Pékaトップページ       過去ニューズレターMENU    

 

NO.104

 


05/09/2007

┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏

     PEKA (ペダゴジーを考える会) News Letter no.104

┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏


■ 次回のPEKA ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■

日時:9月15日(土)14:30〜17:20
ピアソン・エデュケーション(桐原書店)
102/103会議室
(杉並区高円寺南2-44-5
JR中央線高円寺駅徒歩5分/地下鉄丸の内線新高円寺駅徒歩7分)
地図参照
http://www.pearsoned.co.jp/map.html

◆「発音矯正における体の使い方」
......... 鵜澤恵子さん(東京日仏学院)
単音の発音は、まず口の形と舌の位置で説明します。その説明で発音のこつをつ
かむ人とそうでない人がいます。これは、体と力の使い方に個人差があるからで
す。矯正のためには、まず、学習者がどのように体(力)を使っているか、どこ
を変えると目標とする発音に近づくかを判断します。次に、本人がそれを実現で
きるようにアドバイスします。そのためには教師自身が自分の体を意識すること
が大切です。今回の例会は、学習者によく見られる発音の傾向とその矯正方法を
紹介して実際に練習し、体を感じてみるワークショップです。同様に、リズムや
イントネーションについても扱います。
授業中に気になった点、矯正しきれなかった点なども当日ご報告ください。一緒
に考えてみましょう。

*参加費は無料です。どなたでもご参加いただけます。

上へ

■■■【6/16例会報告】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「いかに声を届かせるか」
.........佐々木泰幸さん(立教大学)
(キーワード:クラス運営、コミュニケーション)

年間テーマ<外国語教育における身体>の第2回目例会。
 大人数の学生を前にして数時間話し続けると、自分自身も疲れてしまい、結果
として聞いている学生の側も息苦しくなってきます。また、教師の声が小さいと、
学生にメッセージが伝わりにくくなってしまいます。教師が発するべき良い声と
はどのようなものでしょうか。どのようにすれば疲れずに良い声が出せるのでし
ょうか。今回の例会のねらいは、演劇や声楽の発声法からそのコツをつかむこと
でした。
 今回の司会である佐々木さんは、小劇場などで一人芝居もこなす役者として実
際に活躍されています。また、声楽的な発声練習法についても知識をお持ちでし
た。そのノウハウを生かして、今回の例会を進めていただきました。

【ストレッチ】
まずは2人組みになって軽くストレッチを行いました。体を温めることによって、
声が出しやすくなります。

【息を吸う、吐く】
ゆっくり吸い、ゆっくり吐く。この単純な動作の中にもコツがあります。力を入
れる箇所を間違えると力んだ声になってしまったり、力を抜く箇所を間違えると
小さな声になってしまいます。腹筋を意識しながら、お腹に息を入れる感覚で行
います。また、肩が上がり下がりしないように注意し、肩の力が抜けていること
を確認しました。
 次に、声を出さずに「ハッ、ハッ、ハッ」を繰り返しました。このときもお腹
を意識し、肩が動かないように注意します。普段何気なくしている呼吸ですが、
コントロールするのは意外と難しいことがわかりました。

【発声練習】
1)ハミング:声を出そうとすると、のどに力を入れてしまいがちですが、逆に、
のどや肩に力を入れずにお腹から息に乗せる感じで。そして、大きな声を出そう
とするのではなくて、声に響きを持たせることが重要です。力を抜くというのは、
この点からも大事であると力説されていました。
2)「ア」の母音でロングトーン(長く伸ばすこと):一人ずつ順番に回ってきま
したが、緊張してしまいますね。それでも常にお腹に意識をもって、肩やのどに
は力を入れずに…
3)スタッカートで「ア」「ア」「ア」...:お腹に触れながら、声を出すときにへ
こみ、息を吸うときに膨らむことを確認しました。腹筋と声の連動を体得するの
がねらいです。
4)「あ、え、い、う、え、お、あ、お」:演劇で行われているオーソドックスな
発声練習です。口の動きに注意して、それぞれの母音の特徴をつかみます。モゴ
モゴしないように、滑舌に注意します。また、常にお腹への意識を忘れないよう
に。

【早口言葉トレーニング】
今まで行ってきた発声練習をもとに、実際に言葉を喋ってみます。配布資料の早
口言葉トレーニングを使用しました。早く喋ろうとするのではなく、ゆっくり滑
舌よく発音することを心がけます。また、応用として、スピードを自分で調節し
てペースをつかむ練習も行われました。自分で喋るだけでなく、聞き取る相手に
気を配るというのが目的です。

【長文の朗読】
フランスに関する10行前後の説明文を朗読しました。ただ下に目をやるだけでは
なく、ぶつ切りになっても構わないので、相手を見て語りかけることを心がけま
す。いくつかの注意点がありました。まず、日本語の文末はスピードが上がるの
が自然ですが、文末が早くなると弱くなる傾向が見られるので、先に行った腹筋
で支えるということを忘れないようにというコメントをいただきました。また、
語りかけるようにと言っても、「えー」などのつなぎ言葉が多くならないほうがよ
いとも。

 さらに、姿勢について補足がありました。背筋などはそれほど気にする必要は
ありませんが、発声に関わる部分(お腹など)がすぼまってしまったりすると、
声が出しにくくなってしまうそうです。お腹の支えで姿勢を支えることを心がけ
ると、自然と見栄えもよくなり、声が出せるようになるとのことです。
ここまでで例会終了の時間になりました。3時間はあっという間でした。どの練
習項目に対しても、佐々木さんは一人一人に対して丁寧にコメントを下さり、自
分の改善点を知るだけでなく、参加者全員にとっても有益でした。
力を抜くべきところは抜き、入れるべきところには入れる。このことは年間テー
マの「外国語教育における身体」と密接に関わってきます。参加者の中に、授業
が終わるとどっと疲れがやってくるというコメントがあり、それと同様の経験を
持つ方も何人かいました。その解決法として、呼吸や発声法を整えると響きのあ
る声がだせるようになり、疲れにくくなるので、これらの練習を引き続き行って
いくとよいという勧めがありました。
ことばは人間のコミュニケーションにおいて重要な一手段です。そのことばをい
かにして声に乗せれば、効果的にメッセージが伝えることができるのか。前回の
例会とあわせてその第一歩を学べたのは、私たち外国語教師にとって有意義であ
ったのではないでしょうか。(H.A.)


上へ


*カンパは以下の口座でお受けしています。
郵便振替口座 00120-1-764679 PEKA

***************************************

PEKA (ペダゴジーを考える会)News Letter
配信システム:まぐまぐ
http://www.mag2.com/
配信登録・解除の手続きは
http://www.mag2.com/m/0000228585.html

*PEKAの活動について詳しくは
http://peka.cool.ne.jp/

***************************************

◎PEKA (ペダゴジーを考える会)News Letterのバックナンバー
⇒ http://blog.mag2.com/m/log/0000228585/ .


       

上へ


Pékaトップページ     過去ニューズレターMENU