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NO.147

 

 

「初学者のコミュニケーション能力をどう評価するか」

11/10/2014

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     PEKA (ペダゴジーを考える会) News Letter no.147
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■□■ 次回例会のご案内 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
日時 : 10月18日(土) 14:30 〜 17:30
場所 : 明治大学駿河台校舎研究棟3階 第10会議室
(〒101-8301 千代田区神田駿河台1-1
 TEL 03-3296-4545)
http://www.meiji.ac.jp/koho/campus_guide/
(リバティータワー3階の連絡通路から研究棟に渡るとそこは研究棟の4階です。
第10会議室は1階下です。)
* どなたでもご参加いただけます。参加費は無料です。
* 10月例会のテーマは「初学者のコミュニケーション能力をどう評価するか」です。多くの方々のご参加をお待ちしております。

☆☆ 2014年度例会日程 ☆☆
以下の通りです。メモをお願いします。
12月20日,2015年2月14日
いずれも土曜日の14:30〜17:30ですが,会場の都合により時間変更の
可能性があります。
場所については,例会ごとに案内をご確認ください。

 

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■■■【2014/9/20 例会報告】━━━━━━━━━━━━━━

9月の例会は「初学者の会話クラスをどのように構成するか」というテーマで行われました。以下に各参加者の発言とそれに関連した議論を含めた形式でまとめていきます。

<参加者 A>
■栄養学系の女子大にて選択外国語のフランス語(1年半で完結)を教えている。1年目の学生が30人程おり,授業の雰囲気は活発な方である。現在は音に慣れるためにディクテを行っているが,今後は聴き取りを含め,まとまった文章を書けるようにさせたい。
しかし,学生からは会話の授業をして欲しいという要望が強く,教師としても実践的な会話能力を身に付けさせたい。だが,大学の特性上フランスでの出店を夢見ている学生もおり,その際の事務的なやり取りを想定すると書くための文法知識が必要とされるので,会話だけを行うというわけにもいかない。

■会話だけではない授業を構成するアイデアとして,フランス料理のレシピやフランスで売られている商品のラベルを題材として扱うというものが挙がった。こうすることにより,文化的な側面も同時に教えられ,且つ学生の興味に合った授業をできるので,会話の授業に対する要望が強い学生にとっても満足できる授業を行うことができる。

<参加者 B>
■学校のカリキュラムの特性上,フランス語が必修であるため,「仕方なく」フランス語をやっている学生が少なからず存在する。そこでその様な学生の興味・関心を刺激するために,夏季休業中の課題としてフランスの各地方の調べ学習を課している。そうすることにより,学生にフランスに旅行に行きたいという動機や,調べ学習に対するやり甲斐与えることができる。また,課題をクラス内のコンテストにかけて競わせることにより,ゲーム性を持たせることも可能である。今後は冬季休業中の課題として,フランコフォニーの国々の調べ学習を計画している。

■調べ学習について他の参加者からも肯定的な意見が出され,好みに合致した課題が出されるとスポンジのように知識を吸収するという,人間の性質を上手に利用すると学習効果が高いという意見が挙がった。また,学習者自身が興味を持たなければ知識は役に立つものにはならないという指摘もあった。

<参加者 C>
■会話の為のフランス語の様々な言い回しを教えるということも大切だが,コミュニケーションをとろうとする姿勢(相手の目を見る,相手に身体を向ける,会話のキャッチボールをできる限り続ける,声の大きさに注意する),即ちコミュニケーションの方法も教える必要がある学生が増えてきていると感じている。コミュニケーションの方法として,相槌の表現や「相手の発言に対する質問」といった,会話を途切れさせない工夫が挙げられる。

■例会のテーマに「初学者の会話クラス」とあるが,そもそもフランス語の語彙や表現が乏しい初学者に会話をさせるというのも難しいものがある。そこで,アニメやドラマを途中まで見せ,その続きの会話を作らせるという手法がある。この場合,場面が既に定まっているのでその後の流れが想像し易く,言うべきこともある程度わかっているのでアイデアが出易い。

<参加者 D>
■コミュニケーションの成立の為には,先ず言いたいことが伝わらなければならないため,発音指導は軽視してはいけない。とりわけ,個々の音だけでなくリズムや,語尾を強く発音するといった規則もしっかりと教えなければならない。その為に,フランス語だと思われる日本語表現をカタカナで書き,フランス語で発音した際の両言語間のリズムの違いや綴りと音の関係を意識させるといい。

■また,教室での学習者の配置を変えることで大きな声を出す訓練ができる。例えば教室の端と端にペアを配置し,その状態で会話をさせることで声を大きく出させることができる。

   ◆ ◇ ◆

■以上のように,初学者の会話クラスを構成するための様々な意見が各参加者の間で話し合われました。脱線を繰り返しながらの話し合いでしたが,それぞれの発言からは初学者の会話クラスを構成する為の示唆となるものが多いように思われます。会話の授業は,語彙・表現・発音や文法という様々な要素を考慮する必要があり,組み立てるのがとても難しいのは言うまでもありませんが,加えて「初学者の」という前置きがつくことでより一層難しさが増すのは明らかです。
しかし,学習を始めたばかりだからこそ「早くフランス語を話せるようになりたい」という欲求が高いのも事実です。教師がその欲求を消してしまうことなく,どのようにしたらモチベーションが高いまま学習を進めさせることができるのか…難しい課題ですが,初学者だからこそ軽視してはならないのは間違いありません。

(T.M.)



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