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NO.133

 

 

 

「新年度への展望と課題−新たなる挑戦へ向けて−2」

02/06/2012

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     PEKA (ペダゴジーを考える会) News Letter no.133
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普通3591136
名義:ペカタントウ ウザワケイコ

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加入者名:PEKA

■□■ 次回例会のご案内 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■

日時:6月16日(土)14:30〜  
場所:明治大学駿河台校舎・研究棟3階 第10会議室
(リバティータワー3階の連絡通路から研究棟に渡り、目の前の階段あるいはエレベータで
1階に降りて下さい。階段・エレベータを出たところの廊下を左に行くと第10会議室が
あります。)
(〒101-8301 東京都千代田区神田駿河台1-1 TEL 03-3296-4545)
キャンパスガイドは以下の通りです。
http://www.meiji.ac.jp/koho/campus_guide/

◆ 6月のテーマは「新年度への展望と課題--新たなる挑戦へ向けて--その2」です。
4月の例会のテーマを引き続き発展させます。前回時間が足りずお話しいただけなかった
方、また新たに自分も話してみようと思われる方、どうぞご参加ください。新学期がはじ
まって2か月が経過しましたので、その成果を踏まえて話し合いましょう。また今年度教
育実習を終えたばかりの学生さんの感想なども聞かせていただける予定です。
例会後半では、論文集EDFJの今後の編集体制についても話し合う予定です。
多くの皆さんのご参加をお待ちしています。

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■□■ 2012年度例会日程 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
以下のとおりです。メモをお願いします。

2012年4月21日、6月16日、9月15日、10月20日、12月15日
2013年2月16日
いずれも(土)14:30〜17:30
場所については、例会ごとに案内をご確認ください。

■■■【2012/4/21例会報告】━━━━━━━━━━━━━━━
 4月のペカは、明治大学駿河台校舎研究棟4階第1会議室で行われました。4月も下旬
だというのに肌寒い日ではありましたが、14名が例会に参加しました。テーマは「新年度
への展望と課題--新たなる挑戦へむけて」。新年度を迎え、新しいクラスを担当するにあた
って実践していること、発生した問題、今後の目標など、様々な報告が行われ、終了時間
ぎりぎりまで活発な議論が交わされていました。

 今回は、6名の方からの報告がありました。

○ CECRに基づくタスク中心教授法の実践例(茂木さん)
CECRと、その行動中心主義(perspective actionnelle)の考えと合致する「タスク中心教
授法」(Task-Based Language Teaching)‐「実生活のタスク」を採用した授業の試みについ
ての報告。
【実践例】
20名程度のクラス。第2外国語としてフランス語を選択した履修2年目の二年生が対象。
所属学科も様々で、モチベーション、一年次における学習内容や進度などにもばらつきが
ある中で、全ての学生が楽しめる内容となる授業を目指す。これを踏まえて、CECRを利
用してタスク中心に授業を組み立てる授業を行い、CECRのA1を満たす(「教科書や辞書
を使いながら、ならば出来る」→「教科書や辞書なしでも、すぐに簡単に出来る。」という
レヴェルに引き上げる)ことを目標とする。
- ポートフォリオを利用しながら学生が自分のレヴェルを3段階でチェックする。
- CECRの「できること」リストA1をもとにDialogueを使った活動を3つ程度用意。
- 新しい文法事項などは余り導入せず、既に習ったことがある表現・語彙・文法の定着を
図ることを目標とし、学生がフランス語を使う機会の創出を目指す。
【問題点】
- 教材作成が容易ではなく、B1、B2レヴェルになると、教材を作るのが難しいかもしれ
ない。
- CEFRの能力記述文は複数の言語にまたがって利用できるようにデザインされているた
め、特定の文化について詳細に明記されていない。そのため、フランス語を教える際には
文化的な要素を補いながら、授業をデザインする必要がある。
【他の参加者からの意見】
- タスクとは、実際のコミュニケーションに役立つことを核にするべき。その観点から言
えば、どちらかといえばEXERCICE, ACTIVITEではないか?例えば、実際の自己紹介で、
年齢を話題にすることはないので、不適切かもしれない。(これに関して茂木さんから、実
生活から離れるような活動は、無理にタスクという用語は使用せずに、ACTIVITEとすべ
きなのかもしれないという指摘があった。)

