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NO.139

 

 

 

「板書について」、「ACTIF な授業」

10/6/2013

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     PEKA (ペダゴジーを考える会) News Letter no.139
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■□■ 次回例会のご案内 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■

日時:6月22日(土)14 :30〜17:30
場所:アンスティチュ・フランセ東京www.institutfrancais.jp/tokyo/
   303 教室(「三階に行く階段」を探してください。
   ご不明の時は、受付でお尋ねください。)

◇テーマはふたつあります。「板書について」と「ACTIF な授業」です。みな
さん、またいろいろな意見、質問、報告など用意してご参加ください。
* どなたでもご参加いただけます。参加費は無料です。

 

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■□■ 2013年度例会日程 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
以下のとおりです。メモをお願いします。

2013年4月20日、6月22日、9月21日、10月19日、12月21日
2014年2月15日
いずれも(土)15:30〜18:30 (会場の都合により時間変更の可能性あり)
場所については、例会ごとに案内をご確認ください。

■■■【2013/4/20例会報告】━━━━━━━━━━━━━━━

今年度第1回の例会のテーマは、「フランス語教育にリアリティーを持たせる
には?」でした。2月の例会で、技術系高校で料理専攻の生徒にフランス語を
教えている参加者から、「授業中に学んでいることが実際に使える、という実感
をともなっているかどうかは必ずしも定かではない。」という意見があったのが
きっかけでした。
 例会では、今回も、それぞれがテーマに沿って各々の実践を紹介しましたが、
タイトルの「リアリティー」という言葉のとらえかたが大きく二つにわかれま
した。以下に、実践の内容とその後の意見交換を簡単にまとめます。

1.フランス語を母語とする相手との交流
・高校間の交換留学
・フランスの高校の日本語学習者と文通(日本語とフランス語で手紙を書く。)
・フランスの大学の日本語学習者とメールでの交流(大学側が学生のペアリン
グをして、後は本人達が自由にコンタクトをとる。)
・外国人が集まるカフェや浅草で積極的にフランス語を使用している学習者が
いる。
・ネット上のサイトで、趣味や興味が同じフランス人と知り合い、メールのや
りとりをしている学習者がいる。
・社会人はフランス(語圏)にいく事が決まっている場合がある。(仕事、旅行)
このような活動の利点としては、授業の枠を超えて学習者が自主的に活動す
る、相手と友達になれる(ex.夏休み等に実際に会う)、書く(話す)事への苦手
意識が解消する、現実に話したり書いたりする相手の存在を意識することが学
習へのモチベーションになる、などが挙げられた。また、問題点としては、成
績判定などのタイミングで交換留学への参加が難しい、交流の機会に話題が見
つからない学習者がいる、メールのウィルスなどネット上の問題がある、男女
を意識した交流に注意する必要がある、また、フランス語の正確さをチェック
できない、などが挙げられた。

2.授業の中に見るリアリティー
・フランス語を実際に使う状況を想定した教室活動をする。(FETEの計画、メ
ールを書く、買い物の場面、etc.)そこでは、学習者は自分の意思を表現する
形でフランス語を使う。
・フランス語を使った授業空間をつくり、フランス語でのやりとりをする。(リ
アリティーがないというのは、例えば、文法の説明を聞くだけの授業というよ
うに、学んでいるフランス語を実際には使えないから。)
・画像などの視覚的資料を授業で使用する。(ex.教師自身が現地で撮った写真)
・日常的なテーマを取り上げ、フランスの事を話題にする。(ex.学校教育のシ
ステム→日本=自分たちの日常との比較)
・学習者がもともと興味をもっている事を重視する授業を提案する。(学習者が
調べたことを発表、またそれをまとめた「作品集」を作る。)
ここでは、個人の興味とフランス語そのものに対する興味のバランスをどの
ように考えるかが話題となった。文化的な興味は現実に即しているが、学習者
が求めるものだけを扱っていては欠落する部分が出てくる。これは、例えば、
「語学」の授業と「文化」の授業での「リアリティー」が異なるという事にも
通ずる。(報告者註:「語学」では、PROGRESSIONが問題となるため、学習
者の興味にばかり時間を割けないが、「文化」では、トピック重視となるため、
言語的なPROGRESSIONをあまり意識する必要がないということか。)語学と
してのリアリティーに焦点を絞るとすれば、知識(CONNAISSANCE
CULTURELLE / LINGUISTIQUE)を、COMPETENCE LINGUISTIQUEにどの
ように結びつけていくかということが問題になる。
また、リアリティーとは、学習においては「達成感」であるという意見も出
た。教室内での達成感とその先の達成感は異なるので、教師としては、まず教
室の中の事を考えなくてはならない。多くの学習者にとって、授業でのフラン
ス語は「道具」という認識がなく、科目の1つだという考えしかない。そのた
め、彼らは年間を通して受け身の姿勢に終始する。学習者が「達成感」を得ら
れるように、教師は彼らの学習のしかたについても留意する必要があるのでは
ないか。

 以上のように、結局、「リアリティー」という言葉の意味そのものが、実は参
加者の中でいろいろであったという事がわかりました。では、「フランス語教育
にリアリティーを持たせるには」どうしたらいいのでしょうか。今回の例会で
検討されたことは、大きく3点にまとめられると思います。
1.学んだ事柄が実際に使えると体験できる授業を工夫する。つまり、知識と
現実のコミュニケーションを教室活動を通して結びつける。
2.具体的な事例(画像、日本で使われているフランス語の単語、etc.)を教
室に持ち込むことにより、学習言語が現実の世界に存在していると認識させる。
3.教室外で、フランス語で交流できる相手(ex .フランス人とのメールのや
りとり)や交流の場(ex. 高校のフランス語スケッチコンクールなど)を提供
する。
学んでいるフランス語が現実と繋がるための可能性を提供するのが、「リアリ
ティー」を念頭においたときの教師の役割と考えられます。
(K.U./ R.I.)



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