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NO.102

 


08/04/2007

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     PEKA (ペダゴジーを考える会) News Letter no.102

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°。。* 2007年度PEKA年間テーマは<外国語教育における身体>に決まりました。
例会日程は4/21、6/16、9/15、10/20、12/15、2008/2/16
(いずれも土曜日午後)です *。。°

6月16日(佐々木泰幸さん:立教大学)
9月15日(鵜澤恵子さん:東京日仏学院)
10月20日(JEAN-FRANCOIS ROCHARDさん:フランス大使館文化部)
12月15日(明神慈さん:ポカリン記憶舎)
2008年2月16日(佐藤麻美さん:山王病院東京ボイスセンター)

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■ 次回のPEKA ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■

日時:4月21日(土)14:30〜17:20
場所:大東文化会館(板橋区徳丸2-4-21)1階K-0101ホール
  (池袋より東武東上線普通で14分;東武練馬駅下車、
   サティ前線路沿の道路を池袋方面に徒歩5分。
   東武練馬駅からお越しの場合、入口階は2階です。)
http://www.daito.ac.jp/exten/access.html


テーマ:
◆コミュニケーション能力と「身体の技法」:白井春人(大東文化大学)
前回の例会でご紹介した、大東大英語学科ヨーロッパ2言語コースの必修科目
「身体の技法」(下記報告参照)について、今回は参加者のみなさんに授業内容
の一部を実際に体験していただき、「身体の技法」をフランス語の授業へどう活かすか、
意見交換したいと思います。

*できるだけ動きやすい服装でいらしてください。
**参加費は無料です。どなたでもご参加いただけます。


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■■■【2/17例会報告1】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「フランス語が大学教育の中で生き残るには
ーー英語学科ヨーロッパ2言語コースというカリキュラム」
.........大東文化大学 白井春人さん
(キーワード:カリキュラム)

◇ 「来年もフランス語の授業数が減る...」毎年多くの大学で次年度のカリキュ
ラム編成の時に、こんな嘆きが聞かれるのではないでしょうか。フランス語の授
業数削減は、フランス語教員の大学での立場、あるいは生活維持に関わる切実な
問題でもあります。
本例会では、「フランス語が大学教育の中で生き残る」ための大東文化大学の取
り組みを、白井春人さんにご紹介頂きました。2006年度から大東文化大学外国語
学部英語学科に、「ヨーロッパ2言語コース」が開設されました。このコースでは、
英語と外国語(仏・独)が並列しています。(ここに、「フランス語が大学教育の中
で生き残る」工夫が隠されています。)白井さんには、「ヨーロッパ2言語コース」
ができるまでの大学の変遷とコース内容を詳しく説明して頂きました。さらに学
科内の注目すべき授業の一つである「身体の技法」について紹介して頂きました。

◇ 大東文化大学には現在8学部(文学, 外国語, 経済, 経営, 法律, 国際関係, 環境
創造, スポーツ健康科学)19学科あります。全学生数約13,000人規模の大学です。

1)教養課程の廃止と科目の多様化:
 1995年教養課程廃止に伴い、大幅なカリキュラム変更が行われました。旧教養
課程内の外国語については、多様化した各学部のカリキュラムに対応するため、
結果的に科目数は増加しましたが、必修科目は減少しました。学部ごと縦割が進
むと、フランス語教員のいない学部でフランス語科目の削減が行なわれやすいの
です。とはいえ、多様化した科目数を活用して、必修科目と自由選択科目をセッ
ト履修する「強化(=少人数でゆっくり丁寧に学ぶ)クラス」を提供したり、「攻
めの工夫」を忘れていたわけではありません。

2)外国語学部英語学科の新カリキュラム:
  2006年文学部の学生定員削減を受け、外国語学部英語学科にその一部が移
りました(英語学科学生定員180名から230名へ。教員定数19名から28名へ)。
これまで文学部所属だった独仏教員が英語学科に移籍し、英語学科には、「英語コ
ース」と「ヨーロッパ2言語コース」という2つのコースが作られました。
 「ヨーロッパ2言語コース」では、フランス語またはドイツ語を、通常の第二
外国語よりは多くの時間をかけて学ぶことができます。英語一辺倒でなく、多様
な言語や文化に目を向けることができる環境です。仏語圏・独語圏に協定校も開
拓しました。詳しいカリキュラムは、以下にあります。
http://www.daito.ac.jp/gakubu/gaikoku/english/curriculum.html

