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NO.137

 

 

 

「2012年度反省と今後の改善に向けて」

11/2/2013

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     PEKA (ペダゴジーを考える会) News Letter no.137
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*PEKA活動資金カンパ口座
三菱東京UFJ銀行 板橋支店
普通3591136
名義:ペカタントウ ウザワケイコ

郵便振替口座
00120-1-764679
加入者名:PEKA

■□■ 次回例会のご案内 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■

日時:2月16日(土)15:30〜18:30
* いつもより一時間遅くのスタートですので開始時間にご注意ください。
場所: アンスティチュ・フランセ東京(旧東京日仏学院) 106教室
* どなたでもご参加いただけます。参加費は無料です。

◆ 2月テーマは、「2012年度反省と今後の改善に向けて」です。
2月の例会では2012年度の自身の授業を振り返りましょう。授業実践の中で、「...な問
題があり、うまくいかなかった」、「もう少し...すれば良かった」など反省点を紹介して
ください。また、次年度へ向けてその改善案もありましたらあわせて紹介してください。
他の参加者も同じような問題を抱えているかもしれませんので、全体で共有し、議論しましょう。
PEKAには、教師だけでなく、フランス語教育の勉強をしている、あるいはフランス語教育
に興味がある学部生、院生など、様々なタイプの参加者がいます。
多様な視点で活発な議論をしましょう。たくさんの参加をお待ちしています。

 

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■□■ 2013年度例会日程 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
以下のとおりです。メモをお願いします。

2013年4月20日、6月22日、9月21日、10月19日、12月21日
2014年2月15日
いずれも(土)15:30〜18:30 (会場の都合により時間変更の可能性あり)
場所については、例会ごとに案内をご確認ください。

■■■【2012/12/15例会報告】━━━━━━━━━━━━━━━

2012年最後の例会は12月15日に明治大学駿河台キャンパスで開かれました。
テーマは10月の続きで、「読む活動について(その2)」でした。テキストを読
むときの工夫について、鵜澤さん、そして前回例会での報告後に改善を試みた粕
谷さんと茂木さんにより報告が成されました。活発な意見交換があり、有意義な
会となりました。以下に概要をお知らせします。
1.鵜澤さん:「グループで読む」
2.茂木さん:「インターネットの記事を読む」
3.粕谷さん:「LE PETIT PRINCEを読んだ後のアクティビティ」

◆1.鵜澤さんの報告:「グループで読む」
NOUVEAU ROND-POINT IのUNITE 6のREGARDS CROISES(p.68-69)を
利用した読解活動。ここでは“DES FETES TRES FRANCAISES”というタイトル
で、“LA NUIT BLANCHE”, “LES JOURNEES DU PATRIMOINE”, “LA FETE
DES VOISINS”の3つのイベントを紹介する文章が掲載されている。
学習活動はすべてフランス語で実施される。流れは以下のとおりである。

1) SENSIBILISATION:掲載されている写真とタイトルを見て、どんなイベント
なのか考え、クラス全員で話し合う。(クラスの誰でもが意見を述べる。)

2) グループ分け:3〜4人のグループに分け、グループで3つの文章から好きな
ものを1つ選び、その文章を読む。
読解中“COMMENT S’APPELLE LA FETE?”, “QU’EST-CE QU’ON FAIT?”など
質問に答えるかたちでficheに書き留めていく。
読解の際にわからない語がある場合は、各グループごとに学習者用仏仏辞書
ROBERT & CLE(CLE International)を使用する。

3) グループ再編成:異なる文章を読んだ人で新たにグループを作る。そこで、各
人が読んだ文章を他のメンバーにフランス語で紹介する。もし文章の内容に関し
て、曖昧な説明しかできない時は、2)の段階で一緒に文章を読んだメンバーのと
ころに行って情報を得る。

4) 会話活動へ:その後、自分ならどのイベントに行きたいか、日本ではこのよう
なイベントがあるかなど、話し合う。

イベントの紹介文を素材としているが、歌手・映画・場所の紹介文などを素材に
しても同様の学習活動はできる。

◇その後、以下のような質疑応答があった。

Q.グループ活動だが、全体での確認はしないのか?
R.このページは、UNITEの中の最後のページで、学習目標については、その前
のページで完結している。言語的に何かを新しく学習するというよりは、今まで
に学習したことを自由に使う(使える事を確認する)事がだいじであると考える。
その経緯で、結果的に全員が全ての文章を理解した事になっているので、全体で
確認すると繰り返しになり退屈。

Q.ROND-POINTは使いにくいという評判があるが?
R.GUIDE PEDAGOGIQUE がしっかりしているので、きちんと読んでその通り
に授業を進めれば誰にでも使える。ただし、フランス語での授業が前提なので、
学習者のフランス語力に左右される。フランス語でのコミュケーションを念頭に
おいた授業を初心者の時点から経験した学習者でないと使えないと思う。また、
フランス語で授業をする場合、学習者の到達度を把握しにくい部分があるが、こ
れについては、TACHEのまとめの書くACTIVITEや、毎回の宿題(CAHIER
D’ACTIVITEから、授業の内容に沿って選択。回収して添削。)で確認できる。

