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NO.130

 

 

 

松川雄哉さんによる「語彙連想は第二言語語彙学習に効果的か?」


「EDFJ21号について」

19/11/2011

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     PEKA (ペダゴジーを考える会) News Letter no.130
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*PEKA活動資金カンパ口座
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加入者名:PEKA

■□■ 次回例会のご案内 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■

日時:12月3日(土)14:30〜17:30
場所:明治大学駿河台校舎、研究棟3階 第10会議室
(10月の例会と同じ場所です。
リバティータワー3階の連絡通路から研究棟に渡り、目の前の階段
あるいはエレベータで1階降りて下さい。階段・エレベータを出たところ
の廊下を左に行くと第10会議室があります。)

(〒101-8301 東京都千代田区神田駿河台1-1 TEL 03-3296-4545)
キャンパスガイドは以下の通りです。
http://www.meiji.ac.jp/koho/campus_guide/
* どなたでもご参加いただけます。参加費は無料です。

◆ 12月は、現在カナダ、ケベック州のラヴァル大学博士課程で「語彙習得」に
ついての研究の真っ最中、という松川雄哉さんに「語彙連想は第二言語語彙学習
に効果的か?」というタイトルでお話しいただきます。また、EDFJ 21号につい
ての話し合いを、茂木さんを中心に行う予定です。
そして、終了後、元気のある方は是非、忘年会にもご参加下さい!

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■□■ 2011年度例会日程 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
以下のとおりです。メモをお願いします。

12月3日、2012年2月18日
いずれも(土)14:30〜17:30
場所については、例会ごとに案内をご確認ください。

■■■【2011/10/22例会報告】━━━━━━━━━━━━━━━━━
10月のペカのテーマは「楽しい活動をしながらどのように文法にもっていくか?」でした。
参加者数は17名!「文法を学ぶ・教える、は永遠のテーマ…」というベテランの教師から、
「ペカ皆勤記録を更新中」「多忙な毎日に疲れて癒されに来ました…」という働き盛り系、悩み
つつもいろいろチャレンジしながら授業の形を模索中のフレッシュ系、大学院で論文を書き進
めているピカピカ次世代系、フランス語教師になろうかなぁという卵世代・・・と、広い範囲か
らの参加がありました。また、小松さんの紹介で、フランスで日本語教師をなさっており、現
在は受託研究員として筑波大学にいらしている高橋さんが、ペカに遊びに来て下さいました。
今後もいろいろな方に気軽にご参加いただけるといいですね!

今回の例会では結果的に以下の3点についての意見交換が行われました。
1. 前回の例会テーマ「モチベーション」に関する授業改善の実践報告(粕谷さん)
2. 今回のメインテーマ「楽しく文法を学ぶ」に関する実践報告(西川さん、飯田さん、鵜澤さ
ん)
3. 飛び入りテーマ:「グループ学習」の問題点について(吉澤さん)
以下、順に報告します。 

<「モチベーション」に関する授業改善の実践報告:粕谷さん>

 粕谷さんは高校生の学習者を対象にしています。今年のクラスの雰囲気がよくつかめず、
生徒のモチベーションアップには何が必要か考え、前回のペカで現状を報告。その際出てき
たアイディアのいくつかを、早速教室で実践してみたそうです。
まず、生徒が勉強すると思って設定したものの、実際には学ぶ楽しさをマイナスにしていた
かもしれないと判明した小テストを廃止して、「楽しく」をコンセプトに発想を転換。学習内容
を用いたミニ会話を生徒自身が作成、発表する、という教室活動を導入したところ、生徒間
にほどよいライバル意識が生まれ、授業づくりにもリズムが出てきたということです。
報告を聞いたメンバーは、粕谷さんの実行力に感服。次のステップとして「評価の仕方」
について、 
1)主観的な評価に陥らないよう、評価の項目を、発音、文法的注意点、声の大きさな
ど、予め用意し、その場でチェックできるようにする。
2)「評価」の形にとらわれずとも、学習者と一緒に振り返るという形で、何が分からないと
発表している会話の内容が伝わらないのか、など、コメントするのもよいのでは?
という意見が出されました。会話・口頭表現の評価はあいまいになりがちですが、観点を決
める、あるいは、それを通して何を学ぼうとしているかを学習者が自覚できるサポートをしてい
く、というこの2点はいろいろと応用がきくのではないでしょうか。
また、「遊び」の要素の強いものを授業に導入する場合は、学習過程のどこに入れるかなど
にも配慮が必要、という声もありました。「楽しい」の定義にも、くり返しの楽しさ、発見する
楽しさ、などいろいろあるので、やはり目的別に、単調にならない教室活動を考えるのが大切
・・・というのがまとめとなり、今回のテーマ「楽しく文法を学ぶ」にもリンクしました。