  将来を見据え英語の他にもう1言語勉強することに積極的な高校生も増えて
います。「2言語コース」の試みは、大学でフランス語が生き残るための新たな可
能性と言えると思います。

◇ 「ヨ・2言語コース」の注目すべき科目
  言語以外に「思考の技法」、「身体の技法」というコミュニケーション能力養成
を考慮した科目があります。また、2年生の段階から、「働くこと」への意欲を序々
に高める目的で、「しごと論」という授業もあります。白井さんは昨年度「身体の
技法」を担当されていたので、授業の詳細を報告していただきました。

「身体の技法」(半期)
<授業のねらい>:
コミュニケーション能力の養成を目標とし、「ヨーロッパ2言語コース」の学生対
象に、言葉を伝えることの意味を、体を動かしながら考えてみる授業です。人が
相手と話す時、言いたいことを伝えるために、本当に「言葉」だけに頼っている
のでしょうか?体を動かしたり、声の調子などで、言いたい内容を相手に伝えて
いたりしないでしょうか?いろいろなワークショップ(「発声練習」「ウォーキン
グ」「動作を真似る」「コミュニケーション・スキット」等)を体験しながら、そ
の意味を考えます。外国語習得のコツが見つけられるでしょう。

<教室と履修者数>:
バレエ教室。前期30名、後期14名(「英語コース」の学生も履修可)。

<シラバス>:
1)腹式呼吸/2)ストレッチ/3)腹筋/4)発声練習・早口言葉/5)柔軟/
6)ウォーキング/7)バレーバーレッスン/8)鏡のレッスン/
9)動きのレッスン(ランダムに歩いてみる等)/10)喜怒哀楽(動物の動きをして
みる等)/11)グループスキット(早口言葉で挨拶等)
12)発表:演劇体験(イヨネスコ『授業』のリライト版)

<受講生からの授業評価>:
最初は恥ずかしかったけれど、だんだん声を出したり、動いたりできるようにな
った。/ この授業を受けて、「意味内容が同じなのに、伝わり方が違う」というこ
とを身をもって体験できた。 / コミュニケーションにおける言葉以外のファクタ
ーに気づいた、等。

 例会では、「身体の技法」で学んだことがどのようにフランス語の授業につなが
っていくのか、ということが問題になりました。白井さんによると、この授業を
受けてきた生徒は、フランス語のdialogueを演じるのが上手いという傾向がある
ようです。しかし、せっかく身につけた声の出し方、話し方、さらに「自らの解放」
の方法は、もっとフランス語の授業で生かされていいのではないかという指摘が
ありました。2007年度は、白井さんはコース1年生のフランス語科目も担当する
そうです。「身体の技法」とフランス語の連動を深めて、またその結果を紹介して
ほしいと思います。   (K.K.)


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■■■【2/17例会報告2】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
今後の運営(ニューズレターおよび論集EDFJの発行形式/頻度)について
司会)善本孝さん

 PEKAは会費制を取らず、カンパによって運営されています。ところが、2005
年以来フランス語教育セミナーが開講されなくなったこともあり、カンパの額が
減少し(それまではセミナー講師が講師料をカンパしてくれていました)、資金を
崩しながらニューズレターとEDFJの発行をしています。
 2005年のカンパ総額21,000円、2006年は59,010円に対し、ニューズレターの
郵送費年間57,600円(80円×120名×6回)。EDFJ印刷費はページ数によっても
違いますが平均290,000円かかります。その内200,000円は大使館からの補助金
で賄い、残りを支出しています。大使館からの補助金は継続されるかどうか不透
明な部分がありますが、EDFJの発行を続けるとすれば、大使館補助金の継続と、
カンパ年間100,000円達成+ニューズレターの郵送停止が条件となります。
 そこで、ニューズレターの配信は、メールマガジンに移行すること、PEKAの
活動を大使館にアピールしながら補助金の交渉を続けることが話し合われました。
 またホームページについては、PEKAが特定の教科書を推薦していると思われ
ないように考慮することを、あらためて確認しました。   (K.K.)


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*カンパは以下の口座でお受けしています。
郵便振替口座 00120-1-764679 PEKA

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配信システム:まぐまぐ
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*PEKAの活動について詳しくは
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