○ 帰国生クラスの問題点(岡本さん)
【問題点】
高校の帰国生クラスを担当。担当科目名は「上級フランス語」だが、生徒の背景やレヴ
ェルがまちまち。日本に帰国後時間が経っている生徒は、自己紹介のフランス語もなかな
か出てこない状態。
- クラス内でレヴェルに差がある場合はどうすればよいのか。特に、忘れてしまっている
生徒に関して、どのように思い出させていったらいいのか。
- よく話す生徒を含め全体的に文法事項はあまり強くなく、文法のレヴェルを上げるため
にはどのような指導をしていったらいいのか。
- 高校生に適切な中級以上の教材にはどのようなものがあるか。
【他の参加者からの意見】
- 文法のレヴェルを上げるためには、作文を書かせることが効果的。会話だとごまかしが
利くので、ひたすら書かせることが有効な手段。(生徒間の関係が良好であれば、お互いに
交換して添削するのも良いかもしれない。)
- アニメーションにセリフやナレーションを入れる、等もレヴェルが異なってもそれぞれ
作成可能なので、有効ではないか。
- 中級以上の生徒に有効な教材として挙げられた教材:ポッドキャストCHOCOLAT、 TV5
Monde の7 JOURS SUR LA PLANETE (フランス語学習者用に編集されていて、レヴ
ェル別に練習問題も用意されている。レジュメ・全文・辞書機能あり)ROND-POINTな
ど。

○ 再履修クラスのモチベーションアップを目指して(余語さん)
20名程度の再履修クラスを担当。モチベーションを上げるために、様々な試みを行ってい
る。
【実践例】
- 4人のグループでACTIVITEを行うことで、日常的表現を身につける 
- 2週間ごとに、例えば「自己紹介」「1日の生活について」などとテーマを決めて 表現
を学んでいく。まとめに発表させる。
- 出来るだけ授業の中で学習できるようにして、少し宿題を出す。
【問題点】
- 文法事項をどう使うか?
【他の参加者からの意見】
- 学んだことと発表のテーマがかけはなれすぎないように工夫が必要ではないか。
- 動詞活用について、プリントで活用表を渡す、とコメントがあったが、再履修のクラス
では自習には無理があるのでは?
- 自己紹介に関して、たとえばAKB48のメンバーを紹介、なども良いかもしれない。

○ シャンソンで楽しく学ぶ (一條さん)
文法のクラスを担当。シャンソンを使って楽しく学ぶことを目指す。
【実践例】
- 毎週フランス語の歌を聞いて、聞きとりをする。
- キーワードを聞きとる。例えば、食べ物が歌詞に出てくる歌を聞いて、でてきた食べ物
をリストから選ぶ(ex.Nino Ferrer:Les Cornichons)
- 歌詞カードでリエゾンの感覚をつかむ
- 文法事項を探す。
etc...
【他の参加者からの意見】
- 他の参加者からも、利用できそうなシャンソンについて知りたいという声があり、ペカ
のMLで情報交換することになった。

○ タイプの違う学生の混合クラスにどう対応するか (吉澤さん)
【問題点】
- 理系クラスを担当。文系の学生と、理系の学生との反応の違いに戸惑っている。
同一科目の授業に対する年間フィードバックにばらつきがあり、文系・理系で後期から差
が出てしまう。
【他の参加者からの意見】
- 理系の学生の好きそうなトピック(機材の使い方など)を用いて語彙を学ぶ。
- 学習のスタイルやアプローチの仕方はそれぞれ異なるので(ex.理系の学生は教科書をま
ず見ることが多い。)、特徴をつかんで、どこを入口にするか工夫すると良いのではないか。
また、それを踏まえながら、学生の方も色々なアプローチに適応させていくと良いかもし
れない。

○ 挑戦--どうやって学生を引っ張っていくか (根岸さん)
【実践例】
「勉強」の「方法」を知らない学生が多い。とにかく「書く」ことが重要だと考え、でき
るだけ書かせることを実践している。(講読のテクストを写すことを推奨、等。)
- 数字→100まで:20まで教えたあと、30,40,50…の続きを黒板に書かせる。
- 筆記体を覚える。
【他の参加者からの意見】
- 書くことが大事ということについて、賛同の声が挙がっていた。

◇ まとめ
4月ということで新しい環境でスタートを切った人も多く、それぞれの現場での多種多
様な状況について、活発な意見交換が行われました。筆者はこの春から教壇に立ち始めた
ばかりなのですが、経験豊富な先輩方から今後の指導に役立つ情報を色々と得ることが出
来ました。早速授業で活用していきたいと思っています。筆者のように経験が少ないフラ
ンス語教師にとっては、こうした情報交換の場は大変貴重なものです。今後も是非色々な
方に参加していただいて、情報交換が出来ればと思いました。
(N.O)



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