Pékaトップページ       過去ニューズレターMENU    

 

NO.136

 

 

 

「読む活動について その2」

07/12/2012

┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏

     PEKA (ペダゴジーを考える会) News Letter no.136
┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏


*PEKA活動資金カンパ口座
三菱東京UFJ銀行 板橋支店
普通3591136
名義:ペカタントウ ウザワケイコ

郵便振替口座
00120-1-764679
加入者名:PEKA

■□■ 次回例会のご案内 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■

日時:12月15日(土)15:30〜18:30 
(いつもより1時間遅い開始となります。)
場所: 明治大学駿河台校舎研究棟2階 第8会議室
(リバティータワー3階の連絡通路から研究棟に渡るとそこは研究棟の4階です。
第8会議室は2階下です。)
 
(〒101-8301 東京都千代田区神田駿河台1-1 TEL 03-3296-4545)
キャンパスガイドは以下の通りです。
http://www.meiji.ac.jp/koho/campus_guide/
* どなたでもご参加いただけます。参加費は無料です。

12月のテーマは10月に引き続き、「読む活動について その2」

「フランス語の授業でテキストを読む」となると、教師はついつい自分たちの
経験か文法訳読法を採用してしまいがちですが、目的やテキストのタイプによ
って様々な読む活動を工夫できるのではないでしょうか。みなさんがテキストを
読む際に実施している活動のアイデアを持ち寄り、例会で話し合いましょう。
例会後半は、論集EDFJの次号の執筆担当者分担などについても話し合う予定です。
また、終了後には・・・忘年会もあります!多くの皆さんのご参加をお待ちしてい
ます。

上へ

■□■ 2012年度例会日程 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
以下のとおりです。メモをお願いします。

2012年4月21日、6月16日、9月15日、10月20日、12月15日
2013年2月16日
いずれも(土)14:30〜17:30
場所については、例会ごとに案内をご確認ください。

■■■【2012/10/12例会報告】━━━━━━━━━━━━━━━

テキストを読むときの工夫について、今回は粕谷さん、茂木さんから話し合
いの材料が提供されました。参加者数は、9人、学会のシーズンということもあ
ってか、こじんまりと、しかし、新たな参加者も交えて、意見交換ができました。
以下に概要をお知らせします。
1.粕谷さん:「講読の授業の作り方」
2.茂木さん:「Journal des enfants を読む」
3.論集EDFJの今後の在り方について

◆1.「講読」の授業の作り方 
高校の語学系(フランス語)の三年生対象

高校で、「フランス事情」と「講読」がペアになっているタイプの授業を担当して
いる。「講読」の50分で『星の王子さま』を読む、というのが高校生たちの間で
は、「フランス語の作品を読んだんだ」ということを実感する経験に例年なってい
る。「星の王子さま」はこの高校では伝統的な素材。
年間の進み具合としては、
1学期: 6つの星の旅の部分までを読み終える。 
(夏休み中に6つの星の旅の部分のレジュメを書く:宿題)。
2学期: テキストを最後まで読む、終わり次第、グループ活動予定
3学期: グループ活動予定
今後、2学期の後半から3学期にかけての授業の内容に工夫を加えたいと考
えている粕谷さんの投げかけに参加者から色々な意見が出された。

- フランス語を日本語に訳す、という作業では、日本語に注意がいきがち。
- むしろ日本語訳を渡して、その部分はフランス語ではどう表現されているか
を見つける方がフランス語を「読む」ことになる。プロセスを反対にしてはどう
か?
- 場面を演じてみたら楽しそう。
- 音読という点については、例えば、ネイティブによる録音をマネするという方
法もある。授業で用いている音源は、GERARD PHILIPPEによる「演じられた」
短縮バージョンだが、登場人物によっては、演技が少々行き過ぎていて、あまり
高校生にとってまねがしやすいものではない。
- フランス人のアシスタントに録音してもらい、高校生の聞きやすい音源をつく
る。
- 「読む」ということの中には、文法的に文を理解するというよりは、意味(内容)
を理解する、という方向(COMPREHENSION GLOBALE)もあるのでは?
- 「目に見えるもの、目に見えないもの について考える」 など、テーマを決め
てみてもよい?
- 文学を説明できても、それを味わうことができるかは別の問題。(たとえば、
ジェイムス・ジョイス の本を読んだときにとても面白かったという経験は、その
人の人生経験によって、理解できる度合いには差がでてくるように。)
- 文学と哲学はどう違うのか? 「文学」ではある場面を描くためにどのように
「言葉」を使っているのか?というのがポイントでは?そう考えるとまた別の授業
の形もあるのでは?
日本人の学習者は消極的? 授業に行ったらできないといけない、と思ってい
るところがあるが、そこにこだわらない話し合いの機会を授業の枠内に作る。
例えば apprivoiser という言葉を説明するときに、フランス語をつかってみるこ
とで、なぜ他の言葉ではなくてその言葉なのか、という点については意識するこ
とができる。
- 挿絵と文章のタイトルを組み合わせる
- 「星の王子さま」に出てくるセリフを他のシチュエーションにあてはめるように
してスキットを作る。それほど複雑にしなくても、フレーズの前後を作らせると
いうのでも、「使い方」の理解に繋がる。
- 名言集を作る

