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NO.118

 

<学習の一般化>


04/12/2009

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     PEKA (ペダゴジーを考える会) News Letter no.118
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■□■ 次回例会のご案内 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
<学習の一般化>〜越森彦
今回の例会では「学ぶ・教える」という行為をフランス語だけに限らず、他の行為とのア
ナロジーにおいて考えてみたいと思います。たとえば、料理をする、スポーツをするとい
う日常的な行為の中にも普段の授業に「移植」して活用できる要素があるのではないでし
ょうか。ただ、「学ぶ・教える」とは何か?という抽象的な教育論議ではなく、以下のよう
な点に関してできるだけ具体的なアイデアをみんなで見つけられたらいいと思います。
○学習者に具体的で分かりやすい行動のヒントを与えるにはどんな方法が考えられるか。
○学習が「これならできそうな気がする」と前向きな気分になれる環境づくりとしてど
んなことが考えられるか。
○学習者がすでに別の分野でやったことのある「学び」をフランス語の学習に活用するき
っかけをどのように与えることができるか。
 忘年会で今年のことをきれいさっぱり忘れる前に、「今年の授業で一番困った場面」を自
己紹介のときに教えてもらえると助かります。

日時:12月19日(土)14:30〜17:20
場所:ピアソン・エデュケーション(桐原書店)B1F 102/103会議室
(杉並区高円寺南2-44-5
JR中央線高円寺駅徒歩5分/地下鉄丸の内線新高円寺駅徒歩7分)

地図参照 http://www.pej-hachette-francais.jp/portal/8.html
* どなたでもご参加いただけます。参加費は無料です。

■□■【忘年会のご案内】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
12月19日(土) 18:00〜20:30
海鮮創作料理 ガンジューヤー (TEL 03-3338-6012 ;杉並区高円寺北3-22-8)

予約の都合がありますので,参加なさる方は12月16日(水)までに、お知らせください。
本メールマガジンへの「返信」で、件名を「忘年会」としてください
(またはnegi-junアロバーズzg7.so-net.ne.jpまで)。
例年とちがい、飛入参加は難しそうです。ニューズレターを登録していない周囲の方にも
ご案内ください。

■□■【PEKA論集EDFJに投稿しませんか】━━━━━━━━━━━━━━━━
2010年5月刊行予定のEDFJ 19号への投稿を受け付けております。フラン ス語教育に関
わる論文、研究ノート、実践報告の投稿ご希望の方は、12月18日(金)までに、本メー
ルマガジンへの「返信」で、件名を「投稿希望」としてください(またはr-mogiアロバー
ズpop21.ne.jpまで)。

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■■■■【10/24例会報告】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
<教師の意識化>〜左合桜子さん

◇今回のテーマは私達「教師」の「意識化」でした。私達自身の授業への取り組み方や学
生に対する態度などを振り返りながら、「教師」は何を、どの時点で、どのように意識化す
る必要があるのかをみんなで考えました。意識化すべき対象は学習者、教材、評価などが
考えられますが、今回は学習者に対する意識に特に注目しました。

◇まず言語教師の認知の問題を扱った研究書『教師の仕事とは何か - スキルアップへのフ
ァースト・ステップ』(秋山弥監修、作田良三、江玉勝美、櫻田裕美子編、北大路書房、2006)
から抜粋が配られ、初等・中等教育では教師はどのような点に気をつけているのかを読み、
例会参加者自身の場合と関連づけて教師の意識化の出発点としました。

◇そこで注目したのは「教育において望まれる教師と生徒の関係は、子どもが教師の権威
とやさしさを感じる関係。教育的愛情に基づいた信頼関係の構築」であること、そして「子
どもの主体性や自発性に基づいた活動」が学習には不可欠だという点です。教師は学習者
を「見る」ことが必要であり、学習者の「好奇心や探求心を芽生えさせ、促進する環境作
り」を心がけなければなりません。学習意欲を喚起するために、具体性を持たせて励ます
事が重要で、そのためには客観的な情報をフィードバックしてやることで、やれば出来る
という達成感・自信につながります。その意味で教師は学習者の認知過程に関心を注ぐ必
要があります。これは学習者の年齢にかかわらず共通した問題でしょう。

◆さて、こうした考え方に対して語学教育の現場からの指摘として次のような意見が出さ
れました。
1.学習者との関係作りで教師が自覚しておくべき事
- 大学での関係は小・中学校の関係より限定された関係である。
- 学習の過程で明らかになる各自の理解度に応じ学習のどの時点で関わるかによって関係
が違う。
- 学習過程には関わるが人格形成には関わらない。学習者の考えていることは問題にはな
らない。
- 権威は必ずしも必要とは思われないが、学習者に対するやさしさが裏目に出て、学習者
の主体性を妨げることもある。
- 興味を持っていることをやらせるには、カリキュラムが現実から乖離している。
- 教える試行錯誤の中から教師も学んでいる。

2.教師と学習者の接点について
a)具体性を持たせ、目標を設定することで関心を失わせない努力
- 仏検という目標。
- 単位を取るという目標。
- 綴り字が読めるようになる目標。
- 「やればできる」という具体性を実感させる。
- 「わかった」という実感が学習者に主体性を持たせる。
- わかる「きっかけ」を学生が自分で見出せるようにする。
- フランス語の具体的な面白さが文法理解を支える。
b)教室環境によって関係が構築しやすくなる
- 人数は大切である。大人数はもちろん、少なすぎるのも環境として不適切。
- 各学生を平等に扱い、不公平感を抱かせないよう注意する。
- 公と私を混同しないよう、学習者と教師の距離の意識も重要。
- コンパのようなクラス外ではなく、あくまでもクラス授業を通して、「学び」のなかで人
間関係を作る。
- 学習者がよい方向に進んでいるか気を配るには、名前を覚えるなど、集団のなかでの一
対一の関係も大切。
- 制約の多い学習環境の中で、いかに良好な人間関係が築けるかが問題である。

3.教師の問題
- カウンセリングが必要なケースなど、現場の教師だけで処理できるものとできないもの
がある。
- 意識化は教師の資質の問題とも関係するため、教えようがない。
- 課題は現場で教師が自分で見つけねばならないが、意識化を手助けする教育はある。
- 学習者に「学び」の環境を整えるように。教師も意識化のためには自らの「気づき」の
機会を作らねばならない。

こうした様々な意見交換の後、教師が問題意識を持てるようにするにはどうすればよいか、
教師が自分で意識化するための方法として、具体的には次のようなアイデアが出されまし
た。
1.授業日誌(教育活動を客観的に把握する)
2.宿題添削(同じ間違いが多いときは自分の教え方に問題があったかと考える)
3.失敗から考える(いかに修正するかが意識化の手がかりとなる)
4.教材から考える(その取り扱い方にも教師の意識が反映されている)

教師が持たねばならないものとして、技術(教え方)、親切(プロ意識)、正直(捨ておか
ない)、この3点が重要でしょう。結局、教師もまた「日々勉強」だということでお開きと
なりました。(R.T.)

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