Q.他の教科書でも、このような活動ができるか?
R.教師がこのような授業に対する考え方を理解していればできる。

Q.グループ内での会話はフランス語か?
R.グループワークだけでなく、授業全体をフランス語で行う必要がある。「学びな
がら使う、使いながら学ぶ」ということ。学習者にとって、授業は知識を得る場
であるだけでなく、それを使って行動する場であると考える。

◆2.茂木さんの報告:「インターネットの記事を読む」
10月20日の発表に引き続き、その後の改善内容について報告があった。
茂木さんの担当する授業「フランス文化論」では、JOURNAL DES ENFANTS
の記事を読ませることで、フランス文化に触れることのできるよう工夫されてい
る。フランス語で「記事を読む・読ませる」には、どうしたらよいのか?前回の
発表での内容をさらにグレードアップさせて、今回の発表では、ひとつの記事に
対して、理解度をアップさせることのできるオリジナルのシートについての説明
があった。
○ 問題点:
- テキストを読むことができない:
レベル差、真面目な学生とそうでない学生の混在、予習してないetc…→文法を
説明しながら読み進め、訳読になってしまっている…訳してもヘンな訳になって
訳読もできないという状況。
○ 改善点:
- 読み方を教える
- 読み方を工夫する
- プリントは前もって配布しない(予習はしなくていいという指示)
- 理解度をアップさせるためのオリジナルシート*の導入

*<オリジナルシート>
ステップごとに、理解度があがっていくように工夫されている。
例)衛生面に関する統計データの記載のある記事
I.データについて
step1 その統計データをまず抜き出してみましょう
step2 そのデータが何を表わしているか予想しましょう
step3 最終的にテキストを読解し、結果を書いてください
II.語彙について
衛生面に関する語彙を抜き出してみましょう

例)LES RESTOS DU COEURという団体についての記事
- テーマをはっきりさせ、関係性を明確にする(ボランティアが食料を貧困者に
配布)
- フランス語の単語の繰り返しを避け、同義語で置き換えるという特徴を意識さ
せる(LES RESTOS DU COEUR / LES PERSONNES LES PLUS DEMUNIES /
LES PANIERS-REPAS)
- パラグラフごとに読む(一行程度の日本語で要約する)

◇このシートの導入により、学生はわからない単語があっても意外に読めるのだ
ということがわかり、辞書をひくときも予測しながら、意味を探せるようになっ
たとのこと。また、毎授業で実施している学習日誌のリアクション欄には、読ん
だ記事のフランスの状況と日本の状況とを比較して感想が書かれていたとのこと
で、「読む」授業を通して、日仏文化比較をするというこの授業の目的に近づいて
いるようだった。

◆粕谷さん:「LE PETIT PRINCEを読んだ後のアクティビティ」
10月20日の発表に続き、その後の授業内容について報告があった。
粕谷さんの講読の授業は、高校の三年次に年間を通してLE PETIT PRINCEを読
むというものだが、文法訳読方式の読解の授業と並行して、この授業にグループ
活動でのアクティビティを取り入れたいという粕谷さんの希望に対し、前回参加
者から色々な提案があった。
今回の報告の時点では、50分×2回のアクティビティが行われていて、おおむね
生徒には好評であった。アクティビティでできあがったもので冊子をつくる予定
で、タイトルはLES PETITS PRINCESとするという事も生徒同士の話し合いで
決められていた。

◇実施した(する)アクティビティの内容
1)「vrai / faux クイズ」LE PETIT PRINCE のすべての場面に対して与えられ
た場面を各グループが担当し、内容に関するクイズを作る。(クイズを解くことに
よって、LE PETIT PRINCEのストーリーがわかるような内容にする)→他のグ
ループのクイズを解いて来ることが冬休みの宿題。
2)「目に見えるもの / 目に見えないもの」→生徒それぞれの考える「こころで見
る」美しい風景について、期末テストに出題。
3) 日本語に翻訳された文章を読む(ラストシーン)。与えられた箇所の翻訳(同
じ箇所に対して三例の訳)を見ながら、フランス語に訳してみる。→最後まで終
わらなかったので、続きは三学期。
4) 名言集作り。LE PETIT PRINCE中の、自分が気に入った文に、新しい文章
を付け足して、自分なりの名言を作る。→三学期のアクティビティ。

◇報告をふまえての議論
1) まず、生徒の作った文をもっと吟味する必要がある。それぞれの文について
vrai / faux、またその判断の基準を述べさせるのであるから、もとの文が正確で
なくてはならない。
本の中の文をそのまま利用する(写す)のではなく、もっと生徒自身に身近な、
平易なフランス語に書き直させるべきではないか。
Vrai / faux がはっきりしてしまう文だけでなく、もっと曖昧で、それぞれの意見
が異なるような文を挙げておくと、結果として深く読める事になる。
数はもっと少なくてもいいのではないか。各グループが作った文の中から、自分
たちでセレクションし、決まった数の文を提出させるのでもいい。
2) フランス語で答えるのかという質問があった。「講読」の範疇で、文章(テー
マ)を理解したかどうかを判断するのが目的なので、回答は日本語でよいという
ことだった。
3) 訳の練習としては、選んだ部分が少し難しいのではないかと思われる、という
意見に対し、フランス語を日本語に訳す練習よりもフランス語を使っているとい
う印象があり、生徒は積極的に取り組んでいる、という報告。
(K.U, M.K, R.M )



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