<「楽しく文法を学ぶ」 に関する実践報告:西川さん、飯田さん・鵜澤さん>

◇その1:学習内容を楽しく確認:シャンソンを使った授業 (西川さん)
西川さんはi Pod を利用して、シャンソンを教室に導入しています(テレビに専用ケーブルで
接続すれば、ビデオクリップを見ることができるそうです!) 
まず、歌を聴きながら学習ポイントの含まれる箇所のディクテ(おもにサビ部分が理想的)を
することで、学習内容が実際に歌の中に現れるのを体感してもらう。次に歌のタイトルを当て
る、など、歌詞が分らなくても、ポイントをつかめるようなactivit?が紹介されました。

文法事項に合ったシャンソンの例:
半過去:Elle s'appelait Serge (Les trois accords)
現在形: Philippe (Katerine)
単純未来:Quand je chanterai une chanson d’amour (Claude Francois)

参考:歌はバイリンガル、キーワードが仏英二カ国語で出てくるビデオクリップもあります:
I Wanna Dance With Somebody /Danser toute la nuit
(These Kids Wear Crowns & Brigitte Boisjoli) 
(土屋さんからの情報提供)

シャンソンについては、学習事項を確かめる他にも、先に歌を聴いて、例えばそこに出てきた
単純未来形を使って表現をつくっていく、また、よく知られているシャンソンを歌う、等があげ
られました。しかし、歌の選択が教師の好みに左右されるのは事実。だからこそ、情報交換
は大事なポイントになってくるかもしれませんね。

◇その2 Exercices automatiques :初心者用のACTIVITE。学んだこと(動詞活用など)の
実践(飯田さん・鵜澤さん)

3人グループのACTIVITE:
*例1)ジェスチャーをつける(ABは一緒にいる。Cは少し離れたところにいる)
A : Il s'appelle comment ?
B : Oh, j'ai oublie.
A : Attends... (Cに聞きに行って)Tu t'appelles comment ?
C : Je m'appelle ....
A : Merci. (Bのところに戻ってきて)Il s'appelle ....
B : Ah oui ?

このようなやりとりを Il habite ou ? Qu’est-ce qu'il fait ? などを用いて続ける。くり返
しになるが、体を動かしているので、けっこう楽しそうにしている。

*例2)自由な要素を加える
A : Je m'appelle ......
B : Ah, vous vous appelez (tu t'appelles ) ..... (Cに) Elle s'appelle ......
C : (Je sais. / D'accord. / Ah bon. など短い表現で、今、言えることを言う。) 
→アドリブに人柄が出て面白い。
このようなやりとりをそれまでに習った動詞を使って続ける。

この他にも動詞の活用についてのACTIVITEの例がいくつか紹介されました。その表現を用い
るのに必要なシチュエーションを提供できるような「体や心を動かす」ACTIVITEを工夫するのが
ポイントだというコメントがありました。

<「グループ学習」の問題点について:吉澤さん>

ここで、参加者の1人、吉澤さんから、グループ活動導入のむずかしさについての問題提起
がありました。
「確かに授業の活性化にグループ学習は有効だが、そこに乗ってこない学習者がいる場合
はどうするか?」
この点について、いくつかの案が出されました。
- グループの相手がいつも同じにならないように、例えば30人のクラスなら、1〜10の番号を
ふって毎回ちがうグループを作ることにする。
- グループ活動=会話 の場合、いきなりではなく、声に出して読む練習をする段階など、
準備をする時間をとるなどの工夫をしてみる。
- 2人で協力しないと内容がわからないようなactivit?を提供することで、学習の仕方の違
いを理解してもらう。
- 名前を覚える=人を覚える努力をしてみる。これについての工夫は色々ありました・・・
名前カードを作って列ごとに写真をとる/机に名札を作っておいてもらう/キャッチコピー
を言ってもらうことで学習者1人1人の印象をつかむ/小テストを返す時に名前と顔を一致させていく
など・・・

 抽象化された文法の概念を「説明」を通して学習者が理解するのは難しいでしょう。でも、
それを目に見える形で実践し、教室でつかんでもらうための「楽しい」工夫には色々なものが
ある、と感じられた盛りだくさんな例会でした。 (T.T.)


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