...と色々な意見が出されたが、粕谷さんの授業が今後、どのように変化していく
か、次回の例会では、またその後の報告をしていただきたい。

◆2.Journal des enfants の記事を読む (茂木さん)
大学フランス語専門課程の 3年生対象「フランス文化論」

現在の試み・工夫:
学習者自身で予習をする、となると辞書をひきすぎるので、辞書を使わずにざ
っと内容を理解する、という指示をしている。辞書をひくと、一番最初に表示さ
れている意味しかメモしてこないので、まず、辞書の引き方としては、文章を読
んで、だいたいの意味を予測し、その意味があるかどうかを探すようにするよう
説明。

トピックとして学校の話題など、身近なものを選ぶ →日本と比較してみること
でフランスとの違いを理解
例)
《MORALE LAIQUE》 フランスで新たに高校に導入される科目
《VELO ECOLE》 フランスでは自転車は環境保護に役立つものとして認識され
ている。移民は大人でも自転車に乗れるとはかぎらないのでこういった施設が
存在する。
該当するテーマについて、調べてレポートを作成
はじめは大意を理解する、という方法を考えていたが、学生の理解度が低すぎ
て、訳読に近くなってきた。読解と文化理解 1時間ずつ。文化理解の方に重点。

COMPREHENSION GLOBALE 的な授業にする工夫:
日付、数字、学校に関連する単語を ピックアップする。→そこから内容を予想
その後に細かい点にも目を向けていく。
段落ごとに意味を把握
段落ごとに質問を作る→教師が間違いを訂正して次の時間に復習に用いる

◎今回は少々時間配分がうまくいかず、茂木さんの授業に関するコメントの時
間が極端に少なくなってしまったのは、反省すべき点でした。
粕谷さんの素材は物語で、茂木さんの方は時事問題という現実を扱ったも
の、という違いがあり、今回の例会では、同じ「読む」というテーマでも、素材の
性格によって、色々な授業のバリエーションが可能なのではないか、という入口
に立てたように思いました。
次回も引き続き「読む活動について」がテーマとなります。みなさんから、また
色々な素材をもちよっていただき、それぞれの経験からくる色々な意見を交換
できれば、と思います。

◆3.論集EDFJについて
引き続き、七月堂にお願いしていくことで意見は一致をみました。
でも、今後は、校正についても私たち自身で、できる限り完璧なところまで行
い、PDFで七月堂に入稿というプロセスをとることになりますが、編集の負担
が大きくなるので、みなさんの協力が大切となります。
今のところ、これまでの編集をご担当の茂木さんに加え、他で編集のご経験の
ある余語さんが手を挙げて下さっています。
この件についてもまた次回の例会で続きを話し合う予定です。

(T.T..)



***************************************
PEKA (ペダゴジーを考える会)News Letter
配信システム:まぐまぐ
http://www.mag2.com/

*PEKAの活動について詳しくは
http://peka-web.sakura.ne.jp/

* PEKAへのカンパは以下の口座でお受けしています。
郵便振替口座 00120-1-764679  PEKA
***************************************

◎PEKA (ペダゴジーを考える会)News Letter
  のバックナンバー・配信停止はこちら
⇒ http://archive.mag2.com/0000228585/index.html 
  このメールに返信すれば、発行者さんへ感想を送れます。

上へ


Pékaトップページ     過去ニューズレターMENU