二つのダイスを振って出た目だけ駒を進める。マスに単語や動詞の活用を言わせる指示や、フランス語で答えさせるためのフランス語の質問を書き込んでおくとフランス語のアクティヴィテになる。
出席者から、簡単なものであれば、駿河台出版社のMethode de francaisに収められているという指摘があった。

※実際に15課の巻末(新版の126頁)にあることを確認しました。

2.これまで挙がったような学習内容をアウトプットするためのゲーム以外に、インプットのためのゲームにどのようなものがあるかという話題になりました。

◆提案(1)
魚の名前などジャンルを決め、学習者にあらかじめ和仏で調べさせてフランス語の語彙を準備させておいてから、チーム対抗でフランス語名を出題し、相手チームに意味を答えさせる。
出席者からは「覚えるだけでなく自分で調べる作業も入っている点がよいと思う」という意見が寄せられた。

◆提案(2)
次の課に関連して自分に必要な語彙を、学習者たちにあらかじめ黒板(ホワイトボード)に書かせる。講師がそれを写真に撮っておいて次週までにリストにして、学習者に覚えさせ、課で習った表現を用いて自己表現をおこなわせる。
出席者Aが、「覚えさせる際にも工夫をしているのかどうか興味がある」という意見を述べたところ、提案者からは、語彙を用いたアクティヴィテの前に、リストの語彙に関する小テストをおこなっており、その際、日本語との一対一対応にしないよう、画像を見せて質問しているという返答があった。
出席者Bから「画像を見せるところまで工夫をしているのなら、筆記だけで答えさせるのは少しもったいないので、発音もさせるような形にすればどうか。」という助言が得られた。
また提案者自身の注意点として、マニアックな単語を選んでくる学習者が出てくるが、テストの際には出題せず、講師の側で適度に選別をしているとのこと。

◆提案(3)
学習者のレヴェルが中級以上であれば、特定の社会問題(例えばtabagisme)などをテーマに選んで、それにかかわる語彙をあらかじめ各自で調べておいてもらった上で、そのテーマに関する文章を授業で読む。授業中に語彙を共有してゆけば、一人で調べるのとは違って広い範囲の語彙をカバーできるので、初見の文章でもスムーズに読み進めることができる。

3.ゲームを取り入れる際の注意点についても話し合われました。

問題と対策(1)
「各課でゲームを取り入れると学習者の方が飽きてくると思われるが、どのようなペースでゲームを取り入れているか。」という問題提起に対して、出席者から「同じようなアクティヴィテを使い回さずに、各課でヴァリエーションをつけてゆけばよい」という返答があり、ヒントとして以下のアクティヴィテが提案された。
◆提案(1)
まず、ある課の語彙を一通り覚えてもらい、授業で一人一つずつ言ってもらう。その際、自分の前の人が言った単語を自分も反復して言った上で新しい単語を一つ付け加えてもらう。
◆提案(2)
動詞表現であれば、発音するときにジェスチャーをつけて答えさせる。あるいは逆に、一人の学習者のジェスチャーをみんなに見せて、それに妥当する動詞表現を当てさせる。

問題と対策(2)
「脱落者は出ないのか。数回ごとに来る、もしくは暗記してくる日に予備知識なく来た場合、アクティヴィテによってはその学習者が蚊帳の外に置かれかねない。前回欠席した学習者がスムーズに加われるような工夫をしているか。」という問題提起に対しては、さまざまな意見が出た。
提起者自身は、「必要とあれば、大学のサイトのなかの当該授業のページに、ハンドアウトのファイルを置いておく」という案を出した。
出席者Xは「そこまでする必要はない」という立場。出席者Yは「授業中にグループ内でフォローさせる」という対処をおこなう。
出席者Zからは「やむを得ぬ事情で欠席する学習者については、その学習者のフォローを口実に、授業中にみんなで復習する」という意見が出た。

4.最後に再度アイテムの紹介に戻りました。

◆カレンダー
比較的コンパクトで情報量が多いカレンダーを用いる(提案者は、Exacomptaの手帳Agenda Semainier Horizonsシリーズに付属のものを使っている)。数字、月の名前、曜日を覚えたり、誕生日を言い合ったり、祭日、聖人の祝日についての文化的な話題を話したりと、幅広い使い方ができる。

◆ストーリーキューブス
6面にそれぞれ簡単な絵が描かれたキューブを9種類用いる。例えば、学習者が順に、キューブをサイコロのように振って、偶然現れたいくつかの絵をつなげて即興でお話を作ってゆく。

◆カード教材
各カードに、カード内のフランス語の単語やイラストを用いたゲームの指示が書かれている。既製品では次の二点が挙がった。
80 Fiches pour la production orale en classe de FLE(Didier)
120 fiches pour aider l'eleve a developper ses competences langagieres(Retz)

例会では、そのほかに、野澤さんを窓口としてRPKでのシンポジウム参加について話し合いました。(F. T